とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

サンフレッチェ、完璧な勝利で優勝を決める。おめでとう!

 残り2ゲーム。ベガルタが敗れ、サンフレッチェが勝利すれば優勝が決まるという一戦。だがまさかベガルタが負けるとは思っていなかった。ホーム最終戦、サンフレッチェの選手たちには勝利への思いが漲っていた。
 それでも立ち上がりはサンフレッチェの選手たちに多少の緊張感があったか、やや押し込まれる展開。6分、CB水本が遠目からロングシュートを放つ。後方から仲間を鼓舞する。すると次第にサンフレッチェがペースを取り戻していく。いつものようにパスを回し出す。13分、森崎浩司のCKに佐藤と森脇が飛び込む。セレッソサンフレッチェの選手の気持ちに気圧されたかのように縮こまっていく。
 そして17分、森崎和幸の縦パスを佐藤が落とすと、高萩が森崎浩司めがけてスルーパス。これをCB藤本がブロックすると、こぼれ球にいち早く高萩が走り寄りミドルシュート。これがきれいに決まりサンフレッチェが先制した。さらに直後の20分、高萩の縦パスを佐藤が落とし、清水が左サイドを上がると大きなサイドチェンジ。右WB石川が上がって頭で落とし、中央を駆け上がったCH青山がシュート。あっという間に2点差をつけて、勝利をグッと引き寄せた。
 21分にも森崎浩司のサイドチェンジから清水が高萩とのワンツーで抜け出しシュート。DFに当たりサイドネットに外す。セレッソは35分。右SB酒本の故障で32分に途中出場した南野がドリブルで中に切れ込みミドルシュート。これがセレッソの初シュート。
 だがそれも40分まで。高萩のスルーパスに清水が抜け出し、PA内に突き進むと、酒本の故障で急遽右SBに入った山口が堪らず突き飛ばして倒してしまう。厳し過ぎるレッドカードで一発退場。これで得たPKを佐藤が勢いよく決めて、サンフレッチェが3点差に突き放した。
 故障に退場でやりくりに苦しむセレッソは後半初めから柿谷をCB山下に代えて藤本を右SBに回し、攻撃は杉本ひとり。サンフレッチェは押せ押せムードで攻めていく。4分、森崎浩司ミドルシュートがバーを叩く。そして5分、中盤底でボールを受けた高萩が長いスルーパスを右サイドに通すと、右WB石川が走り込んで、そのままシュート。GKキム・ジンヒョンの左を抜いて4点目を挙げ、ゲームを決めた。
 9分にはシンプリシオからボールを奪った青山がドリブルで上がり、佐藤へ。シュート。だがうまくミートせずGKキム・ジンヒョンが止める。杉本ひとりでは攻撃にならないセレッソは11分、シンプリシオに代えてヘベルチを投入。すると16分、左サイドを左SBに入った扇原が上がり、クロスに枝村がヘディングシュート。1点を返す。
 しかし後はサンフレッチェがボールを回して時間を進めていく。16分石原、26分ファン・ソッコ、さらに36分には山岸と新しい選手を次々と投入する。28分、佐藤のクロスを石原が落とし、高萩がミドルシュート。30分、森脇がミドルシュート。これはGKキム・ジンヒョンがナイスセーブ。41分、CKのこぼれからCB塩谷の縦パスを佐藤が戻し、ファン・ソッコがシュート。押し込んだまま刻々と時間が過ぎていく。
 ロスタイム4分、時間が過ぎる。サイドに出たところでタイムアップ。一瞬微妙な静けさ。そしてベガルタの敗戦が伝えられる。喜びを爆発させる選手たち。そして森安監督。佐藤が泣き崩れる。高萩が感謝の祈りを捧げる。森脇が飛び跳ねる。サンフレッチェが優勝した。
 ペトロビッチ監督からの遺産を引き継ぎ、さらに進化した3バックのサッカーで今シーズンを席巻したサンフレッチェが優勝を飾った。ペトロビッチがレッズに同様の3バックを持ち込んだだけでなく、FC東京グランパスまでも3バックを試した。Jリーグに新たなサッカーを持ちこみ、新たな進化を持ち込んだ。CWCに出場を決めたサンフレッチェが世界に対してどういうサッカーを見せるのか。今から楽しみだ。そして来年はACLへ。サンフレッチェのさらなる進化を期待したい。