とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

MFの技術(日章学園)とFWの決定力(滝川第二)

 高校選手権準々決勝を観る。中京地区で放映されたのは宮崎代表・日章学園と兵庫代表・滝川第二の対戦。日章学園はベスト16で静岡学園PK戦の末に破り、滝川第二はあの柴崎岳率いる青森山田を破って勝ち上がってきた。
 高校選手権は地方放送局では地元代表を中心に放送される。愛知代表の中京大中京は1回戦で早々と久御山に負けた。久御山のパス回しの巧さ、技術力の高さには驚いたが、準決勝まで勝ち残ったのはさすが。その後、沼津で静岡学園の2回戦、宇和島東戦を前半だけ観たが、やはり技術力の高さに驚いた。しかも私が見ていた前半で2得点。もっとも後半は無得点で、結局そのまま日章学園戦も無得点で終わったので、決定力という点ではイマイチだったのかもしれない。
 一方、滝川第二青森山田戦はスポーツニュースのハイライトしか見ていないが、ゴール前の力強さと斜めに切り裂く速さに舌を巻いた。この日章学園戦でも、「ダブル・ブルドーザーの得点力」とアナウンサーから再三口にしたが、決定力は格段に高いチームだ。
 ゲームが始まって直後、日章学園が中盤でパスを回し、山田、早稲田と積極的にミドルシュートを放っていく。福満のボールキープからパスを回し、取られても粘っこく取り返しにいく姿勢は好感が持てる。
 しかし9分、滝川第二のダブル・ブルドーザーの一人、樋口が競ってこぼれたところを本城が積極的にシュート。これがきれいに決まって滝川第二が早々と先制した。日章学園も12分、DFからのフィードをFWの藤岡が受けてシュートを放つが、中盤でパスは回るが、前線で決定機を作るところまではなかなか持っていけない。滝川第二ボランチ・コンビ、谷口と香川が強力でチャンスの芽を事前に摘んでいく。
 19分、再び本城がミドルシュート日章学園も21分、早稲田の正確なFKにCBの玉城が合わせるが、空振り。惜しいチャンスを逃す。と27分、滝川第二のMF白岩がうまく左サイドを抜けだし、クロスに樋口がドンピシャ・ヘッド。あっさりと滝川第二が追加点を挙げる。
 ハーフタイムで日章学園は中盤の要である福満をあきらめ、パッサーの今村に交代。前線にボールキープもできる當瀬を投入。サッカーを代えてくる。すると7分、その當瀬が反転から抜け出そうとしたところをCB亀岡がたまらずファール。しかし早稲田の蹴ったFKはわずかに枠を外れた。惜しい。
 26分にも早稲田が正確なFKを蹴るが、GKがセーブ。すると27分、ロングスローを受けた浜口が巧みなトラップからゴール前にフリーで抜けだしシュート。決定的な3点目を挙げる。
 その後、日章学園も必死で反撃するが、滝川第二の守備は固く、両チーム次第に疲れから動きも鈍くなり、このままゲームセットを迎える。
 巧さでは日章学園だったが、サッカーは点取りゲーム。複雑なことはやらないがシンプルで力強いダブル・ブルドーザーの樋口・浜口コンビの決定力とそれを生かす徹底的なサイド攻撃、そしてボランチの守備力。総合力で滝川第二が上回った。
 このゲーム運び、このチーム力は強い。日本代表・岡崎の時代を上回る決勝進出、そして初優勝も夢ではない。準決勝は第1試合、流通経済大柏久御山を見ようかと思うが、必ずや決勝戦でもう一度見たい。いや、もちろん、滝川第二を破るチームがあったのなら、それはそれで見たいと思うが。いよいよ佳境。高校サッカーもそれなりに面白い。