勝利したマンUも含め、4強のいずれもがパッとしない開幕戦だったプレミアリーグ。内容がないと言えば、ストーク相手にほとんど何もできずにスコアレスドローに終わったチェルシー。マンUに奮戦したウェストブロミッチ相手とは言え、第2節の前半も全くひどいゲームに終始した。
序盤4分、アレックスが緩慢な守備でウェストブロミッチのFWロングにボールを奪われ、抜け出され、先制される。チェルシーは前節動きの悪かったマルーダに代えてアネルカが先発。トーレスをトップにカルーとの3トップで臨むが、くさびのボールが思うように入らず、攻撃が形にならない。
14分、ミケルの縦パスがカルーに入りシュート。ウェストブロミッチも16分、ブラントの縦パスにボランチのシャルナーが抜け出してシュート。25分には同じくブラントのカーブをかけたスルーパスにロングが抜け出し完全にフリー。だがクロスにチョイが届かない。
停滞する攻撃陣に早くも35分、ビラスボアス監督が動く。カルーに代えてマルーダを投入。トップをトーレス、アネルカの二人にし、ランパードをトップ下に据えるダイヤモンド型の中盤にする。これでようやくチェルシーが攻め出す。41分、アシュリー・コールのミドルシュートはGKフォスターがナイスセーブ。ロスタイム、アレックスの強烈なFKが壁の下を通るが、GKの胸にすっぽり。直後にはトーレスのキープからボシングワのクロスにアネルカがヘディングシュート。しかしゴールは決まらない。
ハーフタイムを終えて元気になったのはウェストブロミッチの方だった。中盤から前線のチョイ、ロングへくさびのパスが入り、守ってもブラント、リードが身体を張る。だが8分、右サイドを上がったアネルカからのクロスにランパードが走り込み、クリアボールをアネルカが拾ってシュート。長身CBオルソンの足元を抜きゴール。ようやく同点に追い付いた。
ウェストブロミッチも10分、モリソンのクロスにシャルナーが飛び込み、フリーでヘディングシュート。だが枠を外す。チェルシーも直後、A.コールのクロスにランパードが飛び込むと、11分にはボシングワのクロスをランパードが落とし、アネルカがシュート。GKフォスターが弾くと、マルーダがすかさずシュート。しかし右SBリードが身体を投げ出しクリア。熱いゲームとなってくる。
15分、一人乗り切れないトーレスに代えてドログバ投入。さらに21分には不安定なアレックスに代えてイバノビッチを投入。守備も固めつつ、追加点を狙う。24分、ミケルからランパードのスルーパスにアネルカが抜け出しシュート。25分、ラミレスの縦パスにドログバが反応。37分、ラミレスの縦パスにアネルカが飛び出すが、なぜかGKフォスターも飛び出してくる。空いたゴール目がけてアネルカがシュートを放つも惜しくも外れる。そして38分、ボシングワが右サイドをショーリー、モリソンの間を割って抜け出すと、きれいなクロスにマルーダがシュート。ついに勝ち越し点を入れた。
前半35分のマルーダ投入と4-4-2へのフォーメーションの変更。トーレスの交代、そしてCBの交代と積極的な采配の末にようやくいつものチェルシーらしさを取り戻した。これでビラスボアス監督も落ち着くだろうか。だが、トーレスが未だフィットしない。これからのビラスボアス監督の手腕を楽しみにしよう。