とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ブラジルがネイマールの個人技2発で勝利。メキシコも後半は本来の精力的な動きを見せたが、ブラジルの守備を破ることができず。

 日本とイタリアの壮絶なゲームの裏で、ブラジルがメキシコを2-0と下していた。メキシコの初戦はイタリア相手に終盤まで粘ったものの、本来の攻撃はあまり見られず、内容的には完敗といっていい。ブラジル相手にどんなゲームをしたのか。日本の次の相手を観察する気分でゲームを見てみた。
 前半序盤、ブラジルが猛ラッシュをかける。左SHネイマールのドリブル。左SBマルセロのドリブル。どんどんと仕掛けてはメキシコ陣内に迫っていく。4分にはFKからマルセロのミドルシュートが枠に飛ぶ。6分、ドスサントスミドルシュート。ようやく反撃。だが9分、右SBダニエウ・アウベスのクロスのはね返りをネイマールボレーシュート。見事にネットに突き刺した。ブラジル先制。
 メキシコは16分、左SBトーレスのクロスにCFエルナンデスがシュート。DFのはね返りを右SBミエルがシュート。ようやくメキシコにエンジンがかかり始め、高いプレスで追いかける。23分、CFフレッジのクロスにネイマールが胸トラップからシュート。これは芸術的。
 だが25分過ぎ位にCBダビド・ルイスが鼻血を出してピッチの外に出ると、ブラジルはルイス・グスタボをDFラインに下げ、守備を固めて時間を使う。ファールも多く、何度も中断。メキシコの攻めが止められ、ペースがつかめない。アディショナルタイム2分、ドスサントスのFKはわずかにバーの上。だが大きなチャンスはこれくらい。ダビド・ルイスの鼻血でメキシコの攻撃が封じられ、前半はこのまま時間が過ぎ去った。
 後半2分、ネイマールの絶妙なFKがゴール前に飛ぶ。CBチアゴ・シルバがゴールに押し込むが、オフサイド。だがここからゲームは膠着状態に。ブラジルの運動量が少ない。メキシコのプレスが速くなる。それでも要所要所でブラジルが個人技を見せる。10分、フッキがネイマールとのパス交換、スルーパスに抜け出しシュート。11分、中盤のつぶしからネイマールがドリブルで独走。シュート。
 メキシコは13分、フローレスに代えてCHエレナを投入。14分、ドスサントスから左に展開。グアルダードのクロスにエルナンデスが走り込むが、CBダビド・ルイスの足が伸び、クリア。19分、ダビド・ルイスが中盤まで持ち上がってスルーパスネイマールが走り込む。GKコロナが直前でセーブ。前半、鼻血で休んでエネルギーがあり余っているか、ダビド・ルイスが積極的。20分にはCHパウリーニョが長駆ドリブルで持ち上がり、最後はネイマールがシュート。GKコロナがファインセーブ。
 メキシコは25分、右SHバレラを投入。すると積極的に右サイドを突破していく。30分、バレラのクロスにグアルダードがニアに飛び込む。わずかに触ってコースを変えるが、エルナンデスに届かない。35分、バレラが右サイドを抜いてクロス。36分、ドスサントスのドリブルからバレラのクロスにグアルダードがヘッドで落とす。DFがクリア。後半はメキシコが運動量を上げてパスを回し、積極的に攻めるが、ブラジルの守備も堅い。
 17分エルナネスに続いて33分ルーカス、37分ジョーと投入。運動量を確保して守る。点差はわずか1点。メキシコが必死に攻める、だが踏ん張り続けたブラジルはアディショナルタイム3分、ネイマールが右SBミエルを絶妙な切り返しとスピードの変化でかわしクロス。ジョーが押し込み、ダメ押しの追加点を挙げた。結局このままブラジルが2-0で勝利。メキシコが日本と同様、2連敗でグループリーグ敗退となった。
 だが、日本に比べればメキシコの方がはるかに粘り、攻め込んだ。最後はブラジルの技にダメ押し点を許したが、特にドスサントスと途中交代バレラのドリブルは日本もかなり苦労しそうだ。そして決定力のあるエルナンデス。香川とはマンチェスター・ユナイテッドの同僚同士。二人の特徴の違いが両国のサッカーの違いを例示しているようだ。メキシコの泥臭さ、粘りに最後まで堪え切れればいいのだが。やや心配。