とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アーセナル 痛恨の敗戦 ボルトンに沈む

 残すところ後4試合。マンUとの直接対決を残すとは言え、勝点差6はわずかに細いロープでつながっている状況。絶対に勝たねばならないゲーム。相手は8位と好調のボルトンアーセナルは序盤から選手の気持ちを前面に出して、積極的なゲーム展開を見せる。
 4分、DFからのフィードをウォルコットが落とし、セスクのスルーパスウォルコットが抜け出してシュート。GKが弾いたところにナスリが詰めてシュートするもDFがブロック。7分にはウィルシャーからウォルコットのクロスにセスクがシュート。中盤でボールを回し中を窺ういつものアーセナルではなく、早めに前にボールを入れて、積極的に攻めていく。
 しかしボルトンのプレスが厳しい、また、チェルシーから移籍してきたストゥーリッジが好調。15分、ストゥーリッジのキープから右にパス、右SBステインソンのクロスをケビン・デービスがシュート。
 アーセナルボルトンの深いタックルに苦しみつつも、前への意欲を失わない。16分、ナスリからパスを受けたセスクが絶妙の反転でDFをかわしミドルシュート。わずかにGKヤースケライネンが触って弾き出す。
 24分にはストゥーリッジが中盤に下がって長いスルーパスイ・チョンヨンが抜け出しフリーに。しかし追いかけてくるサーニャに怯えて左のK.デービスにパス。ソングがさらってクリア。アーセナルイ・チョンヨンの消極的なプレーに救われる。
 その後も激しい攻防が続く。37分、ナスリがミドルシュート。ここからのゴールキックを受けたストゥーリッジがポストとなって反転スルーパスイ・チョンヨンのシュートはGKシュチェスニーがブロック。ナイスキーパー。しかしゴールはその後のCKから訪れた。
 イ・チョンヨンが蹴ったCKをCBケーヒルがヘディングシュート。ナスリがライン上でブロックするが、ストゥーリッジが反応しダイビングヘッド。ボルトンが先制した。アーセナルも44分、セスクのミドルシュートはポストに当たり撥ね返される。
 後半キックオフ直後、アーセナルが決定的なピンチを招く。K.デービスの縦パスを受けたストゥーリッジが反転して前進。ジュルーが競り合うが、PA内に入ったところで倒してしまう。PK。ところがK.デービスの蹴ったPKをGKシュチェスニーがブロック。危機を救う。
 すると3分、ファンペルシーがPA前でボールを持って右から中へとドリブル。セスクがポストに入って戻しのパスをシュート。これで同点に追いつく。
 その後も両チーム激しいプレスの掛け合い。膠着状態の中でアーセナルが先に手を打ってくる。ボランチのソングを下げて、前線にシャマックを投入。この積極的な采配でゲームが動き出す。22分、CBコシエルニのフィードをファンペルシーが受けてミドルシュート。25分には中盤まで下がったファンペルシーからの長いスルーパスにナスリが抜け出しシュート。GKに弾かれると再びナスリが拾ってシュート。しかしDFがブロック。さらにその直後にもファンペルシーが中盤低い位置からフィード。シャマックがポストとなってナスリに流すが届かず。
 アーセナルは28分、ウォルコットに代えてアルシャビン投入。30分にはそのアルシャビンが中盤低い位置からのロングスルーパスにナスリが抜け出すが、シュートともパスともつかぬ中途半端なキックでチャンスを失う。しかしこの時間からアーセナルが猛攻。攻めっぱなし。ボルトンは自陣を固め、守り一辺倒。40分、アーセナルラムジーボルトンはコーエンを投入。
 やや攻め疲れあせりの出てきたアーセナルに対して44分、ボルトンスローインからエルマンデルが抜け出しシュート。GKシュチェスニー、ナイスセーブ。しかしここからのCKを途中交代のコーエンが見事に合わせてヘディングシュート。アーセナルにとっては万事休す、痛恨のゴール。その後、ボルトンが息を吹き返し、アーセナルの反撃を封じ込めて会心の勝利を挙げた。
 ボルトンの勝因はまずは中盤の連動したプレス。トップのストゥーリッジの絶好調。そして大きな身体のエルマンデルが中盤に下がってアーセナルの攻撃を封じ込めたことが大きい。K.デービスやテイラーらの迫力あるタックルにイ・チョンヨンの機動力がよく噛み合っていた。
 アーセナルも悪くはなかった。特に前への積極的な意識は評価できる。しかしボルトンのプレスの前にセスクのミスパスも多く、ナスリ、ウォルコットもよく抜け出したが、最後のところで決めきれない。いずれにせよ、この時点での敗戦は決定的だ。優勝への細いロープはこれで蜘蛛の糸に変わってしまった。次節はいよいよマンU戦。糸は切れてしまうのか。それともつながり続けるのか。いよいよアーセナルが追い詰められた。