とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンチャレンジ杯 日本対キルギス

 ベネズエラ戦では大迫や堂安らが交代した後に1点を返され、引き分けに終わった日本代表。キルギス戦では先発メンバーをベネズエラ戦から11人全員代えてきた。しかも初招集の山中や守田が名を連ねる。どんなサッカーを見せてくれるだろうか。相手はキルギス。ってどこの国? 選手の名前を見ると、ロシア系の名前が多い。中国の北西、中央アジア諸国の中でも最も東の国。FIFAランクは90位。来年のアジア杯に初出場するということは、逆に言えば上り調子ということか。布陣は5-4-1。身体の強そうなルクスをワントップに中盤4人がフラットに並び、DFの両WBが下がって5バックとなっている。対する日本は北川と杉本の2トップ。右SH伊東、左SH原口。ボランチに三竿と守田。山中が左SBに入り、右SBは室屋。CBは槙野と三浦。GKには権田が入った。

 開始2分、FW北川の縦パスをFW杉本が左に展開。左SB山中が放ったミドルシュートが右ポストに当たってゴールに転がり込んだ。日本が先制点を挙げる。山中は初タッチじゃなかったか。キルギスは最初、前からプレスをかけてきたが、日本がパスを回して攻めるうちに、次第に引いて守る形になってきた。その中で左SH原口がドリブル。DFに倒されて得たFKを原口が蹴ると、GKマティアシュがキャッチミス。ゴールに転がり込んだ。日本が追加点を挙げた。原口はやや不満そうだったが、ボールはGKの手前でしっかりと落ちて、キャッチしづらかったのだろう。

 その後も日本が攻める。25分、FW北川のクロスをFW杉本がヘディングで落とし、右SH伊東が反転してDFをかわしシュート。だがわずかに左に外れる。29分、CH三竿が中盤でボールを奪うと、FW杉本が左に展開。左SH原口のクロスに右SH伊東がボレーシュート。しかしこれもポスト左に外れる。31分には右SH伊東のクロスにFW杉本がヘディングシュート。だがGKの正面。キルギスは45分、右SHジルガルベク・ウールが右IHムサベコフとのワン塚で仕掛けてミドルシュートを放つが、右サイドに外れる。これがこのゲーム、キルギス唯一のシュートだった。前半はこのまま2-0、日本リードで折り返した。

 後半頭にキルギスは選手を二人交代。右SHシディコフと左SHイステイロフ。キルギスは後半に入ってまた積極的に前からプレスをかけてくる。4分、左SB山中のCKにCB三浦がヘディングシュート。これはGKマティアシュの正面。11分、左SB山中のクロスにFW杉本がヘディングシュート。これもGKマティアシュがキャッチする。

 後半はキルギスの寄せが早くなかなかチャンスが作れない中、日本は14分、杉本、伊東、三竿を下げ、CF大迫、右SH堂安、CH柴崎を投入する。さらにCB槇野が痛めてCB吉田が登場。豊田スタジアムの観衆が大いに沸いた。すると途端に前線で面白いようにパスがつながり出す。そして27分、CH守田の縦パスをFW北川がヒールで落とし、FW大迫がシュート。日本が追加点を挙げる。直後、日本はさらにOH南野と左SH中島を投入する。すると直後の28分、右サイドでCF大迫の縦パスを受けたOH南野がクロス。右SH堂安が左に流して、左SH中島がシュート。あっという間に4点目。交代した先発メンバーとの違いを示す。

 その後は完全に日本ペース。32分、左SH中島が中へドリブルで切れ込んでのミドルシュートはわずかにポスト左に外れた。さらに直後には、OH南野のサイドチェンジから左SH中島がクロス。南野がゴール前に走り込んでのヘディングシュート。36分、左SH中島のドリブルから左に流して、OH南野がシュート。そして44分、左SH中島のCKにCB三浦がヘディングシュート。ポストに当たってはね返ったボールをGKマティアシュが空中でキャッチした。ラインは割っていないという判定。残念。アディショナルタイム2分にはCB三浦のフィードをCF大迫がヘディングで落として、OH南野が抜け出しシュート。しかしポスト左に外す。後ろから追いかけたDFに当たられたとアピールするが、入れられず。そしてタイムアップ。4-0。日本が完勝した。

 それにしても、大迫らが交代出場した後、ガラッとサッカーが変わった。しかもしっかりと2ゴールという結果で示すところがすごい。右SH伊東や左SH原口ももちろんがんばっていはいたが、南野ら4人の連携には遠く及ばない。イメージがしっかり共有できている。そして彼らに伍して結果を見せたのがCH守田だ。左SB山中も気後れすることなく堂々としたプレーを見せた。CB三浦も。FW北川にとっては後半10数分間、大迫や堂安とともにプレーした時間は今後の大きな経験になるだろう。それにしてもすばらしい。逆にいえば、彼らがいない時のサッカーをどうするかが課題でもある。アジア杯まであと1ヶ月半。そこで今度はどんなプレーを見せてくれるのか。今からワクワクする。