とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ワールドカップ グループA 第1戦 カタールvs.エクアドル

 ワールドカップが始まった。開幕戦は開催国が登場するのがドイツ大会以降、慣例になった。でも、カタールの相手はエクアドル。少し地味なカードになったが、カタールにとっては、他の対戦相手、セネガルやオランダに比べればまだ勝利の可能性がある相手か。もっともエクアドルFIFAランク44位とはいうものの、南米予選を4位で通過した実力は侮れない。先々月の日本との親善試合もスコアレスドローとほぼ互角で戦った。

 カタールの布陣は3-5-2。アフィフとアリの2トップに、3ボランチ、右からアルハイドス、ブディアフ、ハテム。WBは右にペドロ・ミゲウ、左にアフメド。CBは右からアルラウィ、フーヒ、アブデルカリム・ハッサン。GKはアルシェーブ。一方、エクアドルは4-4-2。エストラーダとエネル・バレンシアの2トップは、バレンシアが自由にピッチを動き回る。SHは右にプラタ、左にイバーラ。ボランチカイセドとメンデス。メンデスが時にCBの間に下がって、守備的にプレーする。DFは右SBアンヘロ・プレシアード、左SBエストゥピニャン。トーレスとインカピエのCBにGKはガリンデス。ちなみに始めはNHKで観始めたが、途中からABEMAで観戦した。パソコンで観られる方がありがたい。

 序盤からエクアドルが積極的に攻めていく。そして3分、左SBエストゥピニャンがFKを大きく右サイドに放り込むと、飛び出したGKアルシェーブとCBトーレスが競い合い、こぼれ球をFWエストラードが落として、CBトーレスがボレーでクロス。これをFWバレンシアガヘディングでゴールに突き刺した。ゴール。幸先よくエクアドルが先制点を挙げた。と思ったら、VARの末、オフサイドでノーゴールとなった。何で? どう見ても左SBエストゥピニャンが蹴った時点ではCBトーレスはDFラインよりもかなり自陣に近い位置にいる。その時点ではGKに対するトーレスの競り合いが間接FKの判定だったのかと思った。

 中継の中でも当初は「わからない」と言い、VARの画像が出ても詳しい説明はなし。当日夜のNHKのダイジェストを見ても、VARの映像を映しただけで、詳細な説明なし。結局、翌日の新聞で初めて理解した。オフサイドの判定はいつも議論になるのだから、放送の中でもっと詳しい説明が欲しかった。初めて観戦した人にも、「オフサイド半自動判定システム」を称賛するだけでなく、きちんとルールを説明した方がよかったのではないか。それにしても、トーレスのヘディングの時点で、エストラーダの足が少しオフサイドライン(しかもGKが前に飛び出していたので、2人目のDFのライン)を飛び出ていたなんて、絶対人間には無理。もっともそこまで厳密にする必要があるかどうかは議論がありそうな気もするけど。

 この判定で気落ちするかと思ったエクアドルだが、この後も気を取り直して攻め続ける。と言うか、カタールが緊張しているせいか、動きが堅い。そして15分、エクアドルがカウンター気味に攻め込んで、FWエストラーダのスルーパスにFWバレンシアが走り込む。これをGKアルシェーブが倒してしまう。PK。これをバレンシアが決めて、エクアドルが今度こそ本当の先制点を挙げた。それにしてもGKアルシェーブのプレーも酷い。やはり緊張のなせる業か。

 その後もエクアドルが攻め続ける。29分、左SHイバーラがミドルシュート。そして31分、CHカイセドがドリブルで右サイドへ運んでいくと、戻しのパスを右SBプレシアードがクロス。これにFWバレンシアが飛び込んでヘディングシュート。エクアドルが追加点を挙げた。カタールの初シュートは33分、左CBハッサンがミドルシュートを放つが、枠は大きく外した。前半終了間際の45+5分にも右WBミゲウのクロスにFWアリが飛び込むが、ヘディングはポストの左。前半はこのまま2-0で折り返した。

 後半に入るとようやくカタールも前から攻め始める。しかしプレスの質といい、パス能力といい、エクアドルの方が断然上。なかなかカタールの攻める展開になっていかない。7分、エクアドルの右SBプレシアードがミドルシュート。10分にはCHメンデスから長い距離のスルーパスが出て、左SHイバーラが抜け出し、シュート。GKアルシェーブがナイスセーブした。ようやく落ち着いてきたか。カタールも17分、左CBハッサンのアーリークロスに右WBミゲウがヘディングシュート。ポスト左に外れる。

 23分、エクアドルはイバーラに代えて、左SHサルミエントカタールも26分、アリとアルハイドスを下げて、FWムンタリと右IHワードを投入する。30分、FWアフィフのシュートはバーの上。32分、エクアドルバレンシアを下げて、FWシフエンテスを投入する。41分、カタールは右CBアルラウィのフィードにFWムンタリが抜け出してシュート。だが枠を捉えられない。45分、エクアドルエストラーダカイセドに代えて、FWロドリゲスとCHフランコを投入。45+5分、左SBエストゥピニャンのCKにFWロドリゲスがヘディングシュートを叩きつけるが、ポストの左。そしてタイムアップ。2-0。エクアドルが開幕戦を飾って、好スタート。十分グループリーグ抜けの可能性を感じさせた。

 カタールはやはり緊張がなせる業か。でも日本も初めて出場したフランス大会は3連敗だった。もっともそんな結果になったら、カタール国民はどうなるのだろう。仮に暴動でも起きたら、ただでさえ人権問題で抗議が殺到しているのに、大丈夫かなと心配になる。もっともカタールの人権問題や環境問題などはカタール開催が決まった時点でわかっていたこと。抗議している団体も、名画にスープをかけた環境保護団体と同じ穴の貉ではないか。本当に抗議をするのなら、W杯参加自体をボイコットすればいい。でもそうなると、ドイツとの対戦もなかったりして。まあW杯はこのまま最後まで行くんだろうな。次はどのゲームを観戦しようかな。