とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

長友 初得点 キブの意地と長友の真摯さを両手に操るレオナルド監督の操縦術

 長友が初ゴールを挙げた。そのシーンはニュースでイヤというほど見せてもらった。おじぎパフォーマンスとともに。だがこれが5点目でインテル圧勝という状況。ジェノアがそんなに酷かったのか? おじぎする長友を囲む輪の中にキブの姿が。長友はいったい誰に代わったんだ? 長友のサイドを破られて2点目を献上。長友の守備はいかに? わからないことがいろいろあるので、最初から観ることにした。
 ところが、モッタ、サネッティスタンコビッチと揃えた中盤が守備的で、スナイデルエトーの二人だけでは、守備を固め、カウンター狙いのジェノアを全く崩すことができない。インテルはボール・ポゼッションは高いもののジェノアの裏を狙う攻撃に危ないシーンも作られる。膠着した展開。はっきり言って凡戦。
 ようやく22分、マイコンからパッツィーニが落とし、スタンコビッチミドルシュート。26分、スナイデルのフィードからエトーがドリブル、クロスを挙げるもパッツィーニに合わない。35分、エトーのグラウンダーのミドルシュートポルトガル代表GKエドアルド、セーブ。39分、スナイデルミドルシュート。ようやくシュートは打てるようになったが、決定的なチャンスは訪れない。
 すると40分、カウンターから右SHのコンコがドリブルで上がり、右へパス。パラシオがフリーになってグラウンダーのミドルシュート。GKジュリオ・セザールの指先をかすめてゴールに飛び込んでいく。なんとジェノア先制。
 後半に入り、スタンコビッチに代えてパンデフを投入。4-2-3-1の布陣に代えて、パンデフが積極的に突っかけていくと、インテルにチャンスが訪れるようになる。3分、パンデフが倒されて得たスナイデルのFKはGKエドアルドがわずかに触れて弾き出す。
 しかし5分、中盤でエトーがパスカットすると、マイコンのクロスにパッツィーニがニアに飛び込み、同点。さらに6分、DFからのフィードをパッツィーニが落とすと、パンデフミドルシュート。GKが前にこぼしたところをエトーが走り込み、ゴール。あっという間に逆転。さらにさらに12分、右SBメストにエトーが詰めてボールを奪うと、そのままドリブルで切れ込み、GKの間合いを測った絶妙のトーキック。3点目。
 20分、メストが持ち上がってミドルシュート。惜しいシュートだったが、この時、どう接触したか、キブが倒れ込む。レオナルド監督、すかさず長友を準備。すると突然キブが元気になる。大丈夫だとベンチに口でアピール。それだけじゃ足りないと思ったか、これまで見せなかったような動きでゴール前まで飛び出していく。これにはレオナルドも長友を下げざるを得なかった。
 26分、パンデフのドリブルからエトースナイデルエトーのスルーパススナイデルが抜け出し、GKをかわして最後はパンデフがシュート。4点目。29分、ジェノアがボセッリ、アントネッリと攻撃的な選手を投入。インテルもカルジャ。さらに33分、ラノッキアに代えて長友。キブをCBに移す。キブの精神面を配慮しての交代。
 長友は入ってすぐに積極的にミドルシュート。これはGK正面。そして39分、ニュースで何度も観たおなじみのシーン。長友の長いドリブルからスナイデルマイコンのクロスをカルジャが受け、そのまま最前線に張り付いていた長友にパス。DFをかわしてシュート。ゴール。
 最後は長友が上がった裏のスペースをパラシオが走り込み、キブをかわしてクロスにボセッリが合わせて1点を返したが、反撃もここまで。ロスタイムもなくゲームは終わった。5-2とインテルの圧勝。試合終了とともに興奮して喜ぶ長友。しかし他の選手たちは意外にクール。長友初ゴールのお祝いはゴール後のおじぎパフォーマンスで終わっていた。
 それでもチェゼーナではゴールがなかっただけによかった。とは言え、これでレギュラーが掴めるほど甘くはない。キブの意地も見えて、しばらくはキブ優先の併用が続くだろう。とりあえずCLが控える次節ブレシア戦はまた先発できるかも。まだまだチャレンジの日々は続く。