とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

バルセロナ異次元のサッカーを見せつけ、圧勝世界一

 メッシ対ネイマールと喧伝したが、サントスはバルセロナの敵ではなかった。やっているサッカーが違った。サントスは足でボールを蹴るサッカーをやろうとしたが、バルセロナのサッカーは足でボールを保持し渡してゴールを狙うサッカー。そう、まるでハンドボールのような「フット」ボールだった。
 序盤、サントスはサントスのサッカーでバルセロナに抵抗した。8分、ガンソからネイマールがドリブル。だが、DFに止められる。バルセロナは13分、CBピケからのパスをアロウカがカットできずメッシに渡ると、あっという間にドリブルからシュート。GKが弾いたところをチアゴがシュート。GKラファエウ、好セーブでクリアする。15分にはFKのチャンスにネイマールが横に流してガンソがシュート。わずかに外れる。わずかだが、このズレがバルセロナとの違い。そしてゴールとノーゴールの差。
 17分、メッシからセスクのクロスにシャビがヒールでトラップして前に送ると、メッシが抜け出してGKの上を越すループシュート。嘲笑うかのように先制ゴールを挙げる。追加点は24分、ダニエウ・アウベスのクロスにシャビが合わせてゴール。
 それにしてもアウベスはSBの位置取りじゃない。常に右サイドの最前線でラインからの飛び出しを狙っている。FWもいないので、実質3(ピケ、プジョルアビダル)-1(ブスケツ)-5(チアゴ、イニエスタ、セスク、シャビ、メッシ)+1(アウベス)。対するサントスもアウベスに引き摺られ、3バックのはずが、左SHのレオがSBの位置。4-3-1(ガンソ)-2となっている。
 26分、メッシからシャビ、メッシ、セスクのスルーパスにメッシが飛び込む。サントスも27分、ガンソのスルーパスボルジェスがシュート。GKバルデスが好セーブ。ガンソは動かないが、視野の広さと自在なパスは魅力的だ。29分にはシャビのスルーパスに抜け出したセスクのシュートがポストに当たる。
 そして45分、アウベスのクロスを受けてメッシがドリブル。DFに寄せられるが倒れない。逆にヒールでスルーパス。アウベスが走り込んでクロス。GKラファエウがわずかに弾くがチアゴが詰めてヘディングシュート。もう一度GKラファエウ、ナイスセーブ。だが最後はセスクが詰めてゴール。前半のうちに3-0と突き放した。
 後半1分、CBドラセナに詰めてセスクがボールを奪うと、メッシ、セスクとつないでシュート。GKラファエウ、好セーブ。対するサントスも2分、ガンソの縦パスからボルジェスが走り込み、クロスにネイマールがヘディングシュート。だが体勢が崩れ、大きく外す。
 7分、メッシがネイマールのチェックを物ともせずに前進。さらにトゥルバウ、ドラセナとかわし、チアゴへスルーパス。クロスにアウベスがヘディングシュート。9分、チアゴのクロスにメッシが抜け出しシュート。
 サントスも10分、ネイマールとのワンツーからガンソが抜け出し、エラーノを経由してボルジェスがシュート。だがワントラップする間にGKバルデスが詰める。バルセロナは11分、シャビからイニエスタ、セスクが落とし、イニエスタがシュート。12分、ガンソのスルーパスネイマールがシュート。GKセーブ。
 解説の都並が面白いことを言っていた。「前半はサンパウロはパスをいいように回されるのでカッとなって前から追いかけ過ぎた。後半は引いて落ち着いて守りだし、逆に攻撃もできるようになった」と。そうかもしれない。29分、ガンソがネイマールとのワンツーからシュート。DFがブロック。35分、アウベスのシュートはポストに当たる。
 そして37分、ゴールキックブスケツがはね返すと、アウベスが抜け出し、中へパス。メッシの最初のトラップはやや大きくなってGKが詰め寄るが、ボールを下に叩いて浮かしGKをかわし、最後はゴールネットへパス。メッシ、このゲーム2点目。チーム4点目を叩きだした。
 圧倒的なサッカーでバルセロナがサントスを一蹴。4-0で完勝した。トヨタカップを通じ、CWCでこれほどまでの完勝は見たことがない。それほどバルセロナが抜け出ていた。これまでも言われ続けてきた言葉だが、果たしてバルセロナを上回るチームは現れるのだろうか。世界のサッカーはバルセロナを目指して進化するのか。それとも全く違うサッカーが現れるのか。いやきっとバルセロナもこのサッカーができなくなる時が来るのだろう。そして2000〜10年代のバルセロナのサッカーは伝説になる。このゲームも伝説にふさわしいゲームの一つと言われるかもしれない。