とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

3バックはフィオレンティーナの方が成熟していたが、インテルが個人の能力で勝利。

 久し振りに長友のインテルを見る。3バックにしたということは聞いていたが、ホントに3バックだ。それで長友は左WB。右にサネッティ。CBはフアンにサムエル、ラノッキア。フアンはいいとして、後の二人は高くて強いが機動性はない。
 序盤は互角。10分、フィオレンティーナはCBロドリゲスから右WBクアドラードが長友を惹きつけ、右CBロンカーリア、CMロムロとのパスワークで長友をかわしてクアドラードが駆け上がる。クロスは左WBパスクアルに合わなかったが、3バックの戦術にはフィオレンティーナに一日の長がある。
 インテルも12分、CMガルガーノのクロスのクリアをトップ下コウチーニョミドルシュート。直後のCKにカンビアッソボレーシュートインテルの攻撃はミリートカッサーノを加えた前3人で作っていく。MF陣の絡みは個人能力による。
 それでも17分、コウチーニョがドリブルで右サイドをえぐり、サネッティがクロスを入れると、CBロドリゲスがハンド。このPKをミリートが決めて、インテルが先制した。19分にはカウンターから長友がサイドチェンジ、カッサーノのクロスにミリートがさすがのトラップからシュート。バーを叩く。
 3バックは一対一のマッチアップが多くて、見る分には面白い。攻撃ではフィオレンティーナはCBまで含めて連動した動きで沸き上がるように攻めていくのに対して、インテルは個人能力頼み。CBの上がりはジュアンが時折見せるだけ。右WBのサネッティは守備的で前に出て行くことは少なく、長友は高い位置取りを取って、左サイドでプレーしたがるカッサーノとの絡みが見られたが、同じ左サイドに位置取るMFカンビアッソは守備重視で3人目の連携があまり見られない。
 それでもフィオレンティーナの動きのある攻撃を個人能力で抑え込むと、インテルのカウンター攻撃が威力を発揮する。30分、コウチーニョのパスカットからカッサーノミリートと速いパスをつないでシュート。一気にゴール前に詰め寄る。そして34分、ラノッキアの長い縦パスをカンビアッソがDFを引き連れてスルー。左サイドに広大に空いたスペースにカッサーノが走り込み、シュート。インテルが2店目を奪う。
 フィオレンティーナは40分、MFピサーロのクロスからCMロムロがヘディングシュート。フリーだったけど外してしまう。44分にはカッサーノのクロスにミリートがシュート。フィオレンティーナの流動的な攻撃に引っ張られ、オープンな攻め合いが続いた。
 後半に入り、フィオレンティーナがFWリャイッチに代えてマティ・フェルナンデスを投入。トップ下に入り、ヨベティッチをワントップに自由に動き回り、インテルの中盤をかき回す。3分、CMパスクアルのクロスからヨバティッチがヘディングシュート。4分にはCBロンカーリアがシュート。5分、CMバレロのクロスにクアドラードが走り込む。長友が何とか対応。
 そして17分、長友が左サイドを駆け上がり、PAに迫ると、CBロドリゲスが思わず倒してしまう。他のDFも集まっており、無理にチャージする必要もなかった。ロドリゲスも足を引っ込めようとしていたが、勢いで身体が長友に当たってしまった。不運なイエローカード。PKの時と合わせて2枚目で退場。フィオレンティーナが一人少なくなってしまう。
 この後も、CBを補完せず、4バックにして攻撃の手を休めない。25分にはクアドラードに代えてトニを投入し反撃を図るが、インテルも26分、コウチーニョに代えてアルバレス、37分にはカンビアッソに代えてムディンガイ、さらにミリートに代えてグアリンと守備的な選手を投入し守る。
 このまま時間が経過し、2-1でインテルが今シーズン初めて、ホームでの勝利を挙げた。しかし、退場がなければ内容的にはフィオレンティーナの方が魅力的なサッカーをしていた。ストラマッチョーニ監督はいつまでこんなお試し戦術を続けていくのか。次節のミラン・ダービーはどうするのか。スナイデルアルバロ・ペレイラらを活かすためには4-3-3でいいのではないか。