とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第20節 名古屋グランパスvs.浦和レッズ

 リーグ戦前半が終わって8勝8敗3分。得点・失点ともに21点で、得失点差はゼロ。見事にプラマイゼロの成績で順位は9位。開幕3連敗のスタートを考えれば、良しと思うのか。だがここ4試合は勝利なし。さすがに今後が気にかかる。今節の相手は11位のレッズ。レッズも7勝7敗5分で、勝敗はちょうど5分。しかも5試合勝利なし。だが対戦相手を見ると、ゼルビア、ヴィッセルセレッソアントラーズといずれも首位を争うチームが相手。降格圏争いをするサンガやベルマーレと引き分けて、下位のヴェルディフロンターレに敗戦したグランパスとは少し違う。

 グランパスの布陣は3-4-3。永井をトップに、右FW山岸、左FW倍井。稲垣と森島のダブルボランチに、右WB中山、左WB内田。CBは右から吉田、ハチャンレ、三國。GKはランゲラック。ただし、前節同様、右WB中山が高い位置を取るため、三國とハチャンレのCBに吉田が右SBに上がる、4-4-2のような布陣に見える。対するレッズは4-3-3。リンセンをトップに、右WG武田英寿、左WGソルバッケン。中盤は安居をアンカーに、右IH伊藤敦樹、左IH渡邊凌磨。DFは右SB石原、左SBに大畑。ホイブラーテンと佐藤瑶大のCBに、GKは西川。

 序盤、前節の前半の動きを反省したのか、グランパスが積極的に攻撃をしていく。しかし7分、CB吉田のミスからCFリンセンに奪われ、左WGソルバッケンがワンツーで抜け出すと、クロスがCBハチャンレの足に当たってファーに流れたところを、詰めた左IH渡邊がシュート。幸先よくレッズが先制点を挙げた。グランパスにとっては、前節に続いて追う展開。イヤな感じが頭をよぎった。

 その後、グランパスも攻めていくが、なかなかシュートまで行けない。守備を固めるレッズにボールを持たされて、でもその先のイメージがない感じ。ようやく21分、左FW倍井のクロスにCF永井がヘディングシュートするも、枠は捉えられず。24分にはカウンターで、FW山岸、CF永井と運ぶが、結局は左FW倍井で詰まって、最後はCH稲垣のミドルシュートが枠を外した。

 レッズは35分、左WGソルバッケンのスルーパスに左SB大畑が抜け出し、クロスに右SB石原がシュート。グランパスは右サイドを再三崩される。40分には、右IH伊藤から左に展開。左WGソルバッケンのクロスに右IH伊藤がシュート。続く右WG武田のCKに、CB佐藤がヘディングシュート。45+2分には、CFリンセンからのパスに、左WGソルバッケンがシュートを放つ。レッズの方がよほど攻撃の形ができている。前半はこのまま終了。レッズの1点リードで折り返した。

 後半頭、グランパスは前半、無気力プレーが目立った吉田に代えて、右CB野上を投入する。一方、レッズも前半終了間際、足の不調を訴えたソルバッケンに代えて、右WGに前田を投入する。2分、CH森島のCKをCF永井がフリック。FW山岸がヘディングシュートするも、GK西川がキャッチする。一方、レッズも6分、左WG武田のFKに、CB佐藤がヘディングシュート。ネットを揺らすが、ここはオフサイドで救われた。

 9分、左FW倍井のボールを捏ねた末に、ミドルシュートか、クロスか。枠は捉えられない。攻めようという姿勢はわかるが、連携が取れていない。攻撃の練習をしているんだろうか? そうこうしているうちに後半の12分、左WG内田がボール処理に戸惑ったところで、CFリンセンに突破されかかり、思わず手で止めてしまう。2枚目のイエローカードで退場となってしまった。やれやれ。ここを好機と見たか、レッズは16分、武田とリンセンに代えて、CFチアゴサンタナと左WG関根を投入する。一方、グランパスも17分、倍井と永井に代えて、CH椎橋と右IH久保。布陣は4-3-2。稲垣を右SBに回し、中山をFWに上げる。

 しかし優位に立ったのは一人多いレッズ。19分、左サイドから大きなサイドチェンジに、右WG前田が抜け出し、GKと一対一からシュート。これはGKランゲラックがファインセーブで弾き出した。しかもこのプレーで前田が足を痛め、22分、左IH岩尾との交代を余儀なくされる。渡邊が右WGに回った。グランパスも26分、三國を下げて、FWパトリックを投入。野上とハチャンレのCBに、中山が左SBに回る。

 29分、レッズは右WG渡邊のCKからCBホイブラーテンがヘディングシュート。GKランゲラックが弾いたところに、CH安居が詰めてシュートを放つが、これもGKランゲラックがセーブした。32分、グランパスは山岸に代えて、FW酒井を投入。しかし、なかなか攻撃の形ができない。ようやく39分、右SB稲垣のスルーパスに、右IH久保が抜け出し、クロスのはね返りを、右SB稲垣がシュート。しかし枠は外す。

 その後はレッズがパスを回して、グランパスにボールを持たせない。45分には、左SB大畑のクロスにCFチアゴサンタナがシュート。しかし枠は外した。そのまま8分間と長いアディショナルタイムだったが、結局、グランパスはシュートも打てず。そのまま0-1と敗戦。これでついに5試合勝利から見放され、順位もレッズと入れ替わって10位に下がった。

 とにかくゴールが遠い。ここ5試合でわずか3点。しかも直近の連敗中は2試合ともゴールがない。前節のゲームで、解説の林陵平が、グランパスの前線に連携がないことを指摘していたが、まさにその通り。しかもこのゲームのように、相手に引かれてボールを持たされると、どうしていいかわからない状態。次は7位セレッソ、そして首位のゼルビアと対戦する。勝てる気がしない。長谷川監督はこの窮地をどう脱しようとするのか。いや、やはり監督交代を考える時期に来ているのか。いつまで経っても、グランパスのサッカーが変わらない。