とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

最近の北朝鮮と日本のマスコミ

 先日テレビ(TBS)で、北朝鮮の農業の専門家がドイツで有機農法を学んでいるというニュースをやっていた。同時にEUが北朝鮮へ1000万ユーロの食糧支援を決定したと伝えていたが、どうもこちらの方がおまけといった報じ方だ。
 このニュースは、従来もっぱらアメリカを対象に恫喝外交を進めてきた北朝鮮が、ヨーロッパとの連携を強めようとしていると見るのが正しい見方ではないかと思うが、偏向した日本のテレビ局は、北朝鮮は金がないので化成肥料が買えないからだとか、国内格差が大きいので市場には物があふれていても庶民は飢えに苦しんでいるなどと、全く本論と関係ない脚色をして報じていた。
 また、ドイツで調査中の北朝鮮の専門家に突撃インタビューを敢行し、穏やかに「話はドイツの担当者に聞いてください」と言っているのに、まるで北朝鮮は恐怖政治のため真実を話してもらえないかのようなイメージ報道をしていた。 いくらなんでもやりすぎじゃないか。
 キム・ジョンイルと言えども、けっして自国民を徒に苦しめることに喜びを感じているわけではなく、支配権は確保しつつも国力を高めることを希求していることは違いない。もちろん恫喝外交を擁護するつもりはないが、有機農業を学ぶ専門家をステレオタイプの色眼鏡で見るのはあまりにひどい。
 サッカーで北朝鮮代表に選出されたチョン・テセが、かの国の若者たちを純朴でいい奴だと話していたが、たぶんこちらの国民像の方が真実に近いような気がする。そういえば先日の女子サッカーW杯でも北朝鮮代表は20歳以下の若い選手たちが溌剌としたプレーを見せて好感が持てた。そろそろ僕らも色眼鏡を外して北朝鮮の実態を見てもいいころではないか。そんな気がした。