チェルシー戦、押しながらも不覚の敗戦を喫したマンU。対するリバプールはウェストハムがよかったとはいうものの未だ攻撃の形ができていないことを露呈した。だが、4バックにした後半は機能。そのためか、それともケリーの負傷のためか、グレン・ジョンソンをかつての右SBに起用する4バックで臨む。トップのスアレス、カイトは変わらないが、メイレレスを右SHに開いて、ジェラードの前を開ける4-4-2。これが当たった。
序盤はマンUがいつものプレスをかけてくる。しかしホームのリバプールも負けない。3分、カウンターからマキシ・ロドリゲス、スアレスが右に回してメイレレスのクロスにスアレス。足元に入りシュートできなかったがゴール前に迫ると、この後リバプールが押し返していく。
リバプールのプレスが速くなり、マンUの攻撃がスコールズ、キャリックから前につながっていかない。それでも16分、ベルバトフのミドルシュートがポストを叩く。ゴール前まで入れなくても十分怖い。リバプールは18分、スアレスがボールを奪うと、長駆ドリブル、クロスをメイレレスが落とし、カイト。その前にGKファンデルサールが入る。
それでもこの日のリバプールはこれまでと違う。34分、ホームの圧倒的な声援に押されてマンUゴール前まで押し込むと、PA内でボールを受けたスアレスが反転するなり4人を抜いて、最後はGKファンデルサールの股下を通すと、カイトがゴールに押し込む。リバプール先制。
これで勢いに乗ったリバプールはさらにマンUゴールに襲いかかる。ここまで押し込まれ、浮足立つマンUも珍しい。すると39分、スアレスのクロスをナニがヘディングでクリアしようとして反対にカイトへの絶好のアシストパスに。これをカイトが決めて2点目のゴール。
ロスタイム。ナニとキャラガーが交錯。キャラガー、イエローカード。ナニはエルナンデスに交代。さらにラファエルとスクルテルがやり合う。両者イエローカード。荒れた試合になりかかるが、ここでタイムアップ。前半が終わった。
後半、マンUはギグスを右SHに回し、ルーニーを下げて左SHに。トップはベルバトフとエルナンデス。ルーニーがよく動き、攻め合う展開になる。4分、メイレレスのクロスからスアレスがドリブル、最後はメイレレスのクロスにジェラードが飛び込むが、GKがセーブ。直後にはベルバトフのクロスにエルナンデスが飛び込む。GKレイナが好セーブ。
9分、スアレスのドリブルからメイレレスのスルーパスにカイトが飛び込む。GKファンデルサールがセーブ。逆に10分、ルーニーのクロスにギグスがボレーシュート。わずかにバーの上。14分にもルーニーのクロスをエルナンデスが折り返し、ベルバトフがヘディングシュート。しかしメイレレスがライン上で立ちはだかる。17分にはカイトのスルーパスにメイレレスがシュート。わずかに外れる。
ダイナミックな攻防が続くが20分、中盤やや遠い位置からのFKをスアレスが蹴ると、壁の上から落ちてGKファンデルサールが横っ飛び。こぼれ球にカイトが詰めてゴール。すべてにスアレスが絡んで、カイトがハットトリック達成。
こうなると余裕のリバプールは29分、メイレレスに代えて移籍後初出場、傷の癒えたキャロルを投入。さっそくその直後、ルーカスのFKにキャロルがヘディングシュート。34分にはM.ロドリゲスのクロスをキャロルが落とし、カイトがシュート。高さが十分通用するところを見せつける。
40分にはジェラードがミドルシュート。41分、スアレスが中盤深い位置からドリブルでルーニー、エブラ、ブラウンをかわしシュート。これはミスキック。45分にはFKを横に流し、ジェラードがミドルシュート。これは惜しかった。
ロスタイム2分、ベルバトフのポストプレー、ギグスのクロスにエルナンデスがヘディングシュートを決めて、ようやくマンUが1点を返したが、ゲームはこれで終了。リバプールが会心の勝利を飾った。
スアレスが絶好調でその能力を存分に発揮。メイレレスを右に開き、M.ロドリゲスとジェラードが左サイドでゲームを作る。こんなに効いているルーカスは初めて見た。心配はケリーに続いてファビオ・アウレリオもケガでいなくなってしまったこと。しかし、CBにキリヤコスが入って、キャラガーが右SBに入った前半24分以降も十分安定した守りを見せていた。
ようやくリバプールが戻ってきた。少し遅過ぎたが、終盤戦の台風の目になるかもしれない。これからのリバプールが楽しみだ。