シャルケはホームの満場の声援を受けてよく戦った。内田もルーニー、パクチソン、ギグス、エブラと代わる代わる現れるスーパースターを前に臆することもなく対応し、時に勇敢に攻め込み、いいパフォーマンスを見せた。内田だけでなく、スーパーセーブ連発のノイヤーを筆頭に、ファルファン、フラド、ラウル、エドゥーらが積極的に攻めていった。パパドプロスやメツェルダー、マティプらも身体を張ってよく守った。だが、マンUは攻めて攻めて攻めて、そしてついにその鋭い刃でシャルケDF陣を切り裂き、ネットを揺すった。それも2度まで。
実力の差は認めざるを得ない。しかしまだ前半が終わったばかり。第2レグでシャルケはどう戦うか、マンUはどう受けるか。興味は来週につながった。
立ち上がり1分、バウムヨハンが積極的にシュートを放つ。3分にはさっそくルーニーと内田のマッチアップが見られる。かわされてシュート。6分にはパクチソンとのマッチアップ。だがマークの受け渡しの隙にまたもやシュートが飛んでくる。直後にはバレンシアのクロスからエルナンデスがシュート。立ち上がりからマンUが圧倒する。
7分、ラウルのパスからエドゥーがシュートを放つが、GKファンデルサールが悠々セーブ。12分、カウンターから右SBファビオが長駆ドリブルしてシュート。14分にはパクチソンのスルーパスにエルナンデスが反応してシュート。GKノイヤー、ナイスセーブ。21分にもエルナンデスが反転からシュート。さらに26分、バレンシアのクロスからエルナンデスがシュート。エルナンデスは身体は小さいが、常に危ない位置に入り込み、シュートも巧み。特にこのゲームでは目立っていた。
だがそれ以上に目立っていたのがノイヤー。27分、ビディッチのクロスに合わせたドンピシャのギグスのヘディングシュートもGKノイヤーがナイスセーブ。36分にはエルナンデスがシュート。GKノイヤーが弾いたところをパクがシュート。内田がクリアすると今度はギグス。さらに38分、バレンシアのクロスをパクが落とし、最後はファビオがシュート。45分、ルーニーのスルーパスにエルナンデスが抜け出してシュート。GKノイヤー、またもやスーパーセーブ。
マンUが攻めに攻めるが、シャルケも乱れることなくよく守る。中でも攻撃陣で奮闘していたのがファルファン。後半キックオフ直後、ファルファンのドリブルからクロスがゴール前に入るが、わずかにラウルに届かない。マンUのビディッチ、ファーディナンドのCBコンビも強力。シャルケは攻めても、最後のところでシュートを打たせてもらえない。その点ではキャリックがよく効いている。
2分、ギグスのFKにピタリと合ったエブラのヘディングシュートもGKノイヤーが好セーブ。3分にはルーニーのスルーパスにバレンシアが抜け出しクロス。ギグスが切り返して内田、パパドプロスを滑らせ、シュート。シャルケも7分、ファルファンの長駆ドリブルからクロスがDFに当たったところをフラドがボレーシュート。プレスが早く枠に入らない。11分には内田がパスカットから上がっていく。18分にもファルファンからのパスを受けて内田がクロス。だが、マンUの中央は固い。18分、ラウルのシュート性のクロス。20分、エドゥーのミドルシュート。
シャルケもよく抵抗するが、ゴールはその直後に訪れた。22分、ルーニーの一瞬のスルーパスに中盤から上がってきたギグスがそのまま抜け出しシュート。GKノイヤーもどうしようもない。CBの間をきれいに割られた。23分にもバレンシアのクロスにギグスがシュート。そして24分、バレンシアのクロスをエルナンデスがスルーパス、ルーニーが走り込み2点目。まさに電光石火。あっという間の2失点だった。
これでマンUは余裕を持ってゲームをコントロール。シャルケも必死に反撃を試みるが、なかなかシュートすら打てない。逆に43分には途中交代ナニのパスからエブラのシュート。わずかにポストを外れたが危ない。結局最後まで余裕のパス回しでマンUが完勝した。
まだ第1レグ。半分が終わったにすぎない。両チームの実力差はよくわかった。アウェイで2点差はほとんど勝負が決まったと言うに等しいかもしれない。しかしシャルケの清々しい戦いぶりも印象に残った。第2レグもぜひ観てみたい。そう思わせるに足るゲームだった。