とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

北朝鮮、予想外の健闘も、最後はアメリカが勝利

 女子サッカー世界ランキング1位のアメリカのサッカーを堪能しようと思って録画したが、思った以上に北朝鮮が健闘し、あわやジャイアント・キリングというゲーム。アメリカは本来の調子ではないと言われるが、やはりそのスピードと高さは脅威だし、北朝鮮の労を惜しまない奮闘は怖い。どちらも侮れないということ。
 序盤、アメリカのプレスが速い。トップ下ロドリゲス、両SHのオライリーとチェイニーも速い。北朝鮮は丁寧につないでパスを回すが、速いプレスにパスが分断。攻撃が形にならない。それでも9分、右SBソン・ジョンソンからの縦のフィードにFWラ・ウンシムが右サイドのスペースに抜け出しクロス。FWユン・ヒョンヒが飛び込むが、ここはDFがクリア。しかし北朝鮮は長い距離のスルーパスをアメリカの左サイドのスペースに放り込み、攻撃を仕掛けていく。
 アメリカは10分、左深い位置からのFKにボランチのロイドがヘディングシュート。11分にもチェイニーがシュートを放つ。21分のCKが面白い。長身の選手たちが北朝鮮GKの前に5・6人も集まり、囲んでしまう。
 しかし25分頃から北朝鮮のパスがつながり始め、北朝鮮ペースとなってくる。25分にはボランチのジョン・ミョンハがミドルシュート。35分、右SHキム・スギョンが右サイドを破りクロスを入れると、DFのクリアに反応し、再びシュート。GKソロが何とかセーブ。38分にも、右SBソン・ジョンソンが右サイドを破り、DFを置き去りにして深い位置からクロス。残念ながらゴール前に詰める人数が足りず、ファーサイドに抜けていったが、アメリカの左サイドが再三破られる。
 40分、アメリカもようやくCFワンバクのヘッドからロドリゲスがシュートするが、北朝鮮も42分、右SHキム・スギョンからFWユン・ヒョンヒが落とし、FWラ・ウンシムがシュート。43分にもキム・スギョンのクロスにCMジョ・ユンミがシュート。ロスタイムにはユン・ヒョンヒがミドルシュート。平均年齢20歳少々という若い北朝鮮は怖いものなし。世界ランキングに臆することなくチャレンジしていく姿は好感が持てるが、同時に日本の相手と考えると怖いものがある。
 後半に入りアメリカが押し込んでくる。1分、ロドリゲスのスルーパスにチェイニーがシュート。4分、CBランポンのクロスにCMボックスがシュート。5分、右SHオライリーのクロスにチェイニー。6分、ロドリゲスが左サイドからクロスを入れてワンバクがシュート。しかし北朝鮮のDF陣が身体を張って守る(ちなみに我が家では、右SBソン・ジョンソンが可愛いと評判)。
 そして9分、左サイドに流れたワンバクのクロスにチェイニーがヘディングで合わせて、ようやくアメリカが先制した。これでやや気落ちするかと思われた北朝鮮だが、11分、SHリ・エギョンのミドルシュートがバーを叩くと、まだ反撃の気持ちを失っていないことを見せ付ける。13分には上がっていたCBリ・ウンヒャンがシュート。
 アメリカはそれまで再三スペースを使われてきた左サイドを左SBレペイルベトだけでなく、ボランチも下がって守るようになり、北朝鮮の運動量が落ちたこともあって、ようやく左サイドからの攻撃が見られるようになる。20分、レペイルベトのクロスにワンバクがヘディングシュート。惜しくもバーに当たる。28分、今度はワンバクのクロスにロドリゲスがシュート。GKホン・ミョンヒ、横っ飛びスーパーセーブ。
 すると31分、右からのCKをDFがクリア。右SBクルーガーが上がり、クロスがバーに当たってファーサイドでCBビュラーがヘッドで折り返す。ロイドがキープから戻すと、ビュラーがシュート。これがゴールに吸い込まれる。ゴール。アメリカが2-0と突き放す。
 アメリカはボランチのロイドがキーパーソン。このゲームでもロイドのところで攻撃の芽を摘み、攻撃の起点となり、ミドルシュートを放つ。日本はワンバクと3人のMFもさることながら、彼女を抑える必要がある。
 ロスタイムにもワンバクがドリブルからシュート。その跳ね返りを途中交代のラピノがシュート。北朝鮮もCKからリ・ウンヒャンのヘディングシュートと最後まで攻め続けるが、ゴールは生まれず、このままゲームは終わった。
 日本の時のピッチと違い、ボールがよく転がるので、スピーディーなパス交換と速い駆け上がりが観られる面白いゲームだった。アメリカは不調ながら勝利したことで、今後いよいよ調子を上げてくるだろう。北朝鮮も侮れない。女子サッカー。日本戦以外、どうしようかと思ったが、なかなかどうして面白いかもしれない。