とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

結局チェコの守りを崩し切れなかった。3-4-3は本当にオプションにするのか?

 「3-4-3を試したりするようだと、またもスコアレスドローで終わるかもしれない」とペルー対チェコ戦の後に書いた。チェコの強固な守りを未熟な3-4-3では崩しきれないと思ったからだ。結局そのとおりになったが、予想以上によくやった。3-4-3と言うより、本田がトップ下に入る3-5-2という形だが、本田がボールによく触って、両サイドの駆け上がりを促し、長谷部、遠藤も絡んで攻めていった。3バックの両サイド、特に吉田が上がり、また前線にくさびのパスを打ち込んでいく。問題はトップ。李と岡崎はよく動き戦ったとは思うが、やはり身体負けしている。くさびのパスを受けてポストプレーができるFWがほしい。前田ではまだ物足りない。ないものねだりか。強さでなければ速さか。香川が入れば結果も変わったのか。いろいろと考える。考えさせるようなゲームだった。これは評価すべきことだと思う。いい経験になった。
 ゲームは立ち上がり、内田が高い位置を保ち、日本がテクニックとキープ力を生かしてゲームを作る。しかし、チェコは7分、チェフのロングパス1本でゴール前まで迫る。伊野波がミス。GK川島が抑える。8分には左SHレゼクのクロスにFWと右SHの3人が飛び込む。さらに9分にはカドレツのFKをCBライノフがヘディングシュート。セットプレーの高さではどうしても負ける。
 しかし日本も直後の11分、川島のGKを本田が受けてキープ。倒されて得たFKを本田が自ら蹴るが壁に当たる。直後には本田が起点となって長谷部のクロスに内田が走り込む。届かず。12分、本田がパスカットしてパスに長谷部がシュート。
 本田が起点となって攻め込むが、パスミスも目立つ。新しいフォーメーションで距離感や位置取りがまだ共有できていない感じ。16分、チェコのCKにCBシボクがヘディングシュート。やはり高さは怖い。29分、日本も長谷部の縦パスを李が受けてポストプレーに本田が走り込むが、DFの守備の前に収めきれない。35分、長谷部から岡崎、李のスルーパスに岡崎が走り込む。が倒される。絶好の位置のFK。遠藤が蹴るが、GKチェフが脅威のセーブ。どうして届くんだ。38分にはFKから李がシュート。42分、遠藤のスルーパスに李が走り込む。が、DFに抑えられる。どこか窮屈な感じ。このメンバーにしてなお、3-4-3の形に嵌められている。
 後半に入り、チェコは右SBにゲブレ・セラシエを投入。シボクを下げ、ロマン・フブニクをCBに移す。4分、本田のスルーパスに岡崎が走り込むが、DFがブロック。7分、遠藤のショートコーナーから本田がクロス、李がファーサイドから戻し、吉田がドンピシャ・ヘディング。だがまるでクリアのように枠の外に外してしまった。最大のチャンスを逃した。
 13分には遠藤のパスを受けて長友が左サイドをドリブル。中に切れ込みシュート。16分、長友、李とつなぐが本田にはつながらず。直後、右SBゲブレ・セラシエのクロスが流れたところを左SHレゼクがボレーシュート。GK川島ナイスセーブ。
 18分、伊野波、遠藤に代えて槙野、家長を投入。槙野は伊野波よりも推進力があり面白いし、家長も落ち着いてパスを散らし、キラーパスを狙う。
 32分、本田のクロスを岡崎がヘディングシュート。GKチェフ、スーパーセーブ。弾いたところに李が飛び込む。ふわっと左肩に飛んだボールにチェフが手を伸ばして叩き落とす。この男はどこまで落ち着いているんだ。34分には長友のクロスを李が落とし長谷部がシュートを狙うが、DFがクリア。ロスタイムには本田がこのゲーム4本目のFKを狙うが、バーの上。どうしても高さが気になる。
 結局スコアレスドロー。ペルーも含め、今年のキリンカップは3ゲームとも0-0のスコアレスドローに終わった。しかし見所は多かった。ペルーもチェコもいいチームだった。いいゲームだった。日本にとってはいい経験になった。しかし3-4-3はまだなじんでいない。ザッケローニは本当に3-4-3をオプションで使うのだろうか。ひょっとしたらアジア3次予選を通して、3-4-3を試すつもりかも。そしてW杯の本番で、相手に応じて4-4-2と3-4-3を使いこなせるようになるなら、それもいいだろう。ザッケローニの今後の戦い方が楽しみだ。