とんま天狗は雲の上

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恐い!血液にウィルス

 2週間ほど前、鍼灸院に行ったところ、先生が心なしか泣いていた。話を聞くと、毎週治療に訪れるお得意様のおじいさんから週初めに「体調を崩したので予約をキャンセルしたい」と電話があり、病院での診療を勧めたが、その後の経過を聞くと「もうダメかもしれない」と泣いている。
 毎夜40度を超える高熱が続き、病院の診断は「血液にウィルスが入ったのではないか」というもの。白血球値も落ちており、即入院を勧められたが、断って自宅で静養しているものの、一向に熱が下がる気配がないと、つれあいのおばあさんも疲れた様子とのこと。
 先生によれば、ウィルスに効く薬は抗インフルエンザのタミフルリレンザ位で、血液のウィルスを殺す薬はない。若ければ、白血球が戦って健康を取り戻すこともあるが、高齢者にとっては致命傷で、安静して点滴で栄養補給するしか治療方法はない。さらに症状が進行すると敗血症になり、血液が機能不全に陥って、あとは輸血をする位しか治療方法もなく、それも時間の問題で、早晩、体力が保たずに亡くなるのだという。
 数年前に脳梗塞を患い、退院後はこの鍼灸院に通院して健康を保っていたそうだが、先々週までは元気に通院していたとのこと。福祉系大学の名誉教授まで務めた方だそうで、「医療の現状がわかっているからこそ、入院を延期したのか。バカなことを。」を嘆息する。
 高齢者の病は早くて怖いとは思っていたが、まさかそんなに突然病が襲ってくるものかと唖然とした。気をつけてどうなるものでもないが、過信は禁物。人の命ははかない、と改めて思う。