とんま天狗は雲の上

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皇后杯決勝 日テレ・ベレーザ対ノジマステラ神奈川相模原

 今季もなでしこリーグを制し、3連覇を達成したベレーザ。対してノジマステラはリーグ8位。勢いがあるとはいうものの、勝負は始めからわかっていた。ノジマステラがどれだけ健闘するか。中でもかつてヤングなでしことして田中美南らと共に活躍した田中陽子のプレーぶりを楽しみに観戦した。初めて天皇杯決勝の舞台に立ったノジマステラはこのゲームを最後に4人の選手が引退する。そのうち右IH尾山とCB長澤が先発した。布陣は4-1-4-1。田中陽子は左IH、代表の高木ひかるがアンカーに入った。一方のベレーザは植木に代わってトップ下に上辻が入った他は準決勝と同じ先発陣。

 序盤からベレーザが押し込んでいく。ノジマステラも負けずに高いDFライン。ところが6分、CB岩清水の縦パスをCF田中美南がトラップでDFをかわし、抜け出すと、GK田尻の上を抜くループシュートベレーザが先制点を挙げた。ノジマステラも直後の7分、左SH川島のクロスに右SH石田が走り込むが、GK山下がセーブする。逆に7分にはCH阪口のフィードをOH上辻が受けたシュート。これはGK田尻がキャッチするが、DFラインが高い割に中盤でのプレスが嵌らず、簡単に裏を取られてしまう。

 攻め込まれてラインが下がるノジマステラは、アンカーの高木はもちろん、両SHまで下がって実質7バックといった感じ。それでも無理にラインを上げたところを24分、またもCB岩清水のフィードに今度はCH阪口が抜け出して、ループシュート。追加点を挙げた。ノジマステラも何とか反撃しようとするが、チャンスはつかめず。前半は1本のシュートも打てないまま、2-0で折り返した。

 後半頭にノジマステラは右SH石田に代えて左SHミッシェル・パオを投入。川島を右SHに回す。ベレーザもOH上辻に代えて籾木を投入した。後半はノジマステラが積極的に攻めていく。14分、左IH田中陽子のCKにCB國武がヘディングシュート。しかしポストの左。ベレーザは16分、右SH隅田に代えてFW植木を投入。籾木を右SDHに回し、4-4-2。植木のスピードを生かしてノジマステラのDFの裏を狙っていく。

 21分、ノジマステラ田中陽子のCKから右SB吉見がボレーシュート。ポストにはね返された。22分には左IH田中陽子の縦パスに走り込んだCF南野のクロスにCH高木がシュート。しかしGK山下が身体を張った。ゴールが遠いノジマステラ。24分には、左SB平野の縦パスに右IH尾山が走り込み、クロスを左SHミッシェル・パオが落として、CF南野がシュート。しかし大きく枠を超える。28分には左SB平野を小林に交代した。

 すると29分、左SHミッシェル・パオの横パスをCH中里がカットして、ダイレクト・スルーパス。これにFW田中美南が抜け出してシュート。ベレーザが3点目を挙げた。しかし何とか1点をもぎ取ろうと必死で走り回るノジマステラ。38分、左SB小林のクロスを右SH川島が落とすと、左IH田中陽子ミドルシュート。GK山下がナイスセーブで弾き出す。40分にも左SB小林がミドルシュートアディショナルタイム47分には田中陽子のCKのこぼれを右SB吉見がミドルシュート。しかしDFにブロックされた。結局、最後までゴールならず。3-0。ベレーザが快勝し、3年ぶりの皇后杯優勝を飾った。

 やはり強いベレーザ。個人技もピッチを見渡す視野も、組織的な守備も、すべてが上回っていた。一方のノジマステラは前半の出来が悪過ぎた。後半になってようやく緊張も取れたか、積極的に攻めていったが、ゴールはならなかった。それでも初めての皇后杯決勝進出はチームの成長に大きな糧となる。ベレーザが優勝の皇后杯を高く掲げて歓ぶ横で、ノジマステラの選手たちがうれしうそうに記念写真。この結果はかならず来季につながる。チーム創設6年目での皇后杯準優勝は十分誇っていい結果だ。