前節、レイソルに勝利して、ようやく今季初勝利を挙げたグランパス。だが、今節の相手はマリノス。名前だけで負けを覚悟した。とは言っても、前節、ダブルボランチにして、だいぶ守備は落ち着いてきた。課題は得点力。1週間の代表ウィークで長谷川監督はどこまでチーム力を改善できたか。期待はせずに観始めた。
グランパスの布陣は3-5-2。山岸と永井の2トップに、中盤は森島、稲垣、米本が並ぶ。WBは右に久保、左に内田。CBは右から、三國、ハチャンレ、河面。GKはランゲラック。と書いたけど、内田がかなり高い位置、しかも内側に位置し、森島は米本と稲垣よりも高い位置に上がっているので、ほとんど4-4-2のように見える。対するマリノスの布陣は4-3-3。アンデルソン・ロペスをトップに、右WG水沼、左WGエウベル。中盤は、貴田をアンカーに、右IH渡辺皓太、左IHナムデヒ。DFは右SB加藤連、左SB永戸。松原と上島でCBを組み、GKは出場停止のポープに代わり、白坂が入る。
久保が低い位置を取って左WGエウベルを警戒する一方、米本と稲垣がしっかり中盤を支配して、マリノスの攻撃を抑える中で、グランパスが先に攻めていく。8分、FW山岸の落としからFW永井がドリブル。右を走る山岸にいったん渡して、ワンツーでゴール前に入っていく。GKにはね返されたボールをFW山岸がシュート。これもGK白坂にセーブされた。9分には、右CB三國のクロスにFW山岸がヘディングシュート。さらに10分には、右WB久保のパスを右CH森島がクロス。左WB内田が落として、CH稲垣がシュート。
マリノスは13分、左IHナムデヒの縦パスに左WGエウベルが抜け出し、クロス。CFアンデルソン・ロペスがシュート体勢からスルーしたが、後ろに走り込んだ右IH渡辺はうまく合わせられなかった。14分にも左IHナムデヒのクロスに右IH渡辺が走り込むが、手前でCBハチャンレがクリアする。マリノスの左サイドからの攻撃は強力で、何度か破られそうになったが、右CH森島も加え、久保と三國で何とか対応する。
しかし24分、FW山岸が右膝を痛め、パトリックとの交代を余儀なくされてしまう。それでも26分、GKランゲラックのフィードに右WB久保が走り込み、クロスにFW永井がシュート。しかし、CB上島がブロックする。さらに29分には左CH米本のスルーパスにFW永井が抜け出し、GKと一対一。だがシュートはGK白坂が足を伸ばしてブロックする。ファインセーブ。
39分、今度はCBハチャンレが脳震盪で吉田との交代を余儀なくされる。攻守の要を失ったグランパスはその後、マリノスに攻め込まれる。41分、左IHナムデヒのミドルシュートはCH稲垣がブロック。45分には、CFアンデルソン・ロペスがシュート。GKランゲラックが弾いたが、続くCKの流れから、左IHナムデヒがミドルシュート。これもDFがブロックした。グランパスはカウンターで何とか攻めようとするが、マリノスの構成は続く。45＋6分、右SB加藤のクロスに左IHナムデヒがヘディングシュート。45＋8分には、左SB永戸のクロスにCB上島がシュートするが枠は捉えられず。何とか、前半はスコアレスで折り返した。
後半3分、グランパスは右WB久保がカットインからミドルシュート。しかし9分、左WGエウベルのミドルシュートはGKランゲラックがナイスセーブではね返すが、右WG水沼が拾うと、クロスをCH喜田がフリック。CFアンデルソン・ロペスがシュート。DFブロックのこぼれ球を左WGエウベルがシュート。これもDFがはね返したが、左サイドに転がったボールに左SB永戸がシュート。右WB久保が滑り込んだが、足の下を抜けて、ゴールに飛び込んだ。ついに、マリノスが先制点を挙げた。
後半、グランパスはパトリックをトップに上げ、森島と永井がシャドーに入る3-4-3の布陣を取る。11分、右FW森島のFKのクリアを右CB三國がシュートするが、DFがブロックする。13分、マリノスはエウベルと水沼を下げて、左WGに宮市、右WGには植中を投入する。グランパスも久保と内田を下げて、右WB和泉、左WB山中。16分、左WB山中のFKから左CB河面がシュートするも枠は捉えられず。24分にはマリノスがナムデヒに代えて、OH天野。布陣を4-2-3-1に変更する。26分、グランパスはCH米本のスルーパスに走り込んだ右WG森島のクロスにCFパトリックがオーバーヘッド。枠は捉えられない。
そして32分、マリノスが加藤に代えてCB畠中を投入しようとするが、渡辺がピッチに倒れていることを確認し、選手交代を止める。一方、グランパスはこの間に、永井と米本を下げて、左FW倍井とCH椎橋を投入。マリノスは渡辺に代えて山根を投入しようとするが、交代が認められないまま、一人少ない状況でグランパスのスローインでゲームが再開。すると、CB吉田のフィードに右FW森島が走り込み、飛び出したGKの上を越えるループシュートでゴールを揺らした。グランパスが同点に追い付いた。抗議をするキューエル監督にはイエローカードが提示された。
確かに、マリノスの守備陣にすれば、CBも含めた交代の予定だっただけに、一瞬、集中力が途切れていた状況があったかもしれない。でも、吉田のフィードも見事、森島の飛び出しとダイレクトでのループシュートも見事だった。この後、マリノスはCB畠中とCH山根の交代が認められ、松原が右SBに入った。ちなみに、グランパスの選手交代は4回目。しかも6人目。あれ、今季、選手交代のレギュレーションが変更されたのかなと調べてしまったが、前半39分のハチャンレの交代が脳震盪だったことが判明。確かにあの時、ハチャンレが何かボヤっとして、なかなかピッチの外に出なかったわけだ。納得。
37分、右SH植中のシュートはCFアンデルソン・ロペスを直撃。はね返りを拾った左SB永戸のクロスにCFアンデルソン・ロペスがヘディングシュート。これはゴールの左。40分、グランパスも、左SB山中のCKからはね返りを、左FW倍井がボレーシュート。しかしこれもポストの右に外れた。その後も攻めるグランパス。そして45＋2分、CH稲垣のクロスにゴール前に走り込んでいった左FW倍井をCB]上島がPA手前で倒すと、このFKを左WB山中が蹴る。そしてゴールネットに突き刺さった。グランパスが勝ち越し点を挙げた。その後はマリノスの反撃をグランパス守備陣が抑え、タイムアップ。2-1。逆転でグランパスが今季2勝目を挙げた。
同点に追い付いた場面でのマリノスの選手交代が認められなかったことによるゴタゴタ。そしてマリノスの攻撃に翻弄された場面も少なくなかったことを思うと、今一つすっきりした勝利とは言えないが、それでもゴールはいずれも見事だったし、何より守備ががんばった。中断期間中、しっかり準備をしてきたこともよくわかった。そして気分的にもこの勝利は大きい。この後は、連敗が続くコンサドーレ、アビスパ、ジュビロとゲームが続く。ここを勝ち切ることができれば順位も上がる。まずは最下位コンサドーレとの対戦。当然、勝利を待っている。
