とんま天狗は雲の上

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CLミラン対トットナム 第1レグは、ひたむきさが老練さに勝利

 UEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦が始まった。ACミラントットナムのゲームは、激しい攻防の末、アウェイのトットナムミランに勝利し、まずは先手を取った。セリエAで首位を行くミランプレミアリーグ4位のトットナムだが、各リーグの特徴を示すような戦い振りでゲームが始まった。
 序盤、アウェイのトットナムが攻勢に出る。1分、ピーナールクラウチをポストに抜け出してシュート。5分にはコルルカのクロスをクラウチが胸で受けて反転からシュート。ミランはいつものようなゆったりとした立ち上がりで受け身に回る。
 9分、レノンのクロスをDFがクリアするとコルルカが拾ってクロス。クラウチの前でGKアッビアーニがキャッチ。11分、コルルカからのパスにレノンが走り込みクロス。GKがセーブ。13分、コルルカのクロスをクラウチが落とし、ファンデルファールトがシュート。トットナムの右サイドが機能して、ミランは攻められっぱなし。
 するとGKアッビアーニが首の痛みを訴え、19分アメーリアに交代。この時間ロスでトットナムの勢いが削がれた。21分にはコルルカフラミニが襲い、ロナウジーニョからのパスにイブラヒモビッチが抜け出してクロス。30分前後から次第にミランもボールを持てるようになり、互角の展開になっていく。トットナムはサンドロとパラシオスボランチ・コンビがよく機能する。特にサンドロは攻撃にも顔を出し、若いながらいい味を出している。
 42分、ファンデルファールトミドルシュートをGKアメーリアがファインセーブすると、43分、左SBアントニーニのドリブルから右SBアバーテがクロス。ロスタイムにはセードルフポストプレーからフラミニのスルーパスロナウジーニョが抜け出してクロス。GKゴメスがセーブ。前半は序盤トットナム、終盤以降互角の展開で終えた。
 後半に入りミランセードルフをパトに交代。ロナウジーニョがトップ下に入るとミランが中盤でボールをさばけるようになる。5分、ガットゥーゾのスルーパスにCBマリオ・ジェペスが飛び出しヘディングシュート。GKゴメス、スーパーセーブ。どうしてジェペスがそこにいる! 8分にはフラミニのクロスにイブラヒモビッチがヘディングシュート。これは枠を外れる。
 勢いに乗ってきたミランは10分過ぎ、コルルカに対してフラミニが強烈な両足タックル。これでコルルカが壊れてウッドゲイトに交代を余儀なくされた。この場面でなぜかガットゥーゾがエキサイト。15分にはCKからロナウジーニョのクロスにジェペスがヘディングシュート。これもGKゴメスがスーパーセーブ。しかしミランはパトがいきいきと動き回り、何度もチャンスを演出する。
 後半に入り押されっぱなしもトットナムは17分、ファンデルファールトに代えてモドリッチを入れ、中盤の運動量を増やす。26分、モドリッチのFKにクラウチが合わせるがGK正面。逆にその直後、アバーテのクロスからパトが落としてフラミニがシュート。辛うじてDFに当たりゴールを逸れる。
 32分、トットナムピーナールに代えてクラニチャル投入。すると35分、中盤でイブラヒモビッチのパスをボランチのサンドロがカットすると、モドリッチがつなぎ、レノンがドリブル独走。最後はクラウチにつなぎ、典型的なカウンターからトットナムが貴重なアウェイゴールを挙げた。
 その後はトットナムがボールをキープして1点を守る。ミランもジェペスをトップに上げ、スクランブル態勢を取るが、トットナムボランチ・コンビ、サンドロの読みとパナシオスのキープ力がよく機能してなかなかいいボールをゴール前に入れられない。
 ようやく終了間際の44分、アバーテのクロスをイブラヒモビッチが落としロナウジーニョがシュート。さらにCKからネスタの上げたクロスにイブラヒモビッチがオーバーヘッドでネットを揺するが、オフサイドの判定。結局最後までトットナムが守りきり、アウェイで1-0と貴重な勝利を挙げた。
 印象としては、若々しくひたむきに攻め守るトットナムに対して、ガットゥーゾを始めとする老練なミランが何とか籠絡しようとするが、ひたむきさの前に及ばず敗れたという印象。しかし代償も大きい。ハットン負傷でコルルカを起用していた右SBだが、交代出場のウッドゲイトも負傷という情報が流れ、完全に選手不足。左サイドのベイルがそろそろ復活という情報もあるようだが、今後のプレミアリーグチャンピオンズリーグをどう戦っていくのか。このところトットナムの若々しい戦い振りに完全応援モードである。