またこの大会がやってきた。アルガルベ杯。この大会が始まると、いよいよ女子サッカーも新しいシーズンが始まるという気がする。もっともそれは日本の話で、ヨーロッパ的にはシーズン途中。そのコンディションの差が出たかな。日本の初戦、オランダ戦はそんな感じのゲームだった。
日本は熊谷や宇津木らをベンチに置いて、市瀬と三宅の若いCBコンビ。逆にSBはベテラン。右SB有吉、左SB鮫島。中盤は右SH中島の他はベレーザのメンバー。FWには田中南美と櫨。対するオランダも若手を多く起用している。4-3-3のCFにはベーレンスタインを置いて、左FWマルテンス、右FWファンデサンデン。中盤はスピツェをアンカーに左IHフルーネン、右IHロールト。DFは右からファンエス、ファンデルフラクト、ドミニク・ヤンセン、ヴォルムと並ぶ。
序盤、オランダが積極的に攻めてきた。そして4分、CBファンデルフラクトのフィードにCFベーレンスタインが走り込むと、CB市瀬の対応がまずく、ボールを奪われ、戻しを左FWマルテンスがシュート。オランダに先制点を奪われた。右SB有吉の寄せも甘い。日本の守備陣は全体にまだ目覚めていない印象だ。そして8分、今度は左FWマルテンスのスルーパスにCFベーレンスタインが走り込み、追加点のシュートを決められる。CB市瀬が付いていけない。もちろんベーレンスタインが速いこともあるが、市瀬がゲームに入り切れていない。11分には左FWマルテンスのドリブルに右SB有吉がかわされてシュートを打たれた。さらに17分、左FWマルテンスの縦パスにCFベーレンスタインが走り込み、戻しのパスから左FWマルテンスが中へパス。左IHフルーネンがミドルシュートを放つ。大きく速い展開に日本の守備陣が翻弄される。
それでも攻撃陣は左SH長谷川が何とか奮闘する。19分、左SH長谷川が狭いDFに間を通すスルーパスにFW田中南美が走り込んでミドルシュート。しかしポストの右に外す。ようやく日本が攻める形が見えてきた。21分にはCH阪口の縦パスに右SH中島が走り込むが、GKファンフェーネンダールがセーブする。逆に26分、左FWマルテンスが強烈なミドルシュート。GK池田がファインセーブで弾き出す。28分には左SB鮫島も負けじとミドルシュートを放つ。
そして31分、CHスピツェのCKのクリアを左SBヴォルムがミドルシュートを放つと、DFに当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。オランダ3点目。さらに35分、GK池田のフィードを右FWファンデサンデンにカットされてシュート。自らのミスで4点目を献上する。日本もようやく38分、左SH長谷川がCH隅田とのパス交換から縦パス。いったんはDFにストップされるが、取り返してのスルーパスに右SH中島が走り込んで、狙い定めたミドルシュート。これが決まり、ようやく日本が1点を返す。
しかし攻めの姿勢が変わらないオランダ。40分、スローインに右FWファンデサンデンが抜け出すと、クロスに左IHフルーネンがミドルシュート。これはふかしてしまうが、44分、CFベーレンスタインのミドルシュートをGK池田がファインセーブ。続くCKをCBファンデルフラクトが高いヘディングシュート。何とオランダが前半だけで5点目を入れた。5-1。信じられないスコアで前半を折り返した。
日本は後半頭に、FW櫨に代えて横山。右SB有吉に代えて清水。CB三宅に代えて高木を投入する。後半1分、FW田中南美がミドルシュート。しかし7分、右FWファンデサンデンのクロスをブロックした右SB清水のクリアが左IHフルーネンに渡りミドルシュート。いったんは右SB清水がブロックしたが、こぼれ球を左FWマルテンスに決められて、ついにオランダに6点目を奪われてしまう。
しかしそこからようやく日本が攻め始める。10分、FW横山のスルーパスにCH隅田が走り込み、クロスに右SH中島がミドルシュート。しかしバーの上。12分、右SH中島のスルーパスにFW田中が走り込むが、GKファンフェーネンダールがセーブする。14分、CH隅田がミドルシュート。16分には左SH長谷川のヒールパスに左SB鮫島が走り込み、クロスにFW田中南美がシュート。しかしGKファンフェーネンダールがセーブする。攻めるもオランダのゴール前は堅い。日本は26分、FW田中に代えて岩渕。右SH中島に代えて増矢を投入する。オランダも20分、右SBファンルンテレン。29分にはCBファンデルフラクトに代えてケルクダイク、左IHフルーネンに代えてゼーマン。右FWファンデサンデンに代えてデフラーフ。左FWマルテンスに代えて右IHにE.ヤンセンを入れて、ベーレンスタインを左FW、ロールトをCFに上げる。布陣は変わらず4-3-3。
そして37分、FW岩渕が気持ちをこめたドリブル突破でDFの間を切り裂き、シュート。日本がようやく追加点を挙げた。42分には左SH長谷川の縦パスにFW横山が走り込み、切り返しからミドルシュート。さらに45分、FW横山のFKのクリアを右SB清水がミドルシュート。続くCKからFW横山がミドルシュートを放つが、ブロックされた。そしてタイムアップ。日本なでしこ今季初戦は2-6。大敗の幕開けとなった。
序盤、まだゲームに入り切れないうちに2失点。そしてCKから2失点。GKのミスで1失点と前半だけで5失点。攻撃はオランダの守備をなかなか崩しきれず、それでも2ゴールは良しとしなければいけない。中でも左SH長谷川がよかった。守備は熊谷が入れば少しは落ち着くだろうか。これからまだ3試合残っている。何とかいい場面を作って、W杯予選でもあるアジア大会にいい形でつなげていきたい。次のアイスランド戦には勝利を期待しよう。
