とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

フォルランとその仲間たち 異能の子メッシを封じる

 準決勝からウルグアイ対アルゼンチンの絶好のカードとなった。調子の出なかったアルゼンチンはグループリーグ最終戦のコスタリカ戦でメッシをトップ下に下げてようやく調子を取り戻したと言われるが、相手がコスタリカだけにどこまで信じていいか定かでない。ウルグアイグループリーグこそ2位での勝ち上がりだが、調子は本来のものなので、アルゼンチンがどんなゲームを見せるのかに注目して見ていた。
 2分、アグエロのクロスからイグアインがシュート。イグアインがトップに張り、右にメッシ、左にアグエロだが、左サイドはディマリアがよくドリブルで切れ込み、アグエロといい関係を見せる。
 ウルグアイはいつもどおり、フォルランを中心に速い攻撃。6分、フォルランのFKをカセレスがヘッドで戻し、ペレスがシュート。まずはウルグアイが先制する。しかし次第にアルゼンチンがペースをつかみ、15分にはアグエロがドリブルからクロス。ここはGKムスレラが抑えたが、18分、カウンターからメッシがドリブルでゴール前に入ってくると、DFを引き付けて左サイドへパス。イグアインが難なく決めて同点に追い付く。
 31分、メッシの蹴ったFKはイグアインがヘディングで押し込むが、オフサイドの判定。ウルグアイも35分、フォルランのFKをCBスコッティがヘディング、バーに当たりはね返ったところをCBルガーノがシュート。DFのクリアをカセレスが押し込むが、こちらもオフサイドの判定。最初のスコッティか、その際のスアレス
 38分にはフォルランのFKにルガーノが低いヘッドで戻し、アルバロ・ペレイラがオーバーヘッド。クリアを拾ったガゴがカウンターで上がるところをペレスが身体をぶつけて倒すと、2枚目のイエローが出された。ペレス退場で前半からウルグアイは一人少ない戦いを強いられる。
 しかしウルグアイは引かない。45分、フォルランがCKから中に放り込むと、ルガーノのヘディングシュートはバーに当たって弾き返される。
 前半はウルグアイがやや優勢。メッシが生きる場面はそれほど多くなかった。後半に入っても序盤は膠着した展開。16分、メッシがドリブルで中に切れ込み、アグエロのクロスにサバレタミドルシュート。18分にもメッシがドリブルで切れ込み、シュートを放つがGKがセーブ。
 一人少ないながらウルグアイの積極的なプレスと運動量が目立つ。22分にはカウンターからフォルランが落とし、ゴンサレスの縦パスをスアレスが戻してフォルランが左サイドへ。アルバロ・ペレイラからクロスが上がるがGKロメロがセーブ。明らかにウルグアイの方が連携はできている。
 直後の22分、メッシのドリブルからディマリアがシュートを放つが、GKがセーブ。31分にもメッシのドリブルから交代したばかりのパストーレ、メッシとつないで最後はパストーレがシュート。DFがクリア。33分にはメッシの縦パスをイグアインが受けて反転シュート。GKムスレラ、ナイスセーブ。
 ウルグアイも34分、スアレスのスルーパスフォルランが抜け出してシュート。しかしGKロメロの上がりが速く好セーブ。ゴンサレスが詰めるも、DFがクリア。アルゼンチンも36分、マスケラーノの縦パスを受けてメッシがドリブルしゴールを狙うが、DFがクリア。直後にもメッシからパストーレがシュート。さらに37分、サバレタミドルシュート
 39分、ここでアルゼンチンはテベスを投入。ゲームを決めにかかるが、テベスの位置が低く、ゴールに迫れない。逆にウルグアイは40分、フォルランのCKにCBルガーノがヘディングシュート。さすがに疲れからか叩き付けれない。42分、スアレスを倒したマスケラーノが2枚目のイエローで退場。これで10人対10人となる。
 45分にはテベスのFKが壁に当たりコースが変わる。あわやと思ったがGKムスレラが足でクリアするスーパーセーブ。さらにイグアインが詰めてシュートするが、再度ムスレラがセーブ。ロスタイムには逆にスアレスがライン際まで迫り、DFをかわしてクロス。フォルランがやや差し込まれてヘディングは枠を越えた。
 延長に入ってもウルグアイの運動量が衰えない。4分、アルバロ・ペレイラがシュート。6分、アルゼンチンはガゴに代えてビグリア投入。14分、サネッティのスルーパスイグアインが抜け出しシュートを放つが、ポストに弾き返される。
 残り15分。延長後半1分、フォルランがシュート。自軍を鼓舞する。アルゼンチンも3分、イグアインとDFが競ったこぼれ球をメッシがシュートを放つが、GKがセーブ。5分、ようやくウルグアイがエグレン、ガルガーノの二人を入れて中盤の守備を強化する。6分、パストーレのクロスからイグアインのシュートはDFがクリア。8分、パストーレのシュートもGKがセーブ。12分、メッシがテベスとのワンツーからゴール前に迫るが、DFに当たって最後はGKムスレラがキャッチ。メッシはピッチに倒れ込む。
 結局このままPK戦に突入。PK戦はこのゲームでも不調だったテベスが止められ5-4でウルグアイが勝ち抜け。コロンビアとの延長戦を制したペルーとの準決勝に駒を進めた。
 それにしてもウルグアイのがんばりはいつも感動的だ。フォルランを中心に、スアレスが番頭となって、全員の心を一つに戦っていく。対するアルゼンチンは、開催国としての期待を一身に集めながら、最後までまとまり切れなかった。メッシが中心になるにはまだ早いのかもしれない。異能の子メッシを生かしきれず、ベスト8で散った。