とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

やはりドイツは強かった 怒涛のアルゼンチン粉砕

 イングランド戦でドイツの強さを実感した。アルゼンチンはメッシと他の選手との連携がまだ十分ではなく、意外に苦戦するのではないかと思っていた。しかしこれほどまで点差がつくとは思っていなかった。
 立ち上がり3分、シュバインシュタイガーのFKにミュラーが飛び込んで先制点を上げる。これが大きかった。この後しばらくドイツが圧倒。アルゼンチンは攻撃にかかってもすぐに複数のドイツ選手に取り囲まれ、ボールを絡め取られてしまう。
 ようやくアルゼンチンが調子を上げてきたのは20分過ぎ。22分、テベスからメッシに出た横パスを狭い隙間を縫ってのスルーパス。これにテベスが走り込むがGKがわずかの差でセーブする。いかにもアルゼンチンらしい攻撃。ドイツも24分、エジルからミュラーが走り込んでクロス、これにクローゼが合わすがバーの上を越えていく。
 28分にはメッシが3人ほどを抜くドリブルを見せるが、最後は詰まってしまう。33分ディマリア。35分イグアインミドルシュートを放つが、いずれもGKがセーブ。なかなか中に入らせてもらえない。37分のFKからスルーパスはネットを揺らすが、完全なオフサイド。結局このまま前半終了。
 前日のブラジルvsオランダ戦は、前半リードしたブラジルが逆転をされたが、こちらのゲームはリードしたのが欧州のチームで、メンタリティ的にも逆の結果になるのではないかと予想。そして実際そのとおりに展開する。
 後半出だしからテンションを上げて攻撃に出るアルゼンチン。3分、ディマリアのミドルシュート。9分、ディマリアのクロスをマキシ・ロドリゲスが落とし、テベスが強烈ボレー。これがメルテザッカーの顔面を直撃。しかしメルテザッカーは倒れない。ドイツの強さを見る。18分にはテベスのミドル。さらにメッシのスルーパスイグアインにわたりシュート。GKセーブ。19分にもメッシがスルーパスを出すが、イグアインの前でラームがカット。アルゼンチンが攻め続けるが、ドイツの守備陣は非常に強固でどうしてもいい形で中に入り込むことができない。次第に手詰まり感が横溢。
 と23分、ケディラから前に出たボールをミュラーが倒れながら反転してポドルスキーにパス。クロスをクローゼがシュート。ドイツが貴重な追加点を入れる。ミュラーの頑張り。ポドルスキーのGKとDFの間を通す絶妙のパス。クローゼの落ち着き。手数少なく、つながる時はワンタッチでつなげていくドイツのすごさ。
 そして29分には、左サイドをシュバインシュタイガーがふらふらと切れ込み、最後はクロスにCBのフリードリッヒが飛び込んでシュート。3点目を上げる。
 さすがにアルゼンチンもこれで気落ち。24分パストーレ、31分アグエロと攻撃的な選手を投入するが、周りとの連携が取れず、個人技で突破を試みるばかり。逆にドイツは27分ヤンセン、33分クロース、34分トロホフスキーと前線で動ける選手を投入。アルゼンチンのさらなる消耗を企図する。
 36分クロース、ミドルシュート。42分のメッシのミドルシュートは力なくGKがセーブ。そして44分、エジルポドルスキーとのパス交換からクロスを上げると、クローゼがゴール。4-0。クローゼはこれで通算14点目、大先輩あのミュラーに並ぶW杯史上2位の得点となった。最後、ロスタイム、メッシがシュートを放つがGKが難なく抑えたところでゲームセット。「仕方ない」と審判を見つめるメッシの表情が印象的。
 チームとしてドイツが完全に上回っていた。個々の技術もしっかりしている上に、速さ、展開力、そして組織的な守備が土台を支える。前のイングランド戦後、「エジルの大会」と書いたが、このゲームではシュバインシュタイガーとクローゼが輝いていた。もちろんミュラー、ラーム、ポドルスキーも。そしてケディラボアテングもフリードリッヒもメルテザッカーも。そうそうノイアーも落ち着いてシュートを捌いていた。
 若手、ベテラン、全員が一つになった「融合」がドイツ・サッカーの勝利の源だ。このまま決勝まで突き進むと信じたい。そしてこの美しいサッカーが凱歌を上げる時を待っている。