とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

若さがはじける! 新たな可能性を見せる!

 キリンカップ・チリ戦。点差ほどの差はなかったと思うが、本田、岡崎、山田と若い力が爆発し、これまでにない新たな可能性を感じさせる一戦だった。
 序盤、チリのパスがうまくつながり、サイドからいいクロスが上がったが、シュートの精度が低く、ことなきを得る。日本も遠藤のFKを本田がヘッドでゴールを狙い、オランダ2部リーグMVPは伊達じゃないところを見せつける。
 とにかくこのゲーム、本田の積極的な姿勢が目立った。10分には玉田のシュートにゴール前に詰める。そして20分、ミドルレンジからの本田の無回転シュートはスライドしてキーパーがかろうじて跳ね返したところを岡崎が決めた。先制ゴール。
 さらに24分には、長谷部からなぜか前線に残っていた中澤のスルーパスに岡崎が反応してうまく抜け出し2点目をゲット。メキシコもボディ・コンタクトの強さと何本もつながるショートパスから再三決定機を迎えるが、最後の精度がない。高さがないのが日本に取っては助かった。
 後半に入って山田が躍動する。6分右サイドからのクロスを中村憲剛がスルーして山田がシュート。そこから得たCKを阿部がニアに飛び込んで3点目と突き放す。久し振りに見る阿部の18番ヘッドだ。
 この日の中村憲剛はトップ下に入り、よくパスを回して縁の下の力持ちを演じたが、肝心の決定機では思い切りが見られず残念。17分、楢崎からのロングフィードに飛び出すも外してしまう。
 29分、矢野から憲剛を経て本田が飛び込むがうまく渡らず。34分は山田から本田とつながるがそこまで。しかし後半ロスタイムに矢野のポストから左サイドに渡り、そのクロスを再び矢野が競ったこぼれを拾った山田がうまくキックフェイントを入れて本田に流し、4点目。本田の代表初ゴールを演出する。
 山田の献身的な動きとタメをつくるうまさは、ドリブルが武器の玉田や香川よりも周りを生かして第2第3のプレーを呼び込み、プレーの可能性を広げる。本田の動きは中村俊輔にない前への圧力と積極性が魅力。もちろん彼らを生かし支える遠藤や長谷部の働きがあってこそだが、今までにない可能性を感じさせた。また守備陣も、ペルーに高さがなかったとは言え、中澤・阿部ともによく守りかつ積極的に攻めた。今野の積極性も目を惹いた。駒野は自重していたのかもしれないが、内田だったら何点取られていただろうかと思うと、それでよかったかも。
 キリンカップはW杯アジア予選の練習試合という位置付けだが、新しい力を試し、かつ結果が伴ったということで、とてもいいテストになった。次のベルギー戦は調整が重点となりこれまでのメンバーが中心になるのかもしれないが、この2試合をうまく生かして、W杯本番を見据えたチーム作りと準備を進めてほしい。