とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

Jリーグ 第33節 サガン対レッズ

 前節ガンバに敗戦し、勝たねばならない状況に追い込まれたレッズ。後藤健生氏からは「レッズレディースを見習え」といった感じの厳しい意見(「勝点1の重さを再確認された浦和をめぐる1週間 吉田監督の超慎重采配が生んだ浦和レディースの優勝:後藤健生コラム」)も浴びせられていたが、サガンとはこの2年、アウェイでは2連敗と相性の悪い相手。やはりこのゲームでもレッズの選手たちの堅さは解けていなかった。
 4分、CB那須のフィードを左FW梅崎が落とし、左WB宇賀神がシュート。バーを叩く。レッズはサイドチェンジを多用してクロスを入れていくが、中で柔らかさが足りない。動きが少なく、サガンの守備を崩せない。対するサガンはレッズ守備陣の周辺でパスを回し、ロングボールからカウンターを仕掛けていく。しかしレッズも守備の意識は高い。CF豊田をがっちりマークして自由にさせない。お互い中盤の激しいつぶし合いが続く。
 28分、CB那須が攻撃陣の堅さをほぐそうと後方からロングシュートを放っていく。34分にはサガンが攻め込んだ場面からカウンター。CF李がドリブルで走るが、サガンDF陣も必死で帰り、シュートにプレッシャーをかけて枠に入れさせない。逆に38分、後方からのフィードを左SHキムミヌが収めて、スルーパスにOH池田がシュート。さらにCH藤田のロングスローで攻める。41分にはロングスローからこぼれ球をCB菊地がシュート。しかし直後にはレッズも逆襲のカウンター。前半終盤になってようやく堅さがほぐれてきたか。動きがよくなってきたところでホイッスルが鳴った。
 後半2分、右CB森脇のクロスを左WB宇賀神が落とし、右FW柏木がシュート。DFのブロックをCF李がシュートするが、枠を外す。頭を抱える李。まだ気負いが取れないか。7分、サガンもCBからのフィードをCF豊田がヘッドで落とし、OH池田がシュート。9分にはCH藤田のクロスにCF豊田とCB那須が競って、クリアボールをCH高橋がつなぎ、右SH水沼がシュート。DFに当たってバーの上。13分、今度はCH藤田のロングスローから左SHキムミヌがボレーシュート。OH池田が飛び込むが、GK西川がセーブする。
 後半はどちらかと言えばサガンが押し気味で進む。すると20分、レッズは左FW梅崎に代えてマルシオ・リシャルデス、さらに右WB平川に代えて左WB関根を投入。宇賀神を右WBに回す。すると22分、右WB宇賀神のクロスにCF李が抜け出す。CB菊地が追いかけ、PAに入ったところでスライディング。だがボールに届かず、李の足を払ってしまう。一発レッドカード。そしてPK。これをCH阿部が落ち着いて決めて、24分、レッズが先制する。
 1点をリードしてようやくリラックスするレッズの選手たち。後方でパスを回し、時間を稼ぐ。26分CH青木、31分李とミドルシュートを放っていく。そして39分にはCB那須のフィードに走り込んだFWマルシオエンドラインまで抉って落としたボールにCF李がシュート。DFのブロックを右CB森脇がシュート。GK林がファインセーブ。さらにこぼれ球を森脇がシュート。これもGK林が横っ飛びセーブ。絶好の追加点のチャンスを逃してしまった。これが大きかった。
 ゲームはそのままアディショナルタイムへ。残り時間30秒でつかんだサガンCKのチャンス。GK林も上がっていく。これがレッズのマンマークを混乱させたか。CH藤田が蹴ったCKにCB小林が起死回生のヘディングシュート。何と劇的同点ゴール。そしてタイムアップ。レッズの選手たちが崩れ落ちる。ドロー。同時キックオフの2位ガンバ、さらに3位アントラーズも勝利して、ついにレッズが首位から滑り落ちた。
 前節からあまりに堅過ぎた選手たち。優勝を意識しすぎてシュート場面で気負いが大きい。このゲームでは守備を意識しすぎて、シュートチャンスすらなかなか作れなかった。そして最後の最後で同点ゴール。うーん、厳しい。最終節はグランパス戦。だが勝っても首位ガンバの相手は最下位ヴォルティスでは、得失点差をひっくり返す勝利は難しい。あまりに大きいアディショナルタイムの同点弾。だが、それを許してしまったのはやはり選手たちの過剰な気負いだった。優勝の女神はそんなレッズはお気に召さないようだ。