とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

本田の代わりはやはり憲剛か。酒井高徳のケガが心配。ヨルダン戦へ徐々にエンジンスタート。

 W杯出場を世界最速で決めるはずの26日ヨルダン戦に向けて、日本代表のカタール合宿も次第に調子を上げてきているようだ。強化試合のカナダ戦は若手主体のカナダが積極的に攻めてきたお陰で、色々と課題も見え、また集中力も高まる、いい練習試合になった。
 本田と長友がケガで召集されなかったヨルダン戦。長友の代わりにはシュツットガルトでレギュラーを張る酒井高徳。本田の代わりのトップ下には前半は香川を起用してきた。だが序盤、日本の連携が悪い。特に守備の部分で誰がプレスに行くのか意思統一ができておらず、中途半端なプレスの隙をカナダが積極的に攻めてくる。
 カナダはCFに背の高いヘイバーを置き、ハッチンソン、ボニスーが速い攻撃を仕掛ける。それでも9分、押し込まれた中で長谷部がボールを奪うと、そのままドリブルで前進。スルーパスに香川が走り込んでシュートを放つ。飛び出したGKボージャンに弾き返されると、こぼれ球を岡崎が拾ってループシュート。きれいな形で日本が先制点を上げた。
 10分には岡崎のクロスに前田が走り込みシュート。13分、パスミスを拾った岡崎から香川が左に展開。乾のクロスに前田がシュート。10分過ぎ位からようやく日本の連携が取れてきて、カナダを圧倒し始める。24分、遠藤のFKは壁の上から落ちてポストにはね返された。残念。ゴールならず。
 その後も乾がドリブルからミドルシュート。前田のクロスに香川が走り込みシュートといい場面は作るもののゴールはならず。香川がトップ下の時には、乾、岡崎ともサイドに開くので、遠藤や長谷部にもっと上がってほしい。内田が攻撃参加する場面も見られたが、やや物足りない内容で前半を終えた。
 後半に入ると、中村憲剛をトップ下に起用。香川を左SHに移し、乾を右SHに。右SBには内田に代えて駒野。また前田に代えてマイク・ハーフナーを投入し前線に高さを加える。
 すると香川が積極的に中に入り、憲剛と近いポジションでプレーすることでチャンスを多く作り出す。また、ハーフナーがトップに入ることで、直接ハーフナーに当てるボールも多くなる。3分、長谷部からの縦パスを香川が受けてスルーパスにハーフナーが抜け出しシュート。うーん、前田なら決めていたかも。ハーフナーにはもっとシュート技術を高めてほしい。5分には酒井からのクロスをハーフナーが胸トラップからボレーシュート。これもふかしてしまう。7分には乾からのパスを受けて香川が切り返しからシュート。
 ところが13分、カナダのCKからCFヘイバーにヘディングシュートを決められてしまう。同点。伊野波はここまでCBとして今までになく落ち着いたプレーを見せていたが、この場面では背の高いヘイバーに付き切れず、シュートを決められてしまった。落ち着きと大胆さの按配が難しい。16分、伊野波を栗原に代える。やはり守備の安定感では栗原が一枚上か。
 17分にはボニスーにドリブルで振り切られシュートを打たれる。GK川島のスーパープレーで救われたが、この時間帯は選手交代もあってか、ややプレスが緩慢になっていた。18分には乾に代えて大津を投入。しかしこのゲームでは大津の活躍する場面は少なかったかな。20分、香川のスルーパス酒井高徳が抜け出し、GKをかわしてシュートを放つが、角度が深く、サイドネットに吸い込まれた。
 香川が中に入ることで、憲剛がやや下がり目になって、逆に左サイドをSB酒井高徳が高いポジションを取る。すると遠藤や長谷部がDFラインに入る場面も増え、自然とDFラインが下がってしまう。うまくパスが回ると攻撃力は高まるが、プレスをかわされるとラインが深く、逆にピンチになることも多い。本田だともっと高い位置で構えて香川を使うからCHとの絡みもよくなるが、その点が憲剛を起用した時の課題かな。でも攻撃のバリエーションは香川トップ下よりもはるかに変化に富んでいることは間違いない。
 そして29分、香川の落としから長谷部が長いスルーパス酒井高徳が走り込み、クロスにニアに香川が走り込んでのこぼれ球をハーフナーが押し込んだ。日本がきれいな形で勝越し点を入れて、カナダを突き放した。
 その後はハッチンソンのシュート。CKからヘイバーのヘディングシュート。ハッチンソンの突破とシュート。さらに途中交代リケッツのシュートとカナダが攻勢をかけるが、日本もGK川島を中心に落ち着いて守り切る。アディショナルタイムにはCKから憲剛のクロスにハーフナーが詰めたが、うまく合わせられず、そのままタイムアップ。結果的には2-1といい感じで強化試合を終えることができた。
 長友の代役は大勢いて、誰が出てもいいパフォーマンスを披露した。だが、酒井高徳の積極的な攻撃参加もあり、ヨルダン戦は内田と酒井高徳で決まりかな。終盤、酒井高徳が右太股裏の違和感を訴え酒井宏樹に交代したが、ケガが大したことないといいのだけれど。
 またトップ下は憲剛で決まりだろう。香川との絡みもいいし、ダイナミックに選手が動くから、固めた守備を破るにもいいのではないか。ちょっと悩むのはCF。ハーフナーの高さはやはり魅力的。これで岡崎の技術があればいうことないんだけどな。右SHはやはり岡崎かな。
 ヨルダン戦でW杯出場を決めようと選手の集中力も高まっている。厳しいゲームになるだろうが、油断せず、変化ある攻撃でゴールを挙げ、守り切ってほしい。さあいよいよ本番が近付いてきた。