とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

長友はすっかりインテルに溶け込んでいた。

 しばらくインテルのゲームを見ていなかった。先日、NHKの「アスリートの魂」で長友を特集しており、インテル移籍後、一時不調に陥ったが、今はスタメンを確保し、すっかりインテルに溶け込んでいると言っていた。そこでどんな様子か、ナポリ戦を見ることにした。
 インテルは、スナイデルスタンコビッチルシオがケガで欠場。エトーミリートの2トップ、カルジャとサネッティを両サイドに置いて、ボランチカンビアッソとモッタ。長友はいつもの左SBでCBはラノッキアマテラッツィで組んできた。対するナポリはカバーリが前節レッドカードで欠場。ラベッシハムシク、スニィガの3トップにガルガーノがトップ下で、右にマッジョ、左にドッセーナ、アンカーにパツィエンツァで、CBはアロニカ、カンナバーロ、カンパニャロの3バック。ナポリの3トップは流動的かつ積極的。2分ラベッシがドリブルからシュートを放つ。
 対するインテルも9分エトーミドルシュートと相変わらず、連携よりも個人技が前面に出る戦い方。先制の15分は、ミリートの落としをエトーが強烈なミドルシュートで突き刺す。まさに個人技が爆発。
 それにしても、長友が落ち着いている。パス、飛び出し、カバー、ドリブル、身体を巧みに使ったスクリーンプレー。周りとの連携が以前よりは見違えて、スムーズに動き、積極的に仕掛けている。
 ゲームは前半の中盤からナポリが積極的に攻めて、インテル・ゴールを脅かす。28分、ラベッシミドルシュートをGKジュリオ・セザールがナイスセーブ。これをまたもラベッシが拾って、最後はDFに当たってこぼれたところをパツィエンツァループシュート。29分にはカンパニャロ、32分にもスニィガがシュートを放つ。ドッセーナのクロスは正確で、マッジョの仕掛けも積極的。ガルガーノとスニィガは流動的に動いてくる。
 インテルも42分、マイコンからエトーがつなぎミリートがシュート。43分にはCKからエトー、カルジャとつなぎ、マイコンのシュートはポストを叩く。そしてロスタイム1分。カンパニャロが入れたスローインマッジョが落とし、スニィガ、マッジョと渡り、最後はスニィガがシュート。前半のうちにナポリが同点に追いついた。
 後半4分、長友からきれいなパスがゴール前に入り、ミリートが受けてDFをかわしシュート。しかしGKデサンクティスがナイスセーブ。逆に5分にはハムシクが長友をかわして中に切れ込みシュート。11分にはハムシクからマッジョが長友をかわし、クロスをスニィガがシュート。長友も22分、長躯ドリブルで上がりクロスを入れるがミリートにわずかに合わない。
 しかし全体的には静か。ナポリに勝点差6を付け、引き分け以上で2位確定のインテルナポリウディネーゼに勝点差3を付け、引き分ければCL予備予選なしで出場決定の3位を確保する。両者の思惑が一致し、無理な攻めはせず、ブロックを作って大事に守りながら、隙を見て攻撃する展開。結局、その後は35分にドッセーナのクロスに途中出場のイエブダがヘディングシュートするシーンがあったくらいで、無難なパス回しに終始して時間を過ぎるのを待つ。それは観客の思いとも一致して、ロスタイム前には3位確保を祝う応援が始まる。
 ゲームセットとともにナポリの選手が破顔一笑。何とも幸せな対戦。こんな雰囲気の中では長友の評価もいま一つわからないが、非常にスムーズにインテルの中に溶け込んでいた。よかった。このままさらに精進して、世界一のサイドバックめざしてがんばってくれ。