とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

皇后杯決勝 日テレ・ベレーザ対INAC神戸レオネッサ

 元旦と言えば天皇杯だが、今年は違う。皇后杯決勝が元旦に開催された。そして元旦にふさわしい熱戦。ベレーザは準決勝から二人代えて、左SH植木とCH三浦が先発した他は前戦と同じ先発陣。対するレオネッサは京川と岩渕の2トップ。右SHに増矢、左SH仲田。ボランチは中島と杉田で組んで、GKは武仲。そして何と右SBに高瀬、鮫島は代表と同様、三宅と組んでCBを務める。左SBは若い牛島。レオネッサのゲームを観るのは今季初めてだ。

 今季はなでしこリーグ、リーグ杯、ともにベレーザの後塵を拝して2位のレオネッサ。序盤から積極的に前からプレスをかけていく。6分、FW岩渕から右に展開。右SB高瀬のクロスに右SH増矢がシュート。GK山下がナイスセーブ。8分にも右SB高瀬のクロスにCH中島がヘディングシュートを放っていく。序盤、押し込まれたベレーザだったが、次第に慣れてきたか、ペースを掴んでいく。24分、左SB有吉のパスから右IHがスルーパス。CF田中がスルーして左SH植木がシュート。しかしGK武仲がセーブ。27分にもCB鮫島のパスをカットした右SH宮澤がドリブルから左に流し、左SH植木がシュート。これはCB三宅がブロックした。

 しかし、その後はすっかりベレーザのペース。36分、左IH長谷川がミドルシュートを放つ。それでも前半終了間際、レオネッサがカウンター。41分、左SH仲田の見事なクロスにFW岩渕がダイビングヘッド。わずかにポスト右に外れた。そして42分、CB三宅の長い縦パスを受けた右SH増矢がドリブル。中へのパスをFW岩渕がスルーパスすると、増矢がそのまま抜け出してシュート。レオネッサが先制点を挙げた。前半は1-0、レオネッサのリードで折り返す。これで断然ゲームが面白くなった。

 後半はリードされたベレーザが攻めていく。7分、CF田中南美がミドルシュート。そして9分、CB土光のフィードをCF田中がポストで受けて、落としを右IH籾木が左に展開。左SH植木がドリブルからクロスを入れると、DFに当たって逸れたボールにGK武仲が反応するも取れない。ベレーザが後半早い時間に同点に追い付いた。レオネッサもすぐに反撃する。15分、左SH植木のバックパスをカットしたFW岩渕がシュートを放つと、16分にもFW岩渕がドリブルからミドルシュート

 すると17分、ベレーザは左SB有吉を下げて宮川を投入。左サイドからの攻撃を強める。その後は互角の展開。23分、CH中島のクロスにFW岩渕がシュートをするが、CB岩清水がナイスブロック。26分、FW岩渕のミドルシュートもGK山下がセーブした。するとその直後、このゲーム再三マッチアップをしてきた左SH植木が右SB高瀬を抜いて切れ込む。左SB宮川が内側を上がって、ゴール前に走り込んだCF田中にクロス。しかしDFがクリアしたこぼれ球を右IH籾木がミドルシュート。これが決まり、ベレーザが逆転した。

 するとベレーザに勢いが出る。29分にも右IH籾木がミドルシュート。31分には右SB清水のフィードにCF田中が走り込みシュートを放つ。しかしリードしてもさらに攻め込むベレーザに対して、レオネッサがカウンター。32分、CH杉田の縦パスに走り込んだ左SH仲田がクロス。FW京川がシュートを決めて、レオネッサが再び同点に追い付いた。さらに攻めるレオネッサ。34分にはCH中島の縦パスを走り込んだCH杉田が戻して、FW京川のクロスに右SB高瀬がシュート。これはGK山下がキャッチ。ベレーザも36分、CH三浦の縦パスに走り込んだ左SH植木のクロスを右SH宮澤がヘディングシュート。しかしポスト右に外れる。

 37分には右SH宮澤がミドルシュートベレーザが攻めて、レオネッサがカウンターを狙う展開が続く。39分、CH中島の縦パスをFW岩渕が胸トラップからシュート。GK山下がナイスセーブする。その後、40分過ぎからの攻防が凄かった。レオネッサが攻めるが、ベレーザが守り切る。結局、2-2のままゲームは延長戦にもつれ込んだ。

 延長前半頭にベレーザは左SH植木を小林に交代。1分、左IH長谷川から右に流して、右IH籾木のクロスを左SH小林がシュート。しかしこれは右SB高瀬がブロックする。2分にも右SH宮澤がミドルシュート。GK武仲がファインセーブで弾き出す。続く2本目のCKを右IH籾木が蹴ると、GK武仲がパンチング。CB岩清水が戻して、CH三浦がクロス。CF田中が肩でのトラップでフリックすると、右IH籾木がシュート。再びベレーザが勝ち越した。延長前半10分、レオネッサは左SH仲田を下げて伊藤を投入。ベレーザは11分にも左SH小林が切り返しからミドルシュート。そして14分、右SB士事務のフィードにCF田中が抜け出してシュート。ベレーザ、ダメ押しの4点目を挙げた。

 レオネッサは延長前半の終了間際、右SH増矢に代えてFW道上を投入。岩渕を右サイドに回し、前戦は道上と京川の1トップ。籾木が右SH、中島が左SHに回り、伊藤をボランチに下げた。しかしベレーザの勢いは止まらない。4分、CF田中から右に展開。右SH宮澤が中へのドリブルから落としを右IH籾木がミドルシュート5分、左IH長谷川のフィードに走り込んだ右SH宮澤がクロス。左SH小林がシュート。だがわずかにポストの右。6分にも右SH宮澤がミドルシュートを放つ。その後、ベレーザは9分隅田、15分には久しぶりにケガから癒えた阪口夢穂を投入。レオネッサは15分、左SH中島がミドルシュートを放つが、バーの上。そしてタイムアップ。終わってみれば、4-1。ベレーザが勝利し、皇后杯優勝。そして今季3冠を達成した。

 それにしてもいいゲームだった。ベレーザが逆転した時はこれで決まりかと思ったが、その後でレオネッサが反撃。左SH仲田のクロスが正確。そしてFW京川も落ち着いていた。高校時代からの同期の二人の活躍で同点に追い付いたが、最後は地力に勝るベレーザが突き放した。京川らの世代も巧いと思ったが、長谷川や籾木らの世代はさらに巧い。そしてこのゲームでも植木や三浦、宮川らU-20世代が活躍した。今年はいよいよW杯イヤー。この調子で4年前の雪辱を果たし、8年振り2回目のW杯優勝を狙ってほしい。今年は女子サッカーが熱い。