とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

グランパス 幸先のよい勝利 今シーズンもこの2チームの争いか

 フジゼロックススーパーカップ。昨シーズンJリーグチャンピオンのグランパス天皇杯チャンピオンのアントラーズの戦い。今シーズンの調子を占うとともに、今シーズン最初のタイトルマッチ。しかも3日後にはACLの初戦があるという難しいゲーム。グランパスは移籍の藤本を加えてほぼベストメンバー。対するアントラーズは話題のカルロンを温存。エスパルスから移籍の本田や田代も出場せず。まだ連携が熟成していないということか。
 立ち上がりからグランパスがパスを回して攻めていく。アントラーズはじっくり守ってカウンター狙い。昨シーズン、グランパスアントラーズ相手にリーグと天皇杯で3連敗。両チームとも昨シーズンまでと同じような戦いぶり、同じような展開。
 11分、金崎が阿部、小川と絡んで突っ込んでいく。対するアントラーズも12分、中村を大迫のチェックからボールを奪い、小笠原のスルーパスに興梠が抜け出しシュート。13分には野沢から興梠がポストとなってスルーパスに大迫が走り込む。GK楢崎、落ち着いてキャッチ。
 19分には玉田から金崎、小川とつないで玉田がシュート。GKのはね返りを阿部のクロスにケネディがヘディングシュート。阿部のクロス、ケネディの高さも健在。20分には阿部から金崎がシュート。24分には玉田からのパスを金崎がシュート。今シーズンは金崎の積極的な姿勢がよく見えた。
 しかしアントラーズも譲らない。26分、野沢のクロスをフェリペ・ガブリエルが落として青木がシュート。29分、大迫のシュートはバーを直撃。大迫は32分にも積極的にシュート。
 両チーム互角に攻め合う展開。攻撃だけではなく守備も完成度が高く、決定的なチャンスはなかなか作らせない。今シーズンの両チームのレベルの高さが見て取れる。
 38分、カウンターから藤本のパスに金崎がドリブル、シュート。小川、藤本が走り込んでいく。アントラーズも42分、フェリペのポストプレーから大迫、興梠、大迫とつなぎフェリペがシュート。直後のCKに興梠がシュート。対するグランパスも45分、阿部のクロスを小川が落とし、玉田がシュート。前半はほぼ互角の戦いで終わった。
 後半に入ってもがっぷり四つ。2分、グランパスがカウンターから金崎、藤本、小川と走ってゴール前に迫ると、4分、アントラーズも青木のパスから阿部、増川の守備の乱れを突いて野沢がシュート。6分には野沢のCKに興梠がヘディングシュート。
 すると9分、中盤からの藤本のFKに増川がヘディングシュート。グランパスが先制点を挙げる。闘莉王と二人してゴール前に走り込み、途中で別れるとさすがにアントラーズのディフェンスも両者に付き切れない。曽ヶ端の手の先で増川の高いヘッドが炸裂。今年も健在、ツインタワー。11分には阿部のクロスにケネディが合わせるが、伊野波が懸命に付いてゴールを許さない。
 13分にも新井場のクロスを興梠が落とし大迫がシュートすると、21分、ゴール前のFKのチャンスに野沢がグランパスの高い壁の上から右隅に落とす見事なゴールを決めた。同点。
 その後、グランパスは吉村、三都主、花井、アントラーズは中田、カルロン、本山を投入してゲームは膠着。28分、グランパスはカウンターから増川のパスに田中がクロス。ケネディがヘディングシュート。35分にも阿部からケネディのクロスが入るが、小川にわずかに届かない。逆にアントラーズは40分、右サイドから興梠、フェリペとつないで野沢がミドルシュート。GK楢崎がナイスセーブ。結局、1-1の同点のままタイムアップ。
 PK戦グランパスが先行。最初、ケネディが失敗してイヤな空気が流れたが、アントラーズの一人目岩政も楢崎がしっかり足を残してセーブ。アントラーズの3人目アレックスは手で叩き落としてキャッチするスーパーセーブでストップ。最後は新井場もブロックして3-1でグランパスが勝利した。
 グランパスはこれで昨シーズン対アントラーズ3連敗の悪いイメージを引き摺らずに新シーズンに臨むことができる。同時に、意欲的な補強をしたアントラーズは昨シーズン以上に手強い相手であることがわかった。2011年シーズンはグランパスアントラーズの争いになるのではないか。ゲーム後のストイコビッチ監督のインタビュー時の厳しい顔がそれを物語っている。さあ、厳しくも楽しい新シーズンの幕開けだ。