とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

断食エジプト相手にU-22の軽さが気になる

 U-22の親善試合エジプト戦をようやく見終えた。清武が代表戦に回り、攻撃をリードするのは東。と思いきや山田直輝がいいパフォーマンスを見せ、存在感を見せ付けた。とは言ってもU-22の最大の課題は不安定なDFとボランチ。CBは濱田、鈴木の二人で固定されたようだが、このゲームでもやはり不安定なところを見せてしまった。
 先制点はエジプト。前半5分、日本の左サイドで酒井高徳が抜かれてボランチの山口が倒して与えたFK。中央に放り込まれたボールに大迫が簡単にマークを外してCFマルワン・モフセンにフリーでヘディングを流し込まれた。余りに軽い。
 それでもこのチームは失点慣れしているのか、攻撃陣は全く意に介さず攻撃にかかる。6分、鈴木からのフィードを受けた大迫が反転してミドルシュートを打つと、11分、山田からのパスに右サイドを駆け上がった酒井宏樹がクロス。DFのクリアを山田が拾ってシュート。あっさりと同点に追い付いた。
 すると日本が優勢に攻め込んでいく。14分、ボランチ山本康祐がミドルシュート。21分、山田のクロスに大迫がシュートミス。しかし守備も軽い。25分、濱田がチェックに飛び出したところをトップ下のヘシャム・モハメドにかわされ、右SHマグディからのクロスをモフセン。しかしこちらもシュートミスで救われた。いかにもU-22らしいミスの多い展開。
 それでも30分、山田が見事な反転でDFをかわし、ゴール前に長いスルーパス。これに永井が抜け出しシュート。いったんはGKに弾かれたが、はね返りを落ち着いてシュート。ゴール前に入ったDFのミスもありゴール内に飛び込んだ。できれば1本目でGKをかわしてほしかったが、やはりその俊足ぶりはすごい。だがそれ以上によかったのは山田。ピッチ全体を把握したパスセンスは突出している。
 守備陣は43分、ヘシャム・モハメドのパスをモフセンがヘッドで送り、アラファトがヘディングシュート。コースは外したが、ほとんどフリーで危なかった。
 断食期間中のエジプトは前の4人と両SBで攻撃するが、プレスも緩くあまりやる気が感じられない。たぶんゲーム後の食事とその後のススキノを思い浮かべていたのではないか。そんな相手に対し、日本はひたすら攻め続ける。3分、東から大迫のクロスに山本が走り込みヘディングシュート。7分、大迫のスルーパスに永井が抜け出してシュート。しかしGKに止められる。17分、東がミドルシュート。26分には酒井高徳がドリブルで前進しシュート。しかし決定力不足。必死さが足りない。
 20分以降、両チームとも選手を交代していく。日本は15分山本に代えて扇原、26分東・酒井宏樹に代えて青木と高橋峻希、32分山田・大迫に代えて茨田と斉藤学、42分には永井に代えて杉本。こうした中で目に付いたのはやはり山田。31分のスルーパスオフサイドになったがセンスを感じる。36分、青木のスルーパスに斉藤が抜け出した。43分、左からのクロスに杉本がポストに入って山口がシュートを放つ。杉本の高さと技術も魅力的だ。
 総じて不安のある選手を90分使い続けた感じ。両CBにボランチの山口、左SBの酒井高徳。U-22には代表に選出された清武の他にも、今回は所属海外クラブに召集を拒否された宇佐美や宮市、さらに香川もいるが、関口監督は今後どうチームを作っていくつもりか。さらにオリンピック本番ではオーバーエイジの参加も認められる。
 現時点で個人的に考える理想のオリンピック代表は次のような感じ。
永井―宮市(宇佐美)・香川・清武―長谷部・山田―長友・吉田・鈴木・酒井宏樹―権田
 予選代表は、宮市・香川の参加が認められないとして、
杉本―永井・山田・清武―青木・山本―酒井高徳・鈴木・○○・酒井宏樹―権田
 それにしても濱田の代わりが見つからない。
 関口監督はこれまでチームのベース作りを重視して同じメンバーを使い続けてきたのだろうが、そろそろ色々な選手を使ってベストメンバーを探ることが必要ではないか。今のままでは予選突破はかなり厳しいという気がする。