とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

皇后杯準決勝 ジェフユナイテッド千葉市原レディースvs.日テレ東京ベレーザメニーナ

 ベレーザもレオネッサも敗退して、皇后杯準決勝に残ったチームは、これまで優勝したことのないチームばかりとなった。もっともレッズレディースはこれまで優勝のないのは不思議な感じ。

 セレッソレディースを相手にした第一試合は後半10分過ぎ位から観始めたが、レッズが圧倒的に攻め続ける展開。後半22分、CH柴田がCH宮本に倒されて得たCF菅澤のPKはGK山下がビッグセーブ。しかし32分、左SB佐々木のクロスをCF菅澤が落とし、MF塩越がボレーシュート。これがCB筒井の腕に当たる。さすがに2度目のPKは菅澤が決めて、レッズが勝利した。もっとも、1度目のPKも2度目も、ともに微妙な判定。1度目はCH柴田の突破に対してCH宮本が完全に身体を入れていたが、足が絡まって倒れたもの。決勝点となった2度目のPKも、塩越のボレーを受けたCB筒井の手はしっかりと体に折り畳まれていた。たぶんレッズが圧倒的に攻めるもゴールがない展開に、主審がゲームを決めたくなったのだろう。まあこれもサッカー。判定があったなら完全にレッズの勝利だっただろうし。

 それで第二試合は、ベレーザを破ったジェフレディースに、ベレーザの下部組織、中高生で組織するメニーナがお姉さんチームの雪辱を果たそうというゲーム。4回戦でレオネッサ、準々決勝でアルディージャを破ったメニーナがどんなサッカーをするのか、興味深く観戦した。ジェフの布陣は3-4-3。大澤をトップに、鴨川と曽根がシャドーに入り、3トップで前からプレスをかける。中盤は岸川と今井のダブルボランチ。右WBに田中、左WB藤代。CBは右から大熊、林、市瀬。GKは清水。岸川以外は知らない選手ばかりだ。対するメニーナは4-4-2。樋渡と土方の2トップに、右SH木村、左SH松永。眞城と大山のダブルボランチ。DFは右CB青木、左SB池上。CBは熊谷と坂部。GKは野田。松永、眞城、青木が中学生だ。

 しかし序盤からメニーナが圧倒的にパスを回して攻めていく展開。ジェフはしっかり守ってカウンターを狙う。そして8分、右WB田中のスローインからゴール前に入ったボールを処理しようとするCB坂部に対してFW曽根がプレッシャー。クリアしたボールをFW鴨川が引っ掛けて、抜け出してシュート。ゲーム最初のチャンスをジェフが決めて先制点を挙げた。

 こうなるとジェフの守備は堅い。両WBが下がって5バックの守備に対して、パスを回して攻めるメニーナだがなかなかシュートまで行けない。ジェフの3トップのプレスが厳しく、中盤から前に進んだ時にはもうジェフの守備ブロックがしっかりできている。30分、左SB池上の縦パスをCH今井がカットして、FW曽根がミドルシュート。ジェフはショートカウンターで攻める。メニーナの初シュートはようやく33分、右SH木村がクロス気味のミドルシュートを放つが、GK清水がセーブする。逆に35分にはFW鴨川の落としからCH岸川がミドルシュートを放つ。メニーナは44分、左SH松永がドリブル突破で持ち上がり、右SH木村の落としからCH大山がミドルシュートを放つが、DFがブロックする。前半はそのままジェフのリードで折り返した。

 後半は中央から積極的に攻めるメニーナ。2分にはCHの流れから左SH松永のクロスのクリアをCB熊谷がミドルシュート。4分には右SH木村の入れたクロスがFW樋渡と競ったCB大熊の手に当たる。第一試合のPKに比べれば、明らかに手が胴体から離れていたが、主審はPKを取らない。逆に6分、ジェフがカウンターでFW鴨川がドリブル。最後はCF大澤がミドルシュートを放つが、枠には入らなかった。

 16分、ジェフは前線シャドーの鴨川と曽根に代えて、南野と安齋を投入する。18分には左FW安齋がドリブルで抜け出し、ミドルシュートを放つが、GK野田がナイスセーブした。20分にはCH岸川がミドルシュートメニーナの攻撃がなかなかシュートまでいけない。26分には左SB池上のドリブルからクロスを入れるが、FW樋渡のヘディングシュートはポスト左に外れる。

 その後、メニーナドリブラーの松永を右SHに移す。木村をボランチに下げ、眞城が左SH。さらに35分過ぎからは樋渡を右SHに開き、松永をトップ下に置いて攻める。だがジェフの守備は崩れない。39分にはCF大澤を城和に交代して、さらに守備を固める。そしてタイムアップ。結局、最後までジェフの堅守を崩すことはできなかった。1-0。ジェフレディースが勝利して、来月の決勝にコマを進めた。

 メニーナはよくやった。というか、中高生でこれだけやれるのはすごい。細かいパスを繋いで攻めるサッカーを魅力的だ。この中から5年後、10年後にはベレーザからなでしこで活躍する選手が多く生まれていることだろう。松永、眞城、青木など、居間は中学生の彼女らの名前を覚えておこう。これで決勝はジェフとレッズの対戦となった。準決勝の2ゲームと同様に、レッズが攻めてジェフが守る展開になるだろうが、結果はどうなるかわからない。ベレーザもレオネッサもいない決勝戦。来月の対戦を楽しみにしよう。