マンUvsアーセナルは結果を先に知っていただけに、恐いもの見たさの気分で見たが、ゲームとしては拮抗したいいゲームと言えるのだろうか。出だしはアーセナルが猛烈なプレスをかけてゲームをコントロールするが、マンUも一歩も引かず、真っ向勝負の厳しい戦いを繰り広げる。
両者ともワントップの布陣ながら、マンUはルーニー、アーセナルはファンペルシーと、どちらかと言えばウィングタイプの機動力のあるCFをトップに置き、マンUはナニとバレンシア、アーセナルはアルシャビンとエブエが両サイドから支える似たようなフォーメーションを組んでいる。バレンシアがイマイチ機能していない分だけ、アーセナルが攻撃面では上回るが、ルーニーの献身的な運動量と早さ・強さがそれを補い互角に戦う。
硬直状態で進んだ前半だったが、40分、マンUの中盤がぽっかり空き、アルシャビンが細かいステップからミドル・シュートを蹴り込むと、見事ゴール左隅に決まった。アーセナルが先制。
後半に入っても、3分、アルシャビンのドリブルからファンペルシーがシュート。フォスターの好セーブに阻まれる。5分にはクリシーのクロスにエブエが合わず。しかしアーセナルが押し気味に進める中、13分、ルーニーがペナルティエリアに飛び込んだところをアルムニアが足を払ってしまい、PKを献上してしまう。確かにファールかもしれないが、届かないボールに身体を投げ出したルーニーのシミュレーションと言えなくもない。全く惜しい失点。
さらに19分の失点はギグスのFKをフリーのディアビが自軍ゴールにヘッドで突き刺したもので、悔やむに悔やみきれないオウンゴール。しかしいったんリードするとマンUの守備は堅い。さらにバレンシアに代えてパクチソン、ギグスに代えてベルバトフを投入したマンUは攻撃にも鋭さと嫌らしさを増してくる。
50分のアーセナルの最後のチャンス、ラムジーのパスをギャラスが落とし、ファンペルシーが決めたシーンはオフサイドの判定ながら、アーセナルらしい見事な連携だった。それにしても、後半35分過ぎても、ロスタイムになっても、前半と変わらぬ運動量と速さを見せるこの選手たちは一体・・・? 後半15分過ぎで電池切れする日本代表とはレベルが違う。
ゲームに勝ちながら、PKとオウンゴールに負けたアーセナル。この差はファンペルシーとルーニーの差、ディアビとギグスの差、ファンメーレンとディヴィッチの差。ようするにマンUが大人のサッカーをしたということか。それにしてもアーセナルにとっては何とも口惜しい敗戦となった。