とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

バーミンガム 後半42分からの降格

 今シーズンのプレミアリーグの降格争いは厳しかった。例年ならば余裕で残留圏内の勝点40が境となって、結局ブラックプールバーミンガムが1差届かず降格となってしまった。ブラックプールは優勝したマンUとの対戦。それでも前半は2-1とリードして、もしやと希望を持ったが、後半29分、オウンゴールで勝越し点を献上。健闘空しく降格と相成った。降格したもう1チーム、バーミンガムの闘いも壮絶だった。後半42分まで残留圏内にいながらわずか5分余りでの降格劇。その様子を見たく、トットナムとの最終戦を観戦した。
 トットナムも5位ながら、6位のリバプールとの勝点差はわずか1。最終戦でリバプールが勝てば、勝たねば逆転される状況。ヨーロッパリーグ圏内の5位を確保するためには、どうしても勝利が欲しい。ベイル、ピーナールファンデルファールトをケガで欠く中(アスエコトはベンチに入っていた)、序盤から積極的に攻めていく。
 10分、右SBカブルのフィードをクラウチが落とし、サンドロがシュート。14分にも左からモドリッチのパスを受けたサンドロがミドルシュート。GKフォスターがナイスセーブ。21分、モドリッチのスルーパスをデフォーが落としクラウチがシュート。さらに26分にはモドリッチからサンドロがシュート。はね返りをデフォーがシュート。さらにはね返りをクラウチがリフティングからシュートを狙う。いったん戻してレノンのクロスをクラウチがヘディング、さらに競り合いながらヘディング。最後はデフォーがヘディングシュートするが、GKフォスターがキャッチ。
 なかなかゴールは挙げられないが、トットナムが圧倒的に押し込んで攻撃する。バーミンガムは前半のうちは失点を避けてとにかく守る。守って守って、他のゲームの状況を見て作戦を考える、ということか。トットナムは40分、クラウチがケガでパブリチェンコに交代。26分のプレイが影響していたかも。
 43分、カブルがクロス性のシュート。GKフォスター、ナイスセーブ。ロスタイムにはモドリッチミドルシュート。揺れながら飛ぶ難しいシュートをGKフォスターが落ち着いてキャッチし、前半はスコアレスのまま終えた。
 前半を終えた時点でブラックプールがリードし、バーミンガムは降格圏内。そのためか後半開始早々、バーミンガムが攻めていく。1分、ファヒーがバーミンガム初めてのシュート。しかし4分、左SBのローズが積極的にドリブルで上がっていくと、パスを受けたパブリチェンコが中央に少し切れ込みミドルシュート。これがきれいな弧を描いてファーサイドのゴール下に落ちていく。トットナム先制。
 これで後がなくなったバーミンガムが一転前に攻めていく。8分、右SBのカーが強引なドリブルで前進し、ゴール前まで進んでいく。トットナムは守ってカウンター。9分、デフォーがドリブルで前進し、最後は切れ込んでシュート。さらにCKからハドルストンが流しモドリッチがシュート。18分、バーミンガムもCKからCBジョンソンのヘディングシュート。ドンピシャだったが、コースを外す。攻めども攻めどもなかなかゴールにならない。
 逆にトットナムが危険なカウンターを繰り出す。27分、レノンのドリブルからハドルストンがシュート。28分にもモドリッチ、デフォーとつないでパブリチェンコがシュート。
 しかし34分、ついにバーミンガムが同点に追いつく。CKをDFがクリアしたところをファーガソンがシュート。はね返りをガードナーがシュートすると、DFの狭い間を抜けてゴールネットに突き刺さった。この時点で19位だったウィガンがストーク相手に得点を挙げて一歩リード。逆に16位だったウォルバーハンプトンブラックバーン相手に1-3とリードされ、得失点差でバーミンガムがリードする。このまま守り切れば残留。37分のガードナーのFKは強烈な弾道でサイドネットを揺する。
 この時点でリバプールアストンビラに0-1でリードされていたが、最後までどうなるかわからない。トットナムは39分、ハドルストンに代えてクラニチャルを入れて、勝越し点を狙ってくる。直後にクラニチャルの大きなサイドチェンジからレノンのクロスにサンドロがアクロバティックなボレーシュート
 ところが42分、ウォルバーハンプトンが1点を返し、2-3となる。こうなると得失点差でバーミンガムと並び、総得点差でウォルバーハンプトンが逆転する。どうしても勝ち越すことが必要なバーミンガムはGKフォスターも上げて一斉攻撃。しかしどうしても得点が取れない。逆にロスタイム3分、カウンターからパブリチェンコが見事なシュートを決めて突き放す。万事休す。
 終わってみれば最終節にマンUトットナムと上位チームとの対戦を残した2チームが降格決定。ある意味、順当な結果とも言えるが、それにしても最後まで得失点差、総得点差のギリギリの闘いが続けられた。あの失点がなければ、あの退場がなければ・・・。後悔は先に立たず。バーミンガムも得点力こそなかったが、気迫あるプレーをするいいチームだった。今シーズンのプレミアリーグは下位チームの健闘で面白いゲームが多かった。