とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ゲームの中で成長するレイソル PK戦の末ベスト4進出を決める

 最初はメモも取らずぼうっと見るつもりだった。アーセナルエバートンの録画はまだ前半しか見ていない。でも見始めたら最初のうち、モンテレイのメキシコらしい迫力に目を奪われた。全力でボールを追い、力強く速い攻撃にレイソルが一方的に押されていた。
 3分、カルドソのスルーパススアソ、最後はサンタナがシュート。菅野がかろうじてセーブする。12分、左SBチャベスのフィードに左SHカルドソが速い。あっという間にエンドライン間際まで切れ込みクロス。これも菅野がいい反応を見せる。17分、CMサバラの縦パスを受けたデルガドがドリブル。クロスに合わせたスアソのシュートはポストに弾き返される。
 最初はどうなってしまうかと思った。大量失点でモンテレイが勝ち抜くと思った。だが15分を過ぎた辺りからレイソルもようやくモンテレイの攻撃に慣れ始めた。それでもモンテレイの攻撃を止めるのは容易ではない。21分、デルガドスアソとのワンツーで抜け出すところを栗澤が倒す。イエローカード。CMルイス・ペレスの蹴ったFKは入ったかと思った。
 レイソルは23分、工藤が反転して強引にシュート。力なくGKの前に転がるが、これが初めてのシュート。35分、レアンドロが中盤でボールを奪い、田中がキープから切り返してワグネルがミドルシュート。初めて攻撃が形になった。ようやく闘えるようになってきた。だがまだあわてすぎ。41分、大谷の縦パスを田中がポストプレー、工藤のシュートはGKが抑える。ロスタイム、レアンドロから工藤が落とし、酒井のクロスに田中がヘディングシュート。前半の後半はレイソルモンテレイの攻撃を抑え、レイソルのチャンスの方が多くなった。
 ハーフタイム、ネルシーニョ監督は選手たちに何を伝えたのか。前半とは違い、すっかり自信を持った姿がそこにはあった。3分、酒井のクロス、田中がスルー。DFのクリアをレアンドロ、ワグネルとつないで工藤がシュート。そして8分、酒井のクロスをレアンドロが落とし、栗澤が縦パス。田中がポストに入ってレアンドロがドリブル。こぼれを田中が中に入れると、レアンドロが芸術的なボレーシュート。きれいにつないで、なんとレイソルが先制した。
 12分にはワグネルのCKに酒井がヘディングシュート。レイソル・ペースと思った直後の13分、ルイス・ペレスからのフィードにデルガドが橋本の裏に走り込み、クロスにスアソが絶妙にDFラインを破ってのシュート。さすが。劣勢を一瞬の技術で同点に追い付く。
 だがその後もレイソル・ペースでゲームは進む。15分、レアンドロのCKに工藤がヘディングシュート。山なりのボールをGKオロスコがクリア。38分、橋本のクロスに田中がヘディングシュート。41分、ワグネルのサイドチェンジをレアンドロがヒールでダイレクトパス。酒井がミドルシュート。ロスタイムには酒井のクロス、DFが弾き返したところをレアンドロが拾い、ドリブルからシュート。
 最初は明らかにモンテレイの方が、速いし技術も高いし、身体も強いし、組織立っていた。だがいつしかレイソルがそれに順応し、粘り、上回っていた。ゲーム中に成長していた。勝負への執着心で上回っていた。
 延長戦前半、レイソルは圧倒的に攻め続けた。4分、レアンドロのスルーパスから酒井のクロスを工藤がシュート。酒井は後半途中で左足を痙攣した。膝を痛めたかと思った。だが、一旦は水野がスタンバイするも結局最後までプレーを続けた。
 延長戦、モンテレイは続けざまに3人を交代してきた。レイソルは延長後半最初に工藤に代えて林を入れたのみ。そしてその林が最後にゲームを決めた。延長後半も互角。15分、ワグネルのミドルシュートは枠を外した。
 そしてPK戦。最初にルイス・ロペスのPKを菅野が止め、4人目GKオロスコがキッカーとなってポストに当てた。レイソルも4人目田中が止められる。そしてレイソルの5人目。なんと途中交代の林。延長戦後半ではいいプレーを見せることはなかった。だが最後のこの場面で林はきっちりPKを決めて見せた。レイソル、ベスト4進出。モンテレイもいいチームだったが、勝利への執念でレイソルに負けた。
 さあ次は南米王者、ネイマール、ガンソのいるサントスだ。サントスの方が強くて巧いに決まっている。だが勝負への執着心、そしてレイソルの成長は急だ。ゲーム中にも確実に進化していく。さてどんな戦いを見せるのか。今度は本当に次のゲームが楽しみになった。モンテレイ戦以上に熱く面白いゲームを期待したい。