とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

グランパスはギリギリふんばった。粘りの勝利。これを次につなげねばならない。

 前節、創設20周年記念試合でガンバ相手に0-5と屈辱の惨敗を喫したグランパス。増川のレッドカード、ダニエルの累積欠場、ダニルソンのケガと守備陣が出場できず、阿部をCBに起用する窮余の布陣で臨んだ。しかしそれが気になってか、グランパスは序盤から守備に意識が偏った戦いぶり。序盤は若いフロンターレが高いプレスとショートパスをつなぐサッカーでグランパスを翻弄した。
 10分、憲剛のスルーパスにCF小林が抜け出しシュート。CB闘莉王がクリア。16分にはFKからのクリアを拾った左SH登里の縦パスから風間宏矢がシュート。さらに17分、CMに入った風間兄弟の長男、宏希がミドルシュートを放つ。グランパスのシュートはようやく18分、玉田が中にドリブルをして溜めると、小川のスルーパスに金崎がシュートする。
 フロンターレは19歳・21歳の風間兄弟を始め、右SH大島19歳、左SB山越21歳と若手を積極的に起用。高いプレスでボールを奪ったらとにかくパスを回すという意図の明確なサッカーを展開するフロンターレに対して、グランパスには攻撃の意図が見えない。両WGが大きくサイドに開くがほとんど使われず、中央で玉田が孤立し、MF陣は早いプレスでボールを奪われる。その中で唯一好調さを見せていたのが金崎。18分、憲剛からゴールを奪うと、そのまま中へドリブルしシュート。ポストに当てる。
 フロンターレの攻撃は憲剛がボランチの位置からタクトを振るう。34分、憲剛を起点に短いパスをつなぎ、最後は右SB田中裕介がシュート。41分には憲剛の縦パスから風間宏希のスルーパスに小林がキープから落とし、宏希が駆け上がってシュート。GK楢崎がセーブ。逆にグランパスも42分、闘莉王のフィードに永井が走り込み、クロスに金崎がシュート。GK西部がセーブ。フロンターレ・ペースのまま前半を終えた。
 それでもハーフタイムに相当に気合を入れられたか、後半序盤はグランパスが仕掛けていく。2分、永井の大きなサイドチェンジから金崎がシュート。DFのクリアに左SB石櫃がミドルシュート。4分にはCKのクリアを藤本がボレーシュート。DFに当たり、わずかにポストの右に外れた。
 7分には憲剛のFKに風間宏希がヘディングシュート。10分、金崎のサイドチェンジから永井がシュート。13分、山越のクロスに小林がヘディングシュート。両チーム、カウンターの応酬。ようやくフロンターレのプレスが緩くなってきて、グランパスも攻撃ができるようになってきたが、ボールを奪われると、速い攻撃にさらされる。
 20分、憲剛が左に流すと、登里のクロスのクリアを大島がシュート。GK楢崎がわずかに触ってポストを叩く。ナイスセーブ。さらに山越がライン際まで抉ってのクロス。憲剛のスルーパス闘莉王のギリギリのクリア。フロンターレが再三チャンスをつかむ。
 グランパスも27分、玉田のポストプレーから金崎がミドルシュート。これはGK西部がナイスセーブ。そして29分、田口から玉田が受けて田口に戻し、スルーパスに金崎が走り込むと、短い切り返しで伊藤を外しシュート。グランパスが待望の先制点を挙げた。
 その後はフロンターレレナトグランパスが吉村を投入。膠着したまま時間が経過。45分、憲剛のスルーパスレナトがヘディングシュート。ロスタイム2分、金崎から永井のクロスで藤本がGKと一対一になるがトラップミス。決定的チャンスを逃すと、フロンターレもロスタイム3分、山越のクロスの落としをレナトがヘディングシュート。バーに当たりはね返される。最後はドタバタしたが、結局このままタイムアップ。グランパスが連敗を止める貴重な勝利を挙げた。
 けっしていいサッカーではなかったし、若いフロンターレに圧倒される時間が多かったが、闘莉王を中心に気迫を鼓舞して何とかゴールを許さず、唯一好調の金崎のゴールで逃げ切った。これで首位を追いかけようなどと言うつもりはない。守備陣が戻ってくる次節以降、改めてグランパスのサッカーを見つめ直し、再生を図ってほしい。この勝利はつかの間の安堵に過ぎない。サポーターの求めるものはもっとはるか先にある。徹底的な再構築が望まれる。