とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア大会決勝トーナメント1回戦、日本のやりたいサッカーが見えてきた。でも伝統の決定力不足はこの年代でも変わらない。

 日本代表がパレスチナと対戦するゲームは初めて観た。イスラエルとの紛争の中、よくここまで統制のとれたチームを作り上げることができたものだ。空爆もあった中でいったいどこで練習をしていたのだろう。決勝トーナメントに進出したことがパレスチナにとって偉大な成果だと称えたい。だが日本にはもっと簡単に勝って欲しかった。もっともっと得点が取れるゲームだった。
 序盤から日本が攻めていく。だがしっかりと守備を固めるパレスチナをなかなか崩し切れない。そして11分には右SHアブゲネイマのクロスに左アブワルダがヘディングシュート。パレスチナの攻撃も油断がならない。それでも13分、左SB秋野のFKにCF鈴木がヘディングシュート。15分、CB岩波の縦パスから右FW野津田がミドルシュート。次第にパレスチナのゴールを脅かすと、17分、日本が細かいパスを十数本も回すと、最後は中央からCH遠藤が縦パス。CF鈴木のポストプレーに遠藤が走り込み、抜け出してシュート。ようやく日本が先制する。
 その後も日本が攻める。18分、右F野津田のクロスに左FW中島がシュート。21分、CB岩波の大きなサイドチェンジを左SB秋野が高い位置で受けると、DFを抜いてクロスを上げる。ところがCF鈴木がこれを空振り。こぼれ球を右FW野津田がシュートするが、枠を外す。決定力に課題あり。
 するとパレスチナが反撃する。22分、OHムーサの落としからCHハルウーブがミドルシュート。わずかにバーの上。危ない。25分にも右SBバッタトのクロスにOHムーサが切り返してミドルシュート。日本ももっと中盤で厳しくチェックしないと。
 それでも27分、原川のCKはサインプレーで左FW中島がPA外側へ走り込んでミドルシュートを狙う。だがコースが開かないといったんCH遠藤が右に戻し、CH原川のクロスにCF鈴木が高いヘディングシュート。日本がようやく追加点を挙げた。38分にも野津田のCKのクリアを左SB秋野がミドルシュート。GKラミ・ハマダが弾き返すと、今度はCH遠藤がヘディングシュート。だがこれもGKラミ・ハマダがキャッチ。攻め込むも、シュートが決まらない。それでも前半を終えて2-0。日本リードで折り返した。
 後半3分、CH大島の縦パスからCF鈴木が抜けかけるが、トラップが長く体制を崩してシュートは弱く、GKラミ・ハマダが悠々キャッチした。後半に入るとパレスチナが積極的に前からプレスをかけてくる。13分、CHハルウーブのミドルシュートはGK牲川がセーブした。それでも前掛かりになると裏が空く。そこを狙って日本が長い縦パスを送り込む。16分、左SB秋野のフィードに左FW中島が切り返しからシュート。DFがブロック。
 日本は18分、CH大島に代えて左SH矢島を投入。中島をトップ下に、4-2-3-1の布陣へ。さらに28分、CF鈴木に代えて荒野を投入する。荒野は前線でどっしりと構える鈴木と違って、動き回ってパスを引き出すタイプ。そして30分、CHからのフィードにCF荒野がDFラインの裏を抜け出してミドルシュート。ようやく3点目を挙げた。日本のパスを回すサッカーには鈴木よりも荒野の方が合っているのではないか。
 そして37分、OH中島のスルーパスに右SH野津田が抜け出してシュート。飛び出したGKラミ・ハラダに当たってこぼれたボールをCH原川が押し込む。4点目。ダメを押した。それでも45分、CF荒野のクロスにOH中島がフリーとなって放ったシュートを外してしまう。決定力が最大の課題だ。
 決勝トーナメント1回戦は勝ち上がって当たり前。それでもだいぶパス回しなど連携はよくなってきたか。次の準決勝はいよいよ韓国との対戦。完全アウェイで勝つのは難しいかもしれない。しかしチーム一丸となってチャレンジ精神で挑んでほしい。勝利は望まない。チェレンジする姿を見せてほしい。