とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

グランパス、久しぶりのほぼベストメンバー、久しぶりの攻撃サッカーで勝利

 ACL決勝トーナメントで敗退した直後のJリーグACL参加組が相次いで敗れる中、唯一グランパスだけが5-2と勝利。ACLで負傷したダニルソンが脅威の回復力で先発に戻り、ケネディ、増川も復帰して、金崎を除いてはほぼベストメンバー。もっとも相手はいまだ勝ち点なし7連敗のアビスパ。それでも前日には友人と「アビスパ初の勝ち点を献上するんじゃないか」と話していた。そうなっても不思議ではない展開だったが、最後はJリーグ王者にふさわしい攻撃サッカーを見せて5-2と突き放し勝利した。
 立ち上がりからアビスパは積極的にプレスをかけてきた。対してグランパスは大きくパスを回しプレスをかわす。10分、藤本のFKを増川が落とし、闘莉王が流して小川がシュート。11分にはCKをGK神山がはね返したボールを中村が拾って、クロスに闘莉王ボレーシュート。14分、ダニルソンから中村、ケネディとつないで玉田がシュート。ここはGKがナイスセーブ。15分、アビスパも松浦のクロスから田中佑昌がシュート。19分、藤本のCKを増川が身体ごとゴールに押し込もうとするが、GKが立ちはだかる。
 これまでのゲームに比べるとグランパスもかなりパスが回せるようになってきた。中盤から積極的に押し上げていく。そして23分、中村がドリブルで前進、クロスをGK神山が弾いたところをケネディがすかさずシュート。グランパスが先制した。
 ところが26分、アビスパも岡本がPA右サイドに縦パスを放り込むと、ボランチの末吉が走り込み、小川とぶつかって倒れる。PKの判定。やや厳しい気もするが、これを岡本が冷静に決めてアビスパが追い付いた。
 27分には重松から田中佑昌ポストプレーに松浦がシュート。しかしゴールにはならず。45分には藤本のFKを増川が合わせるが、ポストに当たってはね返される
 後半に入ってもゲームはグランパス・ペースで進む。6分、藤本から右にパス。ケネディのクロスに玉田が飛び込んでシュート。GK神山の脇の下を抜けてゴールに転がり込んだ。グランパス勝ち越し。
 続いて8分には玉田、阿部、ケネディとつなぎ、阿部がクロス。玉田から小川が落としてケネディがシュート。9分、闘莉王のフィードに田中隼磨が飛び出して、中に切れ込んでのシュート。さらに11分、玉田がヒールでつなぎ、中村がシュート。GK神山が好セーブ。16分、藤本の縦パスに玉田が反応しシュート。これもGK神山に止められる。
 アビスパはオールコートで積極的にプレスをかけてくるが、さすがに後半も20分を過ぎると運動量が落ちてくる。プレスが次第に弱まると、グランパスは後ろから次から次へと人が湧き出てアビスパを圧倒する。20分には増川がドリブルで上がり、田中隼磨のクロスに藤本がヘディングシュート。この時は中に5人ほども上がって迫力ある攻撃を見せていた。
 しかし得てしてこういう時に失点する。21分、ゲームメーカーの鈴木惇の縦パスに重松が反応しヘディングシュート。DFの間。マークを外す。同点に追い付かれた。これでアビスパも再び元気を取り戻す。
 グランパスはここで永井を投入。27分、松浦のドリブルから田中佑昌がシュートを放つと、グランパスは中村に代えて磯村を投入。若手を入れて再びペースを取り戻しにかかる。31分、藤本のCKに増川がドンピシャのヘディングシュート。そして36分、阿部の縦パスを藤本が大きく左にトラップで持ち出し、反転からシュート。三たびグランパスがリードする。
 アビスパも35分、松浦に代えて高橋泰を投入。すると37分、重松から田中佑昌のクロスに高橋がヘディングシュート。強烈だったがGK楢崎の正面。グランパスはここでなんと半年ぶりにブルザノビッチを投入。すると41分、後方からのフィードをケネディが落としてブルザノビッチがGKのニアを抜くシュート。4点目。左膝十字靱帯断裂から久しぶりに復活したブルゾの喜ぶこと、喜ぶこと。もっともその直前、アビスパが選手を二人交代しており、特にCB田中誠を代えた直後のことで、アビスパ守備陣の隙を突いた形。
 ロスタイムには増川からのフィードというかミスパスを左コーナー付近で見送ったアビスパDFの隙をついて永井が奪い去り、クロスに玉田が走り込んでダメ押しの5点目。終了間際にはアビスパ鈴木のカウンターからのシュートがあったが、GK楢崎の正面で止められタイムアップ。
 終わってみれば5-2とグランパスの快勝。だが実際はゴールのうち2点はGKのミス絡み。4点目、5点目もDFの判断ミスがあっての得点と言え、ビューティフルゴールは藤本の1点のみ。それでもこうした隙を突いて得点できるというのは、昨シーズンのグランパスが戻ってきたとも言える。何より金崎を除き、全員が戻ってきたのはうれしい。
 聞くところによればACLにはJリーグで優勝すれば開催国枠で出場できる可能性があるらしい。メンバーは揃った。リーグもまだ序盤。さあここから巻き返してJリーグ連覇を狙おう。