ガンバが週末に天皇杯準決勝を控えるため、ミッドウィーク開催となった第35節。グランパスも次戦は来週のルヴァン杯決勝。お互いカップ戦に勢いをつけるためにも勝っておきたいゲームだ。ガンバは前節、フロンターレと引分けて5位。3位ゼルビアとの勝ち点差は6ポイントで勝ってその差を詰めておきたい。一方、グランパスはリーグ戦では2連敗中。3連敗は避けたいところ。
ガンバの布陣は4-2-3-1。坂本一彩をトップに、トップ下に山田康太。左右にSHに、山下と食野が開き、ボランチは美藤とダワン。DFは、右SB半田、左SBに黒川。CBは福岡と、グランパスから移籍した中谷。GKは一森。対するグランパスはいつもの3-4-1-2。永井と森島の2トップに、和泉がトップ下。椎橋と稲垣のダブルボランチに、WBは右に菊地、左に徳元。CBは、内田と野上に、出場停止の三國に代わってハチャンレが中央に入る。GKはランゲラック。ルヴァン杯決勝を見据えてか、前線は3連勝中の3人を置いてきた。
序盤、グランパスが攻勢。だがガンバも負けずに攻め返す。そして5分、右WB菊地のCKにCBハチャンレがヘディングシュート。グランパスが幸先よく先制点を挙げた。11分には、左SH食野から左FW永井がボールを奪い、そのままドリブルから縦パスに右FW森島が走り込む。中へのパスを右WB菊地が縦に入れると、そこに走り込んだのはCH椎橋。右WB菊地がシュート。流れるようなパスワークでガンバゴールまで迫った。さらに16分、には左WB徳元の縦パスを左FW永井がフリック。OH和泉が右に流して、CH稲垣がシュート。GK一森のセーブを今度は左FW永井がシュート。しかしポスト左に外した。
この一連の動きの始まりで、右サイドを持ち上がった右CB中谷のパスを左CB野上がストップした際に足首を捻ってしまう。その後も足を引き摺りながらプレーを続けた野上だが、21分、右SH山下の縦パスにCH美藤が走り込むと、対応した野上が身体を当てられ倒れてしまう。フリーとなった美藤のクロスがファーに流れたところを左SB黒川がシュート。DFがブロックしたが、こぼれ球をCF坂本が押し込んでゴール。ガンバが同点に追い付いた。
25分、野上を下げて、左CB吉田を投入。もっと早く野上を交代させるべきだったと思うが、ベンチにいたDFは吉田のみ。吉田といえば6月末のセレッソ戦で途中交代からわずか8分で再度交代させられた。その時の無気力なプレーを思うと、野上の交代を逡巡したのはわからないではない。
その後もガンバの攻勢が続く。27分、右SB半田がミドルシュート。そして28分、CF坂本がPA手前から思い切ったミドルシュート。これがCH椎橋の足に当たって、大きく弧を描いてゴールに吸い込まれていく。ガンバが逆転した。
その後も積極的に攻めるガンバ。37分には、CH椎橋からOH山田がボールを奪うと、CF坂本が切り返してシュート。CBハチャンレがブロックする。グランパスも前半終了間際になってようやく反撃体制。40分、左WB徳元のFKからクリアをCH稲垣がボレーシュート。はね返りをCH稲垣が前に送ると、GKセーブのこぼれ球をCBハチャンレがシュート。しかしGK一森がブロック。さらにはね返りをFW永井がシュート。しかしこれもGK一森がブロックする。44分には、左SH食野がカットインからミドルシュート。グランパスも45+2分、左WB徳元がミドルシュートを放つが、GK一森がナイスセーブ。前半はここまで。ガンバが1点リードして前半を折り返した。
後半立ち上がり、グランパスは和泉に代えて、FW山岸を投入。森島がトップ下に下がる。7分には左WB徳元の縦パスに走り込んだFW永井のクロスを右FW山岸がヘディングシュート。しかしGK一森がナイスセーブで弾き出す。そして11分、左WB徳元のCKを左FW永井がニアでフリックすると、DFがしっかりクリアできずこぼれ球がCB吉田の元へ。これをしっかり決めて、グランパスが同点に追い付いた。吉田はここまで無難なプレー。そしてJリーグ初ゴール。これでようやく4カ月前の悪夢を振り切ることができただろうか。
その後はお互い攻め合う展開が続く。15分、右SB半田のフィードからOH山田の縦パスにCF坂本が走り込み、右WB菊地が対応するが、こぼれ球が右SH山下の元へ。山下のシュートは右CB吉田がブロックしたが、こぼれ球を再び山下がシュート。左ポストに当たる。その直後、ガンバは、食野と美藤に代えて、OH宇佐美とCH鈴木徳真を投入。坂本が左SHに回り、山田康太がCFに上がる。
その後もグランパスは前から積極的にプレスをかける。18分、左WB徳元のクロスを右WB菊地がシュート。さらに19分、右WB菊地のクロスをCH椎橋がフリック。FW山岸の落としを左WB徳元がシュートするが、枠は捉えられない。24分、グランパスは永井を右FWユンカーに交代する。25分、ガンバはCB福岡のフィードから左SH坂本がドリブル。GKランゲラックが詰めると、右にパスを入れるが、DFがクリア。さらに28分、左SH坂本のスルーパスにOH宇佐美が抜け出し、シュート。GKランゲラックがセーブする。
ガンバは宇佐美が中間ポジションを取ってフリーとなり、何度もチャンスを演出する。さらに29分には、山田に代えて、左SHに福田を投入。坂本をCFに戻す。後半の終盤となっていよいよ攻撃力が高まるガンバ。31分には、左SH福田がカットインからミドルシュート。そして33分、OH宇佐美の絶妙なスルーパスに左SH福田が抜け出してシュート。ついにガンバが勝ち越し点を挙げた。
グランパスは34分、森島を下げて、OH倍井を投入。だが、あまり機能しない。一方、ガンバは43分、山下とダワンを下げて、右SH岸本とCH倉田を投入する。45分、OH宇佐美のヒールパスからCF坂本がシュート。これはGKランゲラックがセーブする。グランパスも45+4分、右WB菊地のCKのクリアから右CB内田がミドルシュートを放つが、枠は捉えられない。そしてタイムアップ。2-3。ガンバが選手層の厚さを見せて逆転勝利。週末の天皇杯に弾みをつけた。
一方のグランパスはこれでリーグ戦3連敗。それでも永井、森島、和泉で組んだ前半の内容はけっして悪くなかった。永井がユンカーに代わって攻撃の勢いが落ちたが、ガンバが宇佐美を投入して、攻撃力が高まったからかもしれない。いずれにせよルヴァン杯はこの布陣、このメンバーでいくしかない。懸念はDF陣。三國は復帰しても、野上や河面のケガがどうなるか。吉田は本当に信頼していいのか。できれば万全の態勢でルヴァン杯決勝に臨みたい。ランゲラックのためにも絶対優勝を獲ってほしい。