とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アルディージャがさいたまダービーを制せば、アルビレックスは首位マリノスを止める。オレンジ旋風、席巻す。

 さいたまダービーは見たかったが、無料放映がなかったので、仕方なく夜のBS1アルビレックスマリノス戦を観る。14位と低迷するアルビレックス。前節のグランパス戦も一生懸命さは伝わってくるもののグランパスの前に実力差が明らかだった。当然、マリノスの一方的なゲームになるだろうと思っていた。
 そして序盤、マリノスがやはりアルビレックスの動きを上回る。出足も速いし、攻守の切り替えも早い。アルビレックスが少しもたつくとすぐに囲んで奪い去る。それでも守備に回ればアルビレックスの集中力も高い。特に俊輔、マルキーニョスに対して厳しいプレス。自由にさせない。
 そうこうしていると次第にアルビレックスが押し込みだす。10分過ぎから連続してCKを奪うと、15分にはCKからのルーズボールにCHレオ・シルバミドルシュート。16分にはカウンターから田中達也ミドルシュート。しかしシュートはGK榎本の正面。逆に23分、左SH齊藤のシュートのこぼれを中町がミドルシュート。GK黒河がナイスセーブを見せる。
 流れの中でなかなかチャンスがつかめないマリノスには俊輔のFKがある。前半だけでも5回ほど、俊輔のFKに中澤と栗原のCBコンビが前線に上がっていく場面があったが、アルビレックスが集中した守りではね返していく。アルビレックスの健闘が目立つが、ゴールは遠い。34分にはFWブルーノ・ロペスがケガで川又に交代。ますますゴールから遠ざかる印象。アディショナルタイム2分にはCFマルキーニョスのドリブル突破からクロスに右SH兵藤がシュート。決定的チャンスだったが、わずかにポストの左に外してしまう。前半はスコアレスで終えた。
 後半3分、マリノスが俊輔のクロスにマルキーニョスがヘディングシュートすると、アルビレックスも直後、左SBキム・ジンスのクロスに川又がシュート。GK榎本がナイスセーブ。後半もアルビレックスのプレスが速い。だが11分、CBキム・クナンミスパスを中町が受けてスルーパスマルキーニョスがシュート。GK黒河が前にこぼしたが、何とか抑えた。
 その後も両チーム、厳しい中盤の戦いが続く。集中力が半端ない。17分、田中達也に代えて岡本を投入。マリノスは30分、齋藤に代えて藤田。そして33分、マリノスのパス回しを速い出足でCBキム・クナンがヘディングでカット。これを受けた川又のスルーパスに岡本が抜け出し、一旦外に持ち出してDF二人を滑らせてのミドルシュート。これがゴールサイドネットに突き刺さり、アルビレックスが先制点を挙げた。
 マリノスも直後の34分、俊輔のキープからCH中町のスルーパスをFW藤田が落とし、右SB小林がシュートするもポストを叩く。39分には俊輔のクロスをレオ・シルバがクリアしたところを兵藤が前にパス。マルキーニョスがシュートするも枠に入らない。その後もアルビレックスが攻撃的姿勢を崩さない。アディショナルタイム5分間も攻めの姿勢で守り抜き、タイムアップのホイッスル。アルビレックスが気迫のこもったゲームで首位マリノスに勝利した。
 昨シーズンまで毎年降格争いを演じてきたアルビレックスアルディージャだったが、今年は違う。ともに気持ちのこもった守備で守り、速い攻撃を仕掛ける。アルビレックスはここまでなかなか結果が出ていなかったが、ようやく大きい勝利を挙げた。オレンジの2チームが暴れる今シーズンはいつもとは違ったJリーグが観られそうだ。