とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ミランの強さ ウディネーゼの魅力

 何というゲーム! 首位を独走するミラン。昨シーズンの得点王ディナターレを擁するウディネーゼも8位と上がってきた。個人的にはケガ人続出にロナウジーニョ移籍、さらにカッサーノが入りメンバーが大幅に入れ替わったミランがどういうサッカーを見せるのかに興味があった。
 しかし序盤からウディネーゼが積極的に攻めていく。攻撃の中心はチリ代表のサンチェス。3分、ボランチのスイス代表インラーがミドルシュートを放つと、7分にはサンチェスのクロスにパスクワーレがシュート。右サイドを切り裂いていく。
 ミランも10分過ぎ頃からようやく落ち着きだす。11分、CKをセードルフがヘッドでつなぎ、パトがシュート。17分にはアントニーニがドリブルで上がり、イブラヒモビッチのポストにロビーニョがシュート。
 しかしウディネーゼの攻撃も鋭い。18分、インラーからディナターレが受けて反転、スルーパスにイスラがシュート。19分にもディナターレから鋭いクロス。26分にはカウンターからイスラのドリブルにインラーがミドルシュート。33分にはFKにインラーがクロス、CBサパタがヘディングシュート。
 ウディネーゼナポリと同様3バックの布陣。インラー、アブディのスイス代表ボランチにガーナ代表アサモアで中盤を固める。攻撃はディナターレの巧さとサンチェスの機動力。イスラ、パスクワーレの両SHは守備では5バックに戻り、攻撃時は積極的に上がっていく。特にインラー、アブディの両ボランチがいい。
 そしてついに35分。インラーのミドルシュートがポストを叩くと、はね返りにディナターレが詰めてゴール。速くていきいきとした攻撃は非常に魅力的だ。
 ところが前半ロスタイム、PA外の右サイドでイブラヒモビッチがキープからクロス。これをパトが受けてゴール。前半終了直前、ウディネーゼDFに一瞬の隙、気の緩みがあった。
 後半は同点の勢いのまま、序盤からミランが攻撃的に出る。1分、パトがガットゥーゾとのワンツーからシュートを放つ。5分にはイブラヒモビッチのアクロバティックなポストプレーからロビーニョが強烈なミドルシュート。GKハンダノビッチ、好セーブ。
 ところがウディネーゼが守りを固めたところから8分、カウンターでイスラが右サイドに抜け出し、クロスをサンチェスがダイビング・ヘッド。ウディネーゼが勝ち越し点を上げる。ミランは前3人で攻めても、なかなかゴールにつながらない。21分、セードルフにアブディがチェックをかけてボールを奪いパス。ディナターレがDFボネラをかわしてシュート。3点目を入れてミランを突き放す。
 ところがここからミランにエンジンがかかる。24分、セードルフに代えてカッサーノを投入。これがミランの攻撃のスイッチ。26分、カッサーノが左SBアントニーニの上がりを促すと、クロスにロビーニョがシュート。30分には、パトのシュート。はね返りをイブラヒモビッチ。33分、ストラッセールのミドルシュートはGKが横っ飛びセーブ。そして33分、CBのチアゴ・シルバが入れたフィードをCBベナティアが頭に当てると、そのままゴールに飛び込んでしまう。オウンゴールミランに1点を献上。
 するとそこからミランが襲いかかる。そして37分、チアゴ・シルバがドリブルで上がり、カッサーノに預けると、ダイレクト・パスをパトが受け、ヒールでDFをかわしてシュート。あっという間に同点に追いつく。
 ところがウディネーゼも死んでない。39分、ディナターレをデニスに交代すると、44分。サンチェスのサイドチェンジにイスラが上がってスルーパス。デニスが抜け出してシュート。またまた突き放す。
 ところが何とロスタイム3分、CBボネラのフィードをイブラヒモビッチが受け、カッサーノのパスにイブラヒモビッチが抜け出しシュート。三度同点に追いつく4点目。結局この激闘は4-4のドローで終わった。
 前半はウディネーゼ・ペース。ディナターレ、サンチェスを中心とする攻撃力はナポリにも似て強力で魅力的だ。ミランは守備力でここまで首位をキープしてきたが、攻撃はイブラヒモビッチらの個人能力に頼る面白味のないサッカー。しかしカッサーノが加わったことで彼らが活性化された。強さに芯ができた印象。折り返しの第19節。ラッツィオは敗れたが、インテルナポリが勝ち上がりミランを追いかける。ウディネーゼなどの中位チームが元気だと、セリエAも面白くなる。