とんま天狗は雲の上

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皇后杯準決勝、レオネッサ対レッズレディースはなでしこの経験がヤングなでしこの勢いを上回り、守り勝ち。

 女子サッカー皇后杯日テレベレーザ湯郷ベルが準々決勝で敗れて、実質の決勝戦と言えるレオネッサ対レッズレディース。なでしこメンバーが6人先発したレオネッサに対してレッズレディースにはヤングなでしこが5名。なでしこ対ヤングなでしこの対決が面白かった。
 序盤、レオネッサが攻勢をかけて押し込んでいく。3分、右SB近賀の縦パスに右SH川澄が抜け出し、クロスにCFゴーベル・ヤネズが飛び込む。レッズレディースは5分、右SB土橋からCH猶本が右に展開、右SH柴田が中にドリブルしてスルーパス。だがレオネッサの勢いが勝る。特に川澄が再三右サイドを突破していく。
 6分、スローインから川澄が中にドリブルして高瀬にスルーパス、DFのクリアを川澄がシュート。さらに7分、CB田中がCHチ・ソヨンとのワンツーで持ち上がりスルーパス。CFゴーベル・ヤネズが抜け出しシュート。GK池田がキャッチ。ところがその後、ボールを一旦リリースし大きく蹴り込もうとしたところをゴーベル・ヤネズが詰め寄る。ゴール前に転がったボールを一旦はライン上で掻き出したもののゴーベル・ヤネズに拾われシュート。ミスからレッズが先制される。
 さらにレオネッサが勢いに乗る。9分、川澄のドリブルから右に展開。近賀がシュート。GK池田がファインセーブ。ミスを取り返す好セーブを見せると、10分、CF後藤がミドルシュートを放つ。わずかにバーの上。惜しいシュートだったが、これで落ち着いたか、レッズレディースがようやく押し返し始めた。岸川をアンカーに、CHに庭田と楢本、両SH柴田と加藤のヤングなでしこコンビも加わって中盤で厳しいプレスをかけてボールを奪うと、楢本を起点に左右に展開していく。
 レオネッサは近賀が左SB堂園との競り合いの中で膝を痛めてしばしピッチ外へ。その間にさらにレッズが押し込んでいく。22分、柴田がミドルシュート。24分、庭田が後藤とのワンツーからシュート。26分、近賀を諦め高良に交代。30分には加藤がミドルシュート。加藤の攻撃的なドリブルが効果的。猶本も積極的に前線に飛び出す。だがレオネッサの守備も堅い。レッズは左右に大きく展開してはドリブルで攻め込むが、なかなか決定的なシュートを打たせてもらえない。このまま1-0で前半を終えた。
 後半最初からチ・ソヨンに代えて中島を投入。序盤は前半の勢いのままレッズレディースが押し込む。3分、猶本のスルーパスに加藤が抜け出しシュート。だがGK海堀ががっちりキャッチ。10分、CF後藤のキープから岸川のスルーパスに庭田が飛び出して、反転してシュート。またもGK海堀がナイスセーブ。
 14分、DFのキックミスを拾った川澄がミドルシュート。GK池田がナイスセーブ。さらに川澄のドリブルから左に流して高瀬がシュート。これもGK池田がセーブ。GK池田はミスもあるが、山郷の下で鍛錬を積んで、ヤングなでしこながらいいGKだ。
 だが15分過ぎ辺りからレオネッサのプレスが厳しくなってくる。17分にはプレスにパスの出し処をなくしたCB坂本がGK池田にバックパス。高瀬が詰めてあわやの場面。その後もレオネッサが押し気味。レッズレディースは次第に中盤の足が止まり、攻撃に上がれなくなってくる。
 32分、猶本に代えて荒川。36分には足を攣った左SB堂園に代えて斎藤を投入する。38分、川澄のクロスに高瀬がヘディングシュート。右SB土橋が寄せて、ボールはポストを叩く。41分には加藤に代えて安田を投入。レオネッサは38分、大野を投入。
 ロスタイム、大野がドリブルで前進。左に流して高瀬がシュート。またもポスト。この時間帯にボールキープができる大野が効いている。終了間際のロスタイム2分、後藤のクロスをDF高良がクリア。だがこれがミスキックで安田に渡る。シュートはわずかにポストの右。最大のチャンスを逃し、万事休す。タイムアップ。レオネッサが序盤の1点を守り切って決勝進出を決めた。
 猶本を中心にレッズレディースもよくがんばった。だが、ヤングなでしこの守護神、池田のミスで失点。対するレオネッサはなでしこの守護神、海堀が落ち着いたプレー。相変わらずの川澄の速さに高瀬の力強さ、澤の的確な判断力。なでしこ主体のレオネッサがヤングなでしこの勢いを制したゲームだった。面白い。レッズレディースの選手たちにはこの経験を糧に来シーズンはさらに成長した姿を見せてくれることを期待する。