とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ミランの勝利の形 オセールもいいチームだったが

 チャンピオンズ・リーグ・グループG第5節。ACミランオセール。勝てばグループリーグ勝ち抜けが決まるミランに対して、前節でアヤックスに勝利し、このゲームにも勝てば、グループリーグ勝ち抜けの芽が出てきたオセール。しかもホーム。ゲームは終始オセール・ペースで進んでいった。
 10分、左SBドゥドゥカのアーリークロスにCFコントゥのヘディングシュート。さらに13分、FKからドゥドゥカのシュート。DFに当たってコースが変わり、あわやゴールとなるところ、GKアッビアーニがファインセーブ。18分にもショートカウンターで攻め込みコントゥがシュート。
 それにしてもオセールと言うチーム名は聞いたことがあるが、ゲームは初めて見る。誰一人知らない選手たち。だが、前から積極的にプレスをかけて、一旦奪えば速いショートカウンター。中盤の底から長いパスにワントップのコントゥが抜け出す。
 ミランはもっぱら守り。だが、ピルロ負傷でアンブロジーニボランチに入り、パトに代わったロビーニョも運動量多く、攻撃の形はなかなかできないが、守備は固い。22分、ネスタからイブラヒモビッチポストプレーセードルフがシュート。いい形だったが、枠を外した。24分にはイブラヒモビッチからのクロスをロビーニョが落とし、セードルフからフラミニが走り込むがシュートはブロックされる。
 前半のチャンスはこの2回程度。ボールをキープしても誰もが立ちつくし動かない。だからパスもつながらない。39分、CBクリバリの横パスをガットゥーゾがさらってシュート。これも枠を外す。前半はオセール・ペースで終了した。
 後半に入っても同じような展開。13分、ガットゥーゾがボールを奪い、イブラヒモビッチがポストに入って右SBアバーテを走らせ、クロスにロビーニョがシュートをするが、DFがブロック。オセールも負けじと18分、エンガンダのミドルシュート
 しかし19分、先制点はミランにあっさりと訪れた。ピッチ中央でイブラヒモビッチポストプレーからヒールでセードルフに渡すと、走り込むロビーニョにスルーパス。これをDFドゥドゥカがブロックしたこぼれ球をイブラヒモビッチが強烈なミドルシュート。GKただ見送るだけ。
 これでミランはあとは守るだけ。チアゴ・シルバ、ネスタアンブロジーニガットゥーゾ。最近はしっかり守れる体制ができてきた。オセールも前半同様、何とかパスを回して再三クロスを入れるが、ミランの中央は固くて、どうしてもこじ開けることができない。
 36分、左SHビルサからのクロスをCMのペドレッティが受けて反転シュート。42分にもペドレッティのスルーパスがゴール前に入るが、チアゴ・シルバががっちり守る。
 40分にイブラヒモビッチに代えてロナウジーニョを入れると、ロスタイムの1分、ロビーニョが右サイドをドリブルで上がり、クロスを受けたロナウジーニョがDFをかわしてカーブをかけたミドルシュート。きれいな弧を描いてゴールに飛び込み追加点。オセールを突き放し、2-0で完勝した。
 終わってみれば実力通りだが、ゲーム展開自体はオセールが終始押していた。固い守備に個人技を絡めて1点を取り、あとは手堅く守りぬくのは最近のミランの戦い方。こうしたゲームを続ける限り、セリエAの首位の座も当面は安泰に違いない。
 これでミランはグループ2位抜けが決定。オセールは次節レアル・マドリード戦でEL進出も危ないが、いいゲームを展開する好チームだった。割れたスピーカーでがなりたてるサポーターの応援も好印象。