俊輔がケガで欠場のマリノスに対して、グランパスも楢崎が膝の手術で欠場。ダニルソンはベンチに入ったものの、田口が先発してアンカーを務める。中澤、栗澤に対して闘莉王、ダニエル、ケネディと両チーム守備陣に高さのある選手が揃う。攻撃はマリノスが小野・斎藤にマルキーニョス、グランパスは金崎と永井で速さ勝負。だがお互い守備が堅くなかなか決定機まで持ち込めない。
グランパスは序盤、永井が2度ほど、速い突破からゴール前に迫り、このところの好調をアピール。マリノスも12分、右SB小林のクロスをボランチの中町が落とし、兵藤がボレーシュート。CB闘莉王がライン上でクリア。
だがゲームはグランパス・ペース。ていねいにパスをつないで、仕掛けのパスを繰り出すが、マリノスは中町・富澤のボランチコンビが粘り強く守り、斎藤らが隙を窺う。グランパスはアンカーの田口が中盤でボールをさばくが、大きな展開のパスは藤本頼み。藤本が下がると前線の厚みが減り、金崎と永井の個人プレー頼みになる。
それでも30分、小川が右に流し、永井が中に切れ込んでミドルシュート。中町が触りバーを叩く。38分、藤本のFKはゴール左上隅に飛ぶが、GK飯倉がナイスセーブ。
マリノスはFKやCKのセットプレーに中澤と栗原が上がるが、攻撃は単調。闘莉王とダニエルに悠々とはね返される。マリノスのチャンスは42分。斎藤が起点になって最後にはドリブルからシュート。43分には小野がシュートを放つが、いずれもGK高木がセーブした。
後半も同じような展開。1分、永井がドリブルからシュートを見せると、マリノスも7分、斎藤がドリブルからシュート。DFがブロックする。二人ともこの好調さが功を奏し五輪代表に入った。
先制は8分、中盤で藤本に富澤が寄せてボールを奪い、小野からマルキーニョスにスルーパス。ダニエルが駆け付けるが、落ち着いてシュート。マリノスが一瞬の隙をついて先制した。
その後、グランパスの中盤が間延びする。すると20分、田口に代えてダニルソンを投入。小川を増川に代えて3バックに。だが、阿部と田中が上がり切れず、実質5バック。守備の安定感は増したが、前線までの距離が遠く、却って攻撃力が低下する。
マリノスは24分、兵藤のCKを中澤がヘッドでつなぎ、マルキーニョスがシュート。ここはグランパスの守備圧力にシュートミス。35分には小野がダニエルと阿部を抜いてクロス、斎藤がニアに飛び込む。GK高木がナイスセーブ。これが大きかった。
38分、藤本からの長いフィードをケネディが落とすと、永井がミドルシュート。グランパスが同点に追い付いた。永井は前半途中からマリノスの左SBドゥトラのクレバーな守備に抑え込まれ、なかなか活躍することができなかったが、後半終盤、ストイコビッチ監督の指示を受け、中央に寄せて、かつケネディの落としにバックステップで合わせる予測した動きで同点弾を挙げた。さすが絶好調。
その後、ロスタイムには永井が中澤のミスを突いて抜き去り、クロスを入れるが、田中のシュートはドゥトラがよく帰ってブロックした。結局ここでタイムアップ。重量級同士が守り合う展開は面白いとは言えなかったが、がっぷり四つに組み合っての引分け。好調チーム同士らしいゲームだった。
これでグランパスは首位まで勝ち点差7の7位。次節は4位に浮上してきたレイソルが相手。ここはじっくり戦って好位置をキープしていきたい。