とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこジャパン 宮間のFKで初戦の硬さを破る

 女子ワールドカップ・ドイツ大会が始まった。グループB、日本の初戦はニュージーランドFIFAランキング、グループ最下位の相手だけにもう少し簡単に勝利するかと思ったが、やはり初戦の硬さに強い芝目もあって、思うようにパスがつながらず苦戦の出だしとなった。
 それでもテクニックは圧倒的に日本。ボールポゼッションも圧倒し、ほとんどニュージーランド陣内でゲームを進める。前半6分、大野がパスカットから抜け出し、スルーパスに永里が反応。飛び出してくるGKをかわし、ループシュートをゴールに放り込んだ。8分にも大野のクロスに安藤が飛び込む。ここはGKが先に抑えたが、日本が圧倒的に攻め立てる。
 ニュージーランドの攻撃はロングボール1本。長いパスをDFとSBの間に放り込み、長身のFWハーンが競り合ってルーズボールを狙う作戦。序盤早々にロングボールに熊谷がバウンドを合わせ損ねてニュージーランド選手と競走となるシーンもあり、ロングボールの処理に不安を見せる。というか、熊谷のバンテージを巻いた姿が痛々しく、ヘディングできるのか、と心配になった。ま、普通に競り合っていたから大丈夫でしょうが。
 ところが12分、中盤左深くグリーンから出された右奥へのサイドチェンジのボールにパーシバルが追い付き、クロスを上げると、岩清水が遅れを取り、GKに任すも追い付かず、ハーンが待ち構えてフリーでヘディングシュート。あっさりと同点に追い付かれてしまった。この日のDF陣は、特に序盤、連携が噛み合わず不安定。
 しかし攻撃陣は積極的にニュージーランド・ゴールに迫る。17分、安藤がドリブルで中に切れ込み、最後は大野がシュート。18分、澤から右へ展開。大野からの縦パスに抜け出した近賀のクロスを坂口がシュート。しかしポストに弾かれる。さらに澤がシュートを狙うもGK正面。
 ニュージーランドも積極的に前からプレスをかけてきて、日本のパスがぶれたり、スムーズにつながらない場面が多くなってくる。特に水を撒いたという芝があまり滑らず、ボールが途中で止まってしまう場面が見られる。
 それでも28分、左SB鮫島のクロスに大野がシュート(その前に安藤が空振り)。30分、宮間のCKを岩清水が落とし、大野がシュート。さらに38分、同じく宮間のCK、岩清水の折り返しに永里がヘディングシュート。しかしいずれも枠に入らない。前半はこのまま終わった。
 後半に入ってもあまり状況は変わらない。硬さ、パスミス、あせり・・・。そこで10分、佐々木監督が動く。この日、右SHに入りよくチャレンジするもシュートが決まらなかった大野に代えて岩渕を投入する。するとこれでゲームが動く。22分、中盤から岩渕がゴールめがけてドリブル。PA直前で倒されFK。これを宮間が落ち着いて決めてゴール。日本が勝ち越し点を挙げた。
 これでようやくなでしこたちも吹っ切れた。27分には宮間からの長いボールを岩渕が受けてチャンスと思ったが、ややトラップが長く、近賀が預けてシュート。DFクリア。38分、岩渕のドリブルから安藤のクロスに澤がシュート。DFのクリアを岩渕がシュートするがGKがセーブ。43分には岩渕が意表をつくロングシュート。岩渕は44分にもミドルシュートを放つが枠を外した。
 3分の表示も関わらず4分近いロスタイムでひやひやしたが、最後まで戦う姿勢を見せてそのままタイムアップ。日本が大事な初戦を勝利した。次はメキシコ。佐々木監督はメキシコの分析もしっかり済ませたと自信をのぞかせた。初戦の硬さも取れて、次戦こそ、なでしこらしい伸び伸びしたサッカーを見せてほしい。期待が高まる。