とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯4回戦 レイソル対ヴァンフォーレ

 土曜日に続いて日曜日は天皇杯が2ゲーム。まずはレイソルヴァンフォーレ戦から。ヴァンフォーレは山本が欠場で堀尾を3バックの中央に起用し、津田と土屋で組む5-4-1の布陣。左WBは阿部翔平がケガで松橋を起用した。一方レイソルはキムチャンスが韓国代表に選出されて右ABは藤田。秋野をアンカーに左SHに大津を起用する4-1-4-1の布陣。ゲームは前半20分過ぎから観始めた。

 序盤からレイソルが攻めてヴァンフォーレが守る展開。レイソルは25分、右SHクリスティアーノのスルーパスにCF工藤が走り込むが、わずかに届かない。ヴァンフォーレは28分、CH新井がミドルシュートを放つが、これがこのゲーム最初のシュートらしい。だがヴァンフォーレの守りにレイソルが攻めあぐねている感じ。なかなか決定的なチャンスを作れない。34分、右SHクリスティアーノが強烈なミドルシュートを放つが、サイドネットに突き刺さる。40分、秋野のCKがCBエドアルドに当たってあわやゴール右隅に飛ぶが、GK河田がナイスセーブで弾き出した。前半はスコアレスで終わる。

 後半もレイソルがパスを回して、ヴァンフォーレが守る展開。5分、右SB藤田のスルーパスにCF工藤が走り込み、クロスにCH小林がシュート。しかしこれもGK河田がナイスセーブを見せる。しかし8分、CH大谷が中盤からCH秋野にパスを入れると、そのまま前進。右SHクリスティアーノとパス交換をしてスルーパスに大谷が走り込む。DFを引き付けて右に流すと、後はCF工藤が押し込むだけ。レイソルがついに先制点を挙げた。

 反撃をしたいヴァンフォーレは12分、右SS伊東のドリブルをCB鈴木が倒してイエローカード。FKを右WB橋爪が蹴るが、わずかにポストの右に外す。直後には右SHクリスティアーノのスルーパスにCF工藤が走り込みシュート。しかしこれはGK河田がナイスブロックした。その後は時間をかけてパスを回すレイソルヴァンフォーレは20分、CH新井の縦パスから左SH阿部拓馬がドリブルからシュート。GK菅野がナイスセーブ。さらに右WB橋爪のCKにCB堀尾がヘディングシュートするも、枠を捉えられない。

 なかなか反撃は難しいな、このままレイソルが逃げ切るのかなと思った後半27分。左SH阿部拓馬がゴール前右でボールを持つと、ドリブルから切り返してDFをかわしミドルシュート。これが決まり、何とヴァンフォーレが同点に追い付いた。さらに30分頃には連続してCKのチャンスをつかむが、決めきれない。レイソルは36分、大津と小林を下げて、左SH太田とCH茨田を投入する。するとまた終盤、レイソルがチャンスをつかんでいく。39分、右SHクリスティアーノのクロスにCF工藤が抜け出してヘディングシュート。ネットを揺らしたが、オフサイドの判定。41分には右SHクリスティアーノミドルシュート

 しかしアディショナルタイム1分、レイソルに悪夢が訪れる。CBエドアルドからCB鈴木へパス。そこへ左SS阿部拓馬が襲いかかる。奪われて走り出す阿部の足に鈴木のタックルがかかる。ファール。2枚目のイエローカードで退場。右WB橋爪が蹴ったFKはGK菅野がナイスセーブ。しかし延長戦は一人少なくなってしまった。

 ヴァンフォーレは延長戦の始めからCB土屋に代えてCH下田を投入。新井をCBに下げる。さらに4分には足を痛めた阿部拓馬に代えて左SS石原を投入する。レイソルは茨田を下げてCBにした4-4-1。しかしお互い疲れて動きが少ない。ヴァンフォーレは12分、ゲームを通して動きが悪かったバレーに代えて堀米を投入。伊東をCFにした3FW。15分、CH下田がミドルシュートアディショナルタイム1分、CF伊東がドリブルで仕掛けるが、CBエドアルドがクリアする。一人多くてもなかなか攻撃に出られないヴァンフォーレ。しかし攻撃に出られないのはレイソルも同じ。延長後半5分、右SB藤田を今井に交代。少しでも運動量を確保する。

 9分、CH下田がミドルシュート。GK菅野がキャッチ。12分にはCF伊東が仕掛けて、左SS石原とパス交換からミドルシュートを放つが、枠を外す。そして延長戦も終了間際の15分。ヴァンフォーレの中盤でのパスミスをCF工藤が拾うと、大きく右にパス。右SHクリスティアーノがドリブルで前進。その横をまだ元気な右SB今井が駆け上がると、一旦流して戻ってきたパスをクリスティアーノが狙い澄ましたミドルシュート。これが決まり、ついにレイソルが勝ち越した。そしてタイムアップ。レイソルが死闘を制し、ベスト8進出を決めた。

 守ってカウンターが戦術のヴァンフォーレだが、一人多くなっても同じ戦い方しかできなかった。しかも肝心の阿部拓馬が負傷ではPK戦を待つばかりのサッカーになってしまう。その点、今季1シーズンでの退任が発表された吉田監督と少しでも長くサッカーをやりたいと願うレイソルの若手選手たちの思いが上回ったかもしれない。レイソルのサッカーは面白いと思うのだが、もう少し決定力がほしい。シーズン途中でレアンドロが抜けたのも痛かったが、それでも天皇杯はここまで勝ち上がってきた。次はベガルタ戦。さらに勝ち上がって決勝戦まで吉田監督と戦いたいというのがレイソルの選手たちの思いだろう。厳しいゲームを勝ち上がったレイソルの今後が楽しみだ。