とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ファスナーの引手の位置

 年末から寒くなって、ダウンのジャケットが欠かせなくなった。昨年まで着ていたジャケットに穴が開き、羽毛が抜け落ちるので、昨秋、コストコで新しいダウンジャケットを購入した。先月、初めて袖を通して、ファスナーを締めようとしたら、引手の左右が違う。普通は左右に開いた裾の左側にファスナーの引手が付いていて、右側のファスナーを差し込むのだが、今回購入したダウンジャケットは、ファスナーの引手が右に付いていて、左側のファスナーを差し込む形。ひょっとして男女で違うのかと思い、妻の服を見るとこれまで着ていた私の服と変わらない。

 調べてみると、アメリカ製の服では左差しが多いとのこと。左利きが多いからというのだけれど、本当かな? でも、左差しも慣れてくると、それほど苦もなく差し込めるようになった。いや、むしろやりやすいかもしれない。右手で引手を持って左側のファスナーを差し込んだ後は、そのまま右手で引手を引き上げる。引手の引き上げを利き手でやれるのは都合いいし、脱ぐ時には右手で引手を引き下げて、そのままファスナーを外して脱いでいく。これがけっこうスムーズで気持ちいい。

 これまでの左側に引手が付いている服だと、右手で引手をファスナーの一番下まで引き下げてから、右手は右の裾の上部を、左手は左の裾の下部を持ってファスナーを抜く。右手でファスナーの引手を持って下げると、どうしても持ち帰る必要が出てくる。その点、右に引手が付いていれば、持ち帰る必要もなく、そのまま引き下げれば脱ぐことができる。右利きであれば、ファスナーの引手は右側にあった方が引き上げやすいし、引き下げやすい。

 着脱の時には引手の側を抑えてファスナーを抜き差しするから、その抜き差しする側を利き手で持つか、左右のファスナーが一体化した後の引手を利き手で持つかの違いだけど、意外に後者の方が使いやすい。ファスナーが伝わってきた時には、着脱が難しいという声が多かったのかもしれない。日本とアメリカ以外ではどうなんだろう。

 そう言えば、男女でボタンの左右が違うのは、昔、ヨーロッパで女性が盛装を着る際に、自分では着られず、使用人等に着せてもらう必要があったから、とは「チコちゃんに叱られる」でやっていたことだけど、例によって、「諸説あります」というクレジットも出ていた。習慣って、ひょんなことから始まって、広まっていく。ファスナーの左右もきっと、利き手の問題ではなく、もっと意外な理由かもしれない。「チコちゃんに叱られる」でやってくれないかな。

 ちなみに、「ファスナー」か「ジッパー」か「チャック」か。「チャック」は日本独自っぽいなと思って、「ジッパー」で書き始めたけど、途中で気になって調べたら、「ファスナー」それも「スライドファスナー」が正式名称らしい。「ホッチキス」じゃなく「ステープラ」と同じ類かな。それにしても「チャック」の語源が「きんちゃく」から取られたというのは面白い。