代表ウィークの週末、J1リーグはもちろん、ヨーロッパの各リーグもお休み。今節のJ2の中で最も面白そうだったこのゲームを観ることにした。12戦負けなしで2位まで上がってきた横浜FC対2連勝で7位のヴァンフォーレ甲府。いずれもかつてJ1に在籍していたチームだ。両チームの勝ち点差はわずか3。J2はこの時点で2位から7位までがほぼ横並び。ヴァンフォーレが勝てば一躍、昇格プレーオフ圏内に上がる可能性が高い。しかも横浜FCと勝ち点差で並ぶ。横浜FCにとっても負けられないゲームだ。
横浜FCの布陣は4-2-3-1。イバをワントップに、トップ下にレアンドロ・ドミンゲス。そして快足の大卒コンビ、中山と松尾が両SHに入る。ボランチは松井大輔と田代。DFは右から右SB橋爪、CB伊野波、CBヨンアピン、左SB武田。そしてGKにはベテランの南が入る。要所にベテランが座り、ベンチには中村俊輔も控える。ヴァンフォーレは3-4-3の布陣。ピーター・ウタカを中央に、右FW横谷、左FWドゥドゥ。WBには右WB湯澤、左WB内田。佐藤和弘と小椋のダブルボランチ。CBは右から武岡、小出、エデル・リマ。そしてGKは河田。ヴァンフォーレも経験のある外国人選手がチームを引っ張っている。
序盤、ヴァンフォーレが積極的に前からプレスをかけてくる。6分、左FWドゥドゥが中へのドリブルから大きくサイドチェンジ。右WB湯澤の落としから右CB武岡のクロスをCFピーター・ウタカがヘディングシュート。しかしオフサイド。押し込まれていた横浜FCだったが、8分、CH松井の所でボールを奪うと、CH田代がつなぎ、OHレアンドロ・ドミンゲスが左へ展開。左SH松尾がドリブルで駆け上がると、逆サイドにも右SH中山が全力疾走し、クロスをゴールに押し込んだ。横浜FCがカウンター一発、先制点を挙げた。
しかしヴァンフォーレはその後も前からのプレス厳しく攻めていく。9分には左CBエデル・リマの縦パスをCFピーター・ウタカが落とし、リマが抜け出して、クロスに右FW横谷がシュート。GK南がファインセーブで弾き出した。その後も攻め続けるヴァンフォーレ。そして16分、右中盤深い位置から左WB内田がFKを蹴ると、ゴール前でCFピーター・ウタカが合わせる。ヘディングシュートをネットに突き刺し、ヴァンフォーレが同点に追い付いた。
31分にも同じような位置から左WB内田がFKを蹴り込むと、今度はCBエデル・リマが飛び込む。だがDFがクリアした。横浜FCも37分、CBヨンアピンのフィードのクリアを左SB武田が縦にパス。左SH松尾が先制点の時と同様に左サイドを駆け上がって、クロス。右SH中山が走り込むが、届かず、ポスト右を流れていった。前半終盤は横浜FCが攻める。42分、右SB北爪のアーリークロスにCFイバがヘディングシュート。45＋1分、OHレアンドロ・ドミンゲスのFKにCBヨンアピンがヘディングシュート。さらに45＋4分には右SH中山が仕掛けて得たFKをCFイバが直接狙うが、サイドネットに外す。前半は1-1の同点で折り返した。
後半は序盤、横浜FCが攻め込んでいく。そして2分、左SH松尾の縦パスをCFイバが落とし、左SB武田が走り込んでクロス。DFのクリアをOHレアンドロ・ドミンゲスがボレーシュート。バーにはね返されたボールを右SH中山が押し込んだ。横浜FCが勝ち越し点。中山がこのゲーム2点目を挙げた。その後も攻め込む横浜FC。だがヴァンフォーレも8分、左WB内田がミドルシュートを放つと、9分には左WB内田のクロスを左FWドゥドゥがヘディングシュート。そして11分、左FWドゥドゥが仕掛けると、PAぎりぎりでCH松井がタックル。ドゥドゥを倒す。録画ではPAの外に見えたが、井上主審はPKスポットを指差した。これをCFピーター・ウタカが決めて、再びヴァンフォーレが同点に追い付いた。
その後は両チーム互角の展開が続く。そして27分、横浜FCがCKのチャンス。レアンドロ・ドミンゲスが蹴ると、CH田代が折り返し、左SH松尾がシュート。三たび、横浜FCが勝ち越した。33分、ヴァンフォーレは湯澤を下げてFWアラーノを投入。布陣も4-3-3にして反撃する。内田が左SBに下がり、アンカーは小椋。横谷が右IHに下がり、佐藤が左IHに入る。横浜FCも35分、CH松井に代えて渡邊を投入する。36分には右FWアラーノのクロスに左FWドゥドゥがヘディングシュート。わずかにポストの右。ヴァンフォーレは40分、左IH佐藤に代えて曽根田を投入した。
41分、右IH横谷のパスからCFピーター・ウタカがシュート。GK南がセーブ。横浜FCも42分、CFイバに代えて戸島を投入。45分、右FWアラーノが中へドリブルして、左FWドゥドゥとのワンツーからミドルシュート。しかしGK南がファインセーブで弾き出した。その後は横浜FCも藤井をDFに入れて守備を固めると、そのまま逃げ切った。3-2。横浜FCが2位を守った。
3位京都サンガがファジアーノ岡山に敗戦して、水戸ホーリーホックが3位に上がってきた。2位横浜FCとの勝ち点差は1。次節は5位大宮アルディージャ。その差は勝ち点差2。負ければ順位が入れ替わる。6位との勝ち点差は3。そして9位ファジアーノまでの勝ち点差もわずか6。残りはまだ13試合もある。J2の昇格争いはどうなるか全く予断を許さない。それでも両SHがイキイキと躍動する横浜FCのサッカーは楽しかった。しばらく追いかけてみようかな。
