なでしこリーグが始まった。レオネッサは今シーズン、ゴーベル・ヤネズ、チ・ソヨン、近賀、川澄が移籍。高瀬をワントップに、両ウィングに田中陽子と京川を置いてきた。CHは澤を中心に南山と中島。そして近賀が移籍した右SBには高卒ルーキーの野口が先発した。一方、対するレッズレディースはCHに猶本と藤田。右SH柴田、左SH加藤とヤングなでしこでおなじみの選手に後藤と吉良がFWで並ぶ。
序盤からアウェイのレッズレディースが積極的に攻めていく。8分、CH猶本のキープから右SH柴田のクロスのクリアをCH藤田がミドルシュート。レオネッサも12分、右WG田中がシュートを放つが単発。レッズのプレスが速く、レオネッサはなかなか攻撃の形が作れない。
レッズは左SBに新加入した臼井が積極的。レオネッサの新加入、右SB野口と再三のマッチアップ。そして左サイドから攻めていく。13分、左SH加藤がドリブルで仕掛けて、スルーパスにFW吉良がシュート。16分、CH藤田のスルーパスに抜け出した左SB臼井のクロスにFW後藤がヘディングシュート。19分には高卒ルーキーCB乗本のフィードに左SB臼井が抜け出し、ドリブルからシュートを放つ。
レオネッサは25分、左WG京川がようやくサイドで起点を作り、落としをCF高瀬が仕掛けてシュートを放つが、GK池田がセーブする。26分にはCH中島のミドルシュートがDFに当たって左WG京川の前にこぼれるが、GK池田の方が先に抑える。
全体的にレッズの方が出足も速く、こぼれ球をことごとくレッズが拾っていく。レオネッサは29分、CH南山が膝を痛め、右WG増矢に交代。田中がCHに下がる。39分、左SB臼井のCKは直接バーを叩く。アディショナルタイムには左SB臼井のクロスにFW吉良がシュート。決定的なチャンスだったが、枠を外してしまった。前半はレッズが圧倒的に押し込んだが、結局スコアレスで終わった。
後半に入るとさすがにレオネッサの動きもよくなって、お互い積極的な攻め合いの展開が続く。レオネッサがパスだけでなく積極的にドリブルで仕掛け、パスも繋がり出す。だがレッズのプレスも相変わらず速い。
8分、レオネッサの左SB渡辺のCKに左WG京川がミドルシュート。レッズも9分、CH猶本のドリブルからクロスにFW後藤がヘディングシュート。GK海堀がセーブ。さらに10分、CH田中にCH猶本がプレスをかけてボールを奪い、FW後藤のキープからFW吉良が左に展開、左SH加藤のクロスに走り込んだ右SH柴田がスルーパス。FW吉良がシュートを放つが惜しくもオフサイド。そして13分、レッズからのロングボールを処理しようとするCB甲斐にFW後藤がプレスをかけて奪うと、横パスを左SH加藤がシュート。ついにレッズレディースが先制点を挙げた。
必死で反撃するレオネッサ。17分、左WG京川のクロスに右WG増矢がシュート。CB高畑がブロック。こぼれ球をCF高瀬がシュート。21分、CH中島のFKにCH澤がヘディングシュート。そして22分、右WG増矢がライン際でキープすると中へのパスにCF高瀬が走り込み、マークでついたCB高畑を振り切ってループ気味のシュート。これがGK池田の頭を超えゴールに飛び込んだ。レオネッサが高瀬の個人能力で同点に追い付いた。
さすがに気落ちが感じられるレッズレディース。その後、やや押し込まれる展開が続いたが28分、中盤左サイドで集団でプレスをかけてボールを奪うと、左SH加藤からのパスを受けたCH猶本がミドルシュート。これが見事に決まり、またもレッズが勝ち越した。29分には左SH加藤のクロスをFW吉良が落とし、右SH柴田がシュート。
追いかけるレオネッサは31分、CH田中に代えて仲田を投入する。32分、右SB野口のフィードにCH仲田が走り込み、収めてのスルーパスにCF高瀬がシュート。GK池田がナイスセーブを見せる。しかし直後には右WG増矢がドリブルからミドルシュート。レオネッサが猛攻を仕掛ける。必死で耐えるレッズレディース。42分、右WG増矢からCF高瀬が落とし、右CH仲田がミドルシュート。ここはGK池田がキャッチ。
そして43分、CF高瀬が左サイドをドリブルで突破すると、クロスにCH仲田がミドルシュート。これが決まり、またもレオネッサが同点に追い付く。レオネッサはレッズのプレスの前に連携した攻撃はできないものの、高瀬の個人能力で2点をもぎ取った。
45分、FW清家を投入し、最後の反撃を仕掛けるレッズ。そしてアディショナルタイム。その清家がドリブルでボールを前に運び、思い切りよくミドルシュート。DFに当たり得たCKをCH藤田が蹴ると、DFのクリアボールをCH猶本がボレーシュート。これがきれいに決まり、何と三たびレッズが勝ち越した。そしてタイムアップ。レッズレディースの初戦はレオネッサ相手に劇的な勝利。GK池田が涙を流して喜んだ。
まだ始まったばかりだが、今年はなでしこリーグが面白そうだ。昨シーズンまでケガがちだった猶本が先発、補強も加えてレッズの実力は確実に上がった。一方、レオネッサは昨シーズンまでのレギュラー陣の移籍により、田中や京川、仲田といった若い選手が先発で出場。ヤングなでしこのメンバーが戦うリーグは昨年以上に面白いゲームが多く見られそうだ。
