とんま天狗は雲の上

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U-22五輪予選初戦はこれまでで最高の出来 マレーシアに2-0で勝利

 これまで圧倒的な攻撃陣に比べ、CBやボランチ陣の守備の不安を指摘されることが多かったU-22代表。だが、五輪予選初戦のマレーシア戦はこれまでにないアグレッシブで安定感のある守備を見せ、2-0と圧勝した。欲を言えば得点がもっと欲しかったが、マレーシアも自陣にしっかりと守備の布陣を作ってゴール前を固めてきたので、これは致し方ない。だが、攻撃も原口を代表に、左SB酒井高徳ボランチの扇原らがいい動きを見せ、マレーシアを圧倒。見て気持ちのいいゲームだった。
 序盤2分、扇原から酒井高徳が原口とのワンツーで左サイドを駆け上がり、クロスを大迫がつないで清武がシュート。7分にもボランチ山村のフィードを清武が落とし、東のクロスに大迫がヘディングシュート。そして10分、扇原の縦パスを東が受けて清武のドリブルの間に右に開いて、絶妙のパスを東がシュート。幸先よく日本が先制点を挙げた。
 その後も日本ペース。12分、CB鈴木の大きなサイドチェンジを原口が受けて、最後は東がシュート。だが、この日のGKカイルル・ファーミが当たっている。ナイスセーブで弾き返すと、16分には東のクロスに合わせた濱田のヘディングシュートをジャンプ一番、スーパーセーブ。
 日本は鈴木、濱田のCBの出足も早く、マレーシアに攻撃のチャンスを与えない。24分、原口のミドルシュートをGKファーミが弾いたところに大迫が詰めるが、間一髪届かない。29分、酒井高徳から扇原がミドルシュート。このゲームの扇原は守備はもちろん、攻撃の起点として長いパスを通し、よく機能していた。33分、原口が酒井高徳とのワンツーで抜け出しシュート。34分、酒井高徳のクロスに大迫と東が飛び込むが、GKファーミが間一髪クリア。
 このゲーム、初めて左サイドで先発出場の酒井高徳が積極的な上がりから再三速く正確なクロスを放り込む。その後も日本はまるでバルセロナのように細かいパスをよくつないで攻め込むが、マレーシアのゴール前に人数をかける守備にどうしてもゴールをこじ開けることができない。ロスタイムには東から大迫が外で受けてのワンツーで東が抜け出しクロス。走り込んだ扇原がスルーした先に清武がシュート。しかしまたもGKファーミがナイスセーブ。前半は1点で終わった。
 後半に入ると日本の動きが落ち、足元でのパスが多くなってなかなか縦にパスが出せなくなってくる。8分にはマレーシアのボランチ、アブドゥル・シュクルのミドルシュートを浴びる。これがマレーシアの初シュート。しかし直後の9分、原口のサイドチェンジから東が切り返してシュートを放つと、さらにその直後に原口のスルーパスを受けて大迫がシュート。
 日本は14分、大迫に代えて永井を投入。すると16分、清武から原口、永井、清武とつないで最後は永井。だがGKが抑える。逆にその直後、高徳の左サイドを突破され、マレーシアが日本のゴール前に攻め込んでくる。マレーシアもさすがに日本のペースに慣れてきた。前半44分から右SHに投入したワン・ザヘルル・ニザムが右サイドでいい動きを見せる。日本は23分、東に代えて山崎を投入。24分酒井高徳、29分清武とミドルシュートを放つが、枠の外。
 待望の追加点は後半31分。清武から右サイドに張る永井への絶妙なパスが通って、折り返しに山崎が走り込みシュート。ゴール。さらに35分、永井のクロスをGKファーミがクリアすると、山崎が拾ってクロス。清武がシュートするが、またもマレーシアDFの必死な守備に会い、ブロックされる。
 その後、清武が左股裏を押さえて運動量が落ちる。ハムストリングでないといいのだけど。試合後のインタビューでは痙攣と言っていた。ロスタイムにも山崎のクロスに永井がヘッドで合わせたが、GKファーミにセーブされた。
 結果的には2-0。もっと得点が入ってもおかしくなかったのが、内容的にはこれまでで最高の出来と言える。敢えて注文を出せば、原口に代えてパサーである山田直輝を活用すれば、永井の使い方ももっと洗練されたものになっていただろう。だが得点は運もあるので、仕方がない。次戦は11月。その頃には体調やケガなどにより、またメンバー変更があるかもしれない。だが誰が入ってもこのゲームでのパスワークを見せてもらえればよもや予選を落とすことはないと思う。ガンバレ日本。