とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

エスパルス12試合ぶりの勝利。サガンは内容で勝ってバレーの個人技に敗れる。

 豊田が絶好調、開幕して4戦で1勝3分無敗のサガンに対して、2分2敗、昨シーズンから12試合勝利がないエスパルスの対戦。雨のベストアメニティスタジアム。雨の影響が多少はあったか、序盤は互角の攻防でゲームは始まった。
 エスパルスはCF豊田をCBのヨンアピンと平岡で徹底マーク。他は全体的に引き気味で、攻撃はワントップのバレーとトップ下に入った高木俊幸にお任せといった感じ。とは言っても、サガンの中央の守備は堅く、バレーになかなか収まらない。カウンターのチャンスも攻め上がりが遅く、戻りの速いサンガの守備陣に途中で奪われてしまう。
 一方、サンガの豊田はやはり強い。二人のCBに挟まれながらも競り勝つ。13分、GK赤星が蹴ったFKをトップ下池田が落とし豊田がシュート。38分、池田の落としから左SH野田のスルーパスに豊田が抜け出す。走り負けたヨンアピンが押して豊田を倒すが、駆け上がったGK林が豊田に当たって倒れ込む。サンガがFKかと思ったら、豊田にイエローカード。豊田も納得がいかない。サンガにツキがない。44分にはCH藤田のFKに豊田が走り込むが、DFのマークを外し切れず、わずかに届かない。前半はスコアレスで終えた。
 後半1分、野田がミドルシュート。序盤からサンガのプレスがよく効いている。エスパルスの攻撃は散発的。それでも9分、高木のFKを左SHイ・ミンスが落とし、CH杉山がシュート。ここはGK赤星がファインセーブを見せる。15分、ゴール正面で得たFKを藤田が蹴るが、GK林がセーブ。18分、中盤の奪い合いから高木に出て、スルーパスにバレーが走り込みシュート。GK赤星がナイスセーブで止めた。
 両チームなかなかゴールが入らない。それでも次第にエスパルスの足が止まり始めた。サンガが中盤CH藤田のところで悉くボールを奪っては左右に展開して攻めていく。ゴールも時間の問題と思った25分、エスパルススローインを高木が下がって縦パスを出すと、バレーが受けて反転して強烈シュート。なんと押され気味のエスパルスが先制点を挙げた。
 サンガは32分池田に代えて左SH早坂を投入。長身の野田との2トップに。サンガが押し込んでいく。35分、スローインからのルーズボールを藤田がクロス性のシュート。わずかに外れる。エスパルスは38分石毛を投入し、逃げ切りとカウンター狙い。40分、石毛の縦パスにバレーが抜け出し、クロスに高木がシュート。GK赤星がスーパーセーブで追加点は防いだ。しかしその後も選手交代や遅延行為で時間を使ったエスパルスがそのまま守り切り、ようやく12試合ぶり、今シーズン初勝利を挙げた。
 サンガにとっては納得のいかない敗戦。だが豊田が抑えられてゴールが奪えなかったことも事実。藤田のパスは素晴らしいが、もう1枚武器が欲しい。エスパルスは大前移籍の穴を埋め切れず、前線でボールが収まらない。バレーが引き出しても、走り込むのが高木だけではやはり薄い。しかも速いプレーが身上の高木はけっしてシュートが巧い選手ではない。石毛を先発で起用した方がいいのではないか。いずれにせよ勝利はしたものの前途はまだまだ多難を思わせた。